驚異の人間誘導力――コンビニの売り場作りの秘密(2/2 ページ)
「消費者の購買心理を操り、日々数十万円の売り上げを記録しているお店がある」と言ったら「あくどい商売をしているに違いない」と思うだろう。しかし、それを非常にクリーンな方法で実際に行っているのがコンビニだ。コンビニの売り場作りの秘密を解説しよう。
店内レイアウトの秘密
夜ご飯を買いに皆さんがコンビニに入った時、どのように動いているでしょうか?
1. 雑誌売り場に行き、立ち読みをしながら雑誌を物色
2. ドリンク売り場に移動しお茶・お水を購入
3. デザートを購入
4. 明日のパンを購入
5. 弁当、おにぎりを購入
6. レジカウンターに移動して精算
7. ふと、気になったお菓子をついでに購入
大半の方がこのような動きをしていませんか? お客さまのこのような動きを実はコンビニは意識的に狙っているのです。
一般的な売り上げを因数分解すると、「売り上げ=客数×客単価」となります。
「売り上げを上げたい」と考えると、客数か客単価を上げる必要が出てきます。客単価を上げるためには、1品でも多く購入してもらう必要があります。1品でも多く商品を買ってもらうためには、店内に入ったお客さまに1歩でも2歩でも多く店内を歩いてもらう必要があります。
そのため、お客さまがよく買う商品(回転数の高い商品)を店内の端に陳列して、お客さまの歩く距離(客動線)を長くしているのです。お客さまがたくさん歩けば歩くほど、さらに商品を買ってくれる可能性が高まります。
何気なく商品が並んでいるように見えますが、コンビニのお店作りには細かい狙いがあるのです。「お客さまに、いかにしてたくさんの商品を買ってもらうか?」を日々考え続け、変化対応をし続けた結果です(笠井清志)
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