2013年度のクラウドソーシング市場規模は246億円の見込み:年平均成長率は79.3%
矢野経済研究所が、国内のビジネスプロセスアウトソーシング市場およびクラウドソーシング市場に関する調査結果をまとめた。東日本大震災以降、人々の働き方に起こった変化が数字にも表れている。
矢野経済研究所は10月10日、国内のBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場およびクラウドソーシング市場に関する調査結果をまとめた。BPO市場は年平均成長率2.5%で推移し、2017年度の市場規模は3兆7439億円と予測する。また、クラウドソーシング市場は年平均成長率79.3%で成長し、2017年度の市場規模は1474億円市場に達するという。
IT系BPO市場は高いペースで安定成長
BPO市場をIT系と非IT系に分類すると、IT系の年平均成長率が3.7%であるのに対して、非IT系は同1.1%と緩やかだ。ここでいうIT系BPOサービスとは、顧客企業のシステムをデータセンターに預かるものであり、企業の扱うデータ量が年々増加するとともに情報管理の重要性の高まりを受け、高いペースで安定的に成長している。特に2011年の東日本大震災の発生により事業継続対策が見直されたことも需要を後押ししている。
2013年度のクラウドソーシング市場は246億円
クラウドソーシングとは、インターネットを介して、業務委託者側の企業と業務受託者側の不特定多数の労働者のマッチングを図るサービスだ。2011年の東日本大震災以降、在宅ワークやテレワーク(ITを利用した場所や時間にとらわれない働き方)に注目が集まった結果、クラウドソーシング市場は急速に浸透しつつある。
2013年度の市場規模(クラウドソーシングシステム上で依頼された仕事の総額を指し、成約に至らなかった仕事の金額も含む)は前年度比230.9%となる246億円を見込む。矢野経済研究所では、「委託側、受託側ともにメリットのある形のサービスであるため、クラウドソーシングの利用は今後も拡大し、高いペースで成長が続く」と予測している。
関連記事
- 震災後、シトリックスの在宅勤務を支えた2つの制度
地震や台風などの災害リスクと、少子高齢化が強いるワークライフバランスの変化。日本企業に立ちはだかる課題は数多い。3.11翌日から在宅勤務導入という早期決断に踏み切ったシトリックスに同社の取り組みを聞く。 - 日本人の約8割、教育さえ受ければモバイルワークは可能?
場所に制約なく働くモバイルワークが定着する日も近い!? リージャスが行った調査によると、約8割の日本人が専用のトレーニングを受ければモバイルワークの管理は可能だと回答した。 - 人材育成かアウトソーシングか 優秀な人材を確保する
自分の仕事を、無断でアウトソーシングしていた社員のが話題になった。機密保持などの問題があるとはいえ、成果を出していたと好意的な声もあるようだ。もしあなたに、社外に仕事を出して結果を出す部下と、自ら働くが結果を出さない部下がいたら、どちらを優秀だと見なすだろうか? - デメリットを逆転! Webメールならアウトソーシングがおすすめ
Webメールのメリットは、PCや携帯電話などの端末を選ばず、どこでも受信できること。特にサーバ上に蓄積したメールを閲覧するIMAP形式の場合はそのメリットを享受できる。一方、サーバの管理がデメリットになり得る。こうしたデメリットをどうしたら軽減できるだろうか。 - 日常の「ちょっとお願い」を気軽に頼める――地元系クラウドソーシング「Any+Times」
家事や片付け、ペットの世話、家具の組み立て――。こんな“ちょっとした”作業を頼めるクラウドソーシングサービスが登場した。家事や引っ越し、片付け、家具の組み立てなどを気軽に依頼できる。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.