NISAにも活用! 四季報で優良企業を見つける3つのポイント:マネーの達人(2/2 ページ)
2013年10月1日より、NISA口座開設の受付がスタートしました。「これをきっかけに投資を始めてみたいけど企業の選び方が分からない……」と悩んでいる人もいるでしょう。今回は投資の初級編として、優良企業を見つけるための最初に確認すべきポイント3つを紹介します。
2.売上高および各利益の推移は比例しているか
投資先を選別する際、過去の業績を振り返ることは欠かせません。ただし、数字の上がった下がったを何となくながめるだけでは意味がありません。大切なのは「コスト構造に変化があるか」です。
本来ならば、売上高が増えれば営業利益も同じ動きを示すはずです。しかし、コスト構造に望ましくない変化が起きている場合、図2のような推移を発見できます。
売上高が毎年増加しているにもかかわらず、営業利益が減少しているならば、その原因を探る必要があります。原材料価格の高騰や為替の影響なのか、それとも特殊要因が利益を押し下げているのか、それらへの対策として何が講じられているのかなどを、IR情報からつかむことで今後の見通しを判断します。
また、経常利益や当期純利益が不自然に増加しているときは、固定資産売却などが行われたことが考えられます。このような数字の動きを見つけたときは、その影響も考察することが賢明です。
3.営業CFがプラスか
営業CF(キャッシュフロー)とは、「事業による現金収支が黒字か」を示すものです。今後の成長が期待される新興企業ならばマイナスになることも珍しくありませんが、安定期にある企業が何期もマイナスを続けているならば、借入依存体質になることが懸念されます。
反対に、ここがプラスならば新たな工場や店舗を設立したり、機動的な戦略を採用したりしやすくなります。
つまり、営業CFがプラスならば事業が順調であり、今後の成長戦略にも期待を持てるのです。
もちろん、業種や業態、震災などの外部要因によってこの3つに該当しなくとも、優良な企業は存在します。しかし、初めて株式投資を行うのであれば、まずはこれらをチェックすることで投資候補先を選別することをおすすめします。
関連キーワード
NISA | 金融 | 売上 | 税金 | お金 | 格付け | 株 | 四季報 | 投資信託
関連記事
- NISAのメリットを最大限に活用する方法
2014年から始まる少額投資非課税制度(日本版ISA=NISA)、興味のある人も多いのではないでしょうか? 前回はNISAのメリットとデメリットを比較しました。今回は、NISA向きの銘柄と投資信託について考えてみましょう。 - NISAのメリットとデメリットを考える
2014年から始まる少額投資非課税制度(日本版ISA=NISA)。投資の利益が非課税になるというものですが、実際のところ、どうすればお得なのでしょうか。メリットをうまく生かせば節税効果はかなり高いので、知識として頭に入れておくと便利です。 - 世帯月収に余裕がない人は56.2%――あとどのくらいほしい?
現在の世帯月収に余裕がある人はどのくらいいるのだろうか。20〜40代の人に聞いたところ「余裕がある」と答えたのは6.4%に対し、「余裕がない」のは56.2%だった。ゲイン調べ。 - リスクを取ることに、過度に臆病なサラリーマン
住宅を購入するとき、ローンを組むか、コツコツと貯金して現金で一括で買うか――、あなたならどちらを選びますか? 実は、金融機関のトレーダーでさえ、自分のお金を運用できないほど、人はリスクに対して憶病なものなのです。
関連リンク
copyright (c) "money no tatsujin" All rights reserved.