“町のおかしやさん”は幸せと中毒のもと:郷好文の“うふふ”マーケティング(3/3 ページ)
お菓子ファンの筆者お気に入りの「おかしのまちおか」。その魅力はどこにあるのか、実際に店舗を訪れて考えてみた。
調査だけでなく買いました
私が必ず買うのはみながわ製菓「元祖 とうがらしの種」。コンビニだと155円だが、まちおかでは126円。モンドセレクション受賞のお菓子のギンビス「アスパラガス」、サクっと習慣性が高い東ハト「ハーベスト」もヤバい。おっとずいぶん長居をしてしまった。店頭調査かつ迷いの果てに、とうがらしの種などを買って退散した。
お菓子中毒は幸せのもと
さてお菓子、どこで買うと幸せになりますか?
私は昔、100円玉、いや50円玉を握りしめて、お菓子屋さんに行っていた。あれこれと品定めした挙げ句、「ライスチョコレート」を2個買ったり。ひと昔前、昭和の時代、訪れるだけでワクワクするようなお菓子屋さんが町にはあった。今の子どもたちは夢を感じないコンビニやスーパーのお菓子売り場にしか触れられなくてちょっとかわいそうな気がする。
コンビニの菓子棚、味が想像できない新製品や、ぎりぎりコストを切り詰めたというプライベートブランド(PB)ばかりで夢がない。自社チェーンの都合が顔を出している。スーパーのお菓子売場はまさに“場所貸し”。NBの棚占有合戦の結果として、売り場が生き生きとしていない。大袋主体のディスカウントストアは、おじいちゃんおばあちゃんが孫に土産を買う感じで、お菓子屋の楽しさが感じられない。
だが、まちおかからは昭和のお菓子屋の香りが匂ってくる。100円玉というわけにはいかず、500円玉か1000円札になるが、お菓子屋さんが持っていた本来の楽しさがある。そもそもまちおかの店名の由来は「町のおかしやさん」だ。
お菓子にはやめられない習慣性、中毒性がある。カラダに悪そうと思ってもつい手を出してしまうお菓子中毒。でもチマタをにぎわす錠剤や白い粉でなく、お菓子の中毒なら平和ですよね。
関連記事
- 人気はずっとモチモチ?――白いたい焼きブームの内側
密かに人気を集めている“白い”たい焼き。その魅力はどこにあるのだろうか、白いたい焼き屋を営む深山智利主さんに話を聞いた。 - たい焼き、“泳ぎ”続けて100年――その新種が続々と
明治時代から親しまれてきた「大衆のおやつ」たい焼きが、今も庶民に愛され続けている。最近では白い皮や長方形タイプなど、さまざまな“新種”が生まれ、泳ぎ始めているようだ。 - 120秒が5秒になった――LEDがなし遂げた“ネイルの大発明”とは
従来のネイルでは、ジェルネイルが乾燥するまで120秒も待たなくてはいけなかった。しかし、松風とネイルラボが開発したLEDライトを使えば乾燥時間が5秒にまで短縮できるのだ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.