世界の現実を自分の目で見てみようよ――@nifty ビジネス×Business Media 誠(後編):ネットメディア編集長対談(2/2 ページ)
Twitterの面白さはどこにある? ネット媒体は今後、どのような方向性を目指すべきか? ――@nifty ビジネスとBusiness Media 誠の編集長対談、続編をお送りします。
Twitterの面白さはどこにある?
森田 あのコーナー、面白いですよね。その Twitter が今、新しいコミュニケーションツールとして人気ですけれど、どう思います?
吉岡 Twitterはテキスト好き、コミュニケーション好き、そのうえ iPhone を手にしたオジサンにはぴったりのメディアではありますね。
森田 あっ、でも僕はハマってないな(笑)。面白さについていけてないです。
吉岡 これほどリアルタイム性とクチコミ性を強調して成功したメディアは、ほかにないですよね。有名人のつぶやきに直接、触れることができる面白さも流行した一因じゃないでしょうか。ソフトバンクの孫さんなんて、本当にTwitterの使い方がうまいですし。鳩山さんは下手だったけれど(苦笑)。マーケティング的に活用するにしても、自分がフォローしている人から「今日あそこへ行くと何割引になるよ」と誘われるとつい行ってしまう。リコメンド型のマーケティングにはぴったりのメディアですね。
森田 ふーむ。そうなんだ。
吉岡 Twitterは受け手からすると「気持ちのよいメディア」でもあります。自分が面白いと思うことを言う人だけをフォローしていって、嫌なことを言う人は、どんどん外すことで、自分好みのタイムラインを作れる。それだけに、Twitterが世論だと思ってしまうと錯覚しますけどね。私は2007年ごろから使っているんですが、個人的には最近ちょっと飽きてきたかなあという感じ。Twitter疲れですかね(笑)。
森田 ソーシャルなメディアが普及していくのはいいことだけれど、やはりその中味、メッセージ性ということも僕は考えていきたい。今年のピューリッツァー賞で、初めてネットメディアの記者が受賞しました。ああいう試みがもっと増えるといいなと。そうしたチャレンジを通して、無数のネットメディアの中でも、信頼されるブランドが生まれてくるんじゃないかと思います。
吉岡 メディアの基本は読者が読みたい、知りたいことをちょっと先回りして見てくるということ。大切なのはあくまでも読者の関心です。その半歩ぐらい先を行くフットワークは、これからもなくしたくないですね。
森田 足回りのよさと、その媒体ならではの記事のセンス、切り口。このあたりがネットメディアの生命線ですね。今、@niftyビジネスのニュースでは「誠Biz.ID」の記事も配信していますけれど、これからは共同アンケート調査など提携企画をもっと進めていきたいですね。今日はありがとうございました。
→世界の現実を自分の目で見てみようよ――@nifty ビジネス×Business Media 誠(前編)
森田隆介(もりた・りゅうすけ)
1990年、日経BP社に入社。パソコン誌の広告営業からメディアビジネスのキャリアをスタート。その後、インターネット創成期からネット分野の企画開発に注力、「nikkeibp.jp(現nikkeiBPnet)」(2004年)の立ち上げなど複数の新規プロジェクトに携わる。その後、ベンチャー企業創業の経験を経て、07年ニフティに入社、現在に至る。
吉岡綾乃(よしおか・あやの)
1997年、ソフトバンク出版事業部(当時)に入社。「DOS/V magazine」編集部へ配属 され、PC雑誌の編集者として経験を積む。2005年、アイティメディアに入社。「ITmedia+D Mobile」編集部で記者としてキャリアを積んだ後、「ITmedia ビジネス モバイル」(05年)、「Business Media 誠」(07年)の立ち上げを担当し、現在に至る。Twitterのアカウントは、@YoshiokaAyano。
※本記事は、@nifty ビジネスにおいて7月15日に掲載された「ネットメディア編集長に聞く 第1回『Business Media 誠』吉岡綾乃編集長」を転載したものです。
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