“立ち読み禁止”にしたら売り上げ伸びた:とあるコンビニオーナーの経営談議(3/3 ページ)
コンビニが立ち読みを黙認している理由として、「ついでに買い物してくれる」とか「深夜時間帯の防犯対策になる」というのがあるが、はたしてそれは本当だろうか? 筆者が経営するコンビニで、実際にコミックを立ち読み禁止にしてみた。
予想に反し、コミックの売り上げが伸びた
ところが想定外のことが起きた。コミックの売り上げは、減少するどころか伸び始めたのだ。まだ、始めて4カ月なので早計だが、確かに売り上げが伸びている。
【コミック系の売り上げ前年同月比】
8月 140%
9月 160%
10月 120%
ざっくりとした数値だが、以上が直近推移である。ちなみに、禁止前の3カ月平均では前年比96%であった。
なぜだ? 2カ月過ぎたあたりから気になり出した売り上げ伸長。さらに観察すると、
- 立ち読みできないから買う
「立ち読みで済むなら立ち読みしちゃおう」という人もいるようだ。数えるほどだが、コミック立ち読み常連の中で、読まずに買っていくのを何度か見た。
- 「立ち読みされていない」から買う
これは意外であった。本屋などでは真っさらなモノが欲しいという人も多いだろうが、コンビニはもともと立ち読み前提である。真っさらであるとかは気にしない人が多いと考えていたが、どうやら間違っていたようだ。簡易的な包装ではあるが、それでも商品の信用度が上がったのだろう。
想像の域は出ないが、以上が売り上げ改善の理由だと考えている。
当初の目的である、コミックのロスは改善(棚卸の結果ほぼロスがない)。オペレーションの改善と回転率の向上は定量で測れていないが、多少の貢献はしているようだ。
「本来ならこういう実験検証は本部がやるべきだろ」と本部社員に言ってみたが、ヘラヘラしているだけだった。相変わらず役に立たない連中だ。
全国のコンビニオーナー、筆者と同様の悩みを持っていたら立ち読み禁止にしてみるのも一興だろう。ただし、売り上げの増減は保証しませんが……。(川乃もりや)
※この記事は、誠ブログの立ち読み禁止にしてみたら売り上げ伸びたより転載、編集しています。
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