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ダイシン百貨店にみる総シニア時代の「居られる店」づくり:カイモノマーケティング(3/3 ページ)
「半径500メートルの住民を100%顧客に」――地域密着型の商売を行っているダイシン百貨店。そこにはお年寄りが毎日のように足を運びたくなるさまざまな仕掛けがある。
目指すのは売れるではなく、居られる店
商品を売るときに、「モノではなくコトを売る」とよく言われます。例えば、「ミネラルウオーターはいかがですか?」ではなく、「毎朝コップ1杯のおいしい水で健康的な生活はいかがですか?」というように、商品(モノ)ではなく、それにまつわるコトを売るという意味です。
これから来る総シニア時代において、ある程度欲求が満たされたシニア世代が買う理由を見つけるには、モノ・コトだけでなく、「ココロ(の充足)」までを売ることが重要になっていくはずです。
ココロの充足とは、ダイシン百貨店のように、昔から使っている商品がある安心感、何もなくてもつい行ってしまう居心地の良さ、店員との会話の楽しさ、近隣店活性化・弁当宅配といった地域への貢献などによってもたらされる「付加価値」なのです。
モノを買う理由が生まれにくくなる総シニア時代においては、ココロの充足を得るために、「売れる」ではなく「居られる」店づくりを目指して、お客さんと一緒につくっていく共創が重要なテーマになるのです。
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