矢野経済研究所は11月13日、「人材ビジネス市場に関する調査結果」を発表、2008年度の人材派遣市場は前年度比7.0%減の4兆6700億円となったことが分かった。
ここ数年で急成長した人材派遣市場だが、同研究所では「2007年ころから景気低迷の影響を受け始めていたが、2008年9月のリーマン・ショック以降、これまで継続して契約更新していたような案件でも、契約終了時の雇い止めが相次いだ。加えて、新規の求人案件も激減し、2008年度下半期以降厳しい状況が続いている」とコメントしている。
同じく成長著しかった人材紹介市場も前年度比10.3%減の1390億円と縮小した。「2007年以降の景気後退で各企業が雇用調整に入り、2008年度までに新卒を多く採用した企業は、新卒採用だけではなく、中途採用も一気に取りやめた。加えて、企業側がより厳選した人材を求めるようになってきているため、面接試験回数の増加などで採用が遅延したり、マッチングの難易度が高まったりしている。さらに、企業からの仲介手数料の引き下げ圧力があることも、市場にマイナスの影響をおよぼしている」(矢野経済研究所)
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