賃貸VS.購入はどちらがおトク?――20年間のコストで比較する:1-8.住まいの選択、完全理解!(3/3 ページ)
「賃貸」と「購入」、マンションタイプを例に取り、20年間のコストを比べてみましょう。「購入」はローン返済や持っている時の税金、管理費などの負担が大きいですが、ケースによっては売却で戻ってくる金額も大きい。一方、「賃貸」は家賃と更新料だけの支払いですが、払ったお金は戻ってきません。20年で比べると、その差は意外にも……?
賃貸は物件が古くなった時の交渉がポイント
賃貸のデメリットは、当たり前ですが払った家賃が戻ってこないという点です。4500万円を払って何も残らないというのは、ある意味空しい気持ちになってしまうかも。また、購入のように低金利の時にローンを組むなどして、月々の返済額を抑えることもできず、人気のある物件では家賃の値下げ交渉も難しい。コストダウンの余地はあまりありません。
ただ、賃貸物件は一般には古くなるほど市場価値が下がり、家賃が下がるのも事実です。同じ物件で更新を重ねれば、徐々に家賃も下がって当たり前。更新時は値下げ交渉をするチャンスなのです。同じ物件に長く住み続ければ、家賃負担はもっと減らすこともできるでしょう。しかし、老朽化が進むなどして空室率がある程度まで上がると、建て替えやリフォームが行われ、家賃も上がるので要注意。
購入の最大のポイントは売却時の価格
購入派が賃貸派を逆転できるかは売却次第。できるだけ高く売却するにはタイミングが大事です。まず、年間通じて一番需要があるのが年度替わりを控えた2月、3月の時期。子どもの入学や転勤で急いで新居を探す人が増え、比較的売り手の言い値で売れる場合が多くなります。物件的なタイミングとしては、大規模修繕工事の終了直後で外観が綺麗な時でしょう。10年ごとに外壁工事をするケースが多いので、ちょうど20年目が売り時に当たるケースもあるでしょう。
もう1つ、高く売れる物件を決める重要な要素が立地です。住宅取得の意欲に満ちた働き盛りが求めるのは第一に利便性。駅に近い中古マンションは比較的値下がり幅が低くなります。バス便の物件は立地面で希少性がなく、数自体も多いので、中古になった時の売却価格は新築時よりも大幅に下がる傾向があるのです。ただ、購入でもマンションの場合は売却に不透明な点もあります。それは「マンションVS一戸建て」でも解説しています。
このように、長期的なコストを考えると、賃貸と購入では考えるポイントが異なるのが分かります。両方のポイントをよく考えて計画を練るとよいでしょう。
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