スタートダッシュがキャリアの分かれ目:東大生はなぜ会社で使えないのか?(2/2 ページ)
新入社員にとっての最初のポイントは、スタートダッシュをうまく切れるかどうか。職場で「できそうなヤツだ」「積極性がすごい」とアピールできれば、つぎつぎと仕事のチャンスに恵まれるようになるのです。
若いころの積極性が大事!
ビジネスシーンでもまったく同じことが起こります。
若くして活躍している管理職の人たちに話を聞くと、キャリアの途中で突然活躍を見せ始めた人はめったにいません。就職して半年以内に結果を出した人や、スタートダッシュに成功したことで周囲と異なる階層に選抜された人、上司に目をかけられている人ばかりです。
ビジネスマンとして成功を収めるには、キャリアを好発進し、好循環の波にうまく乗ることが非常に大切です。働くうえではさまざまなスキルを身につけることが必要ですが、どうせやるなら若いうちにコツをつかみ、能力を発揮して、周囲に認められるほうがいいと思いませんか?
人は他人に育てられると同時に、環境に育てられる生き物。どうしても、必要に迫られないとなかなか力を発揮しないのが人間の性だと思います。
逆の発想で考えると、追いつめられる環境に自分を置いていくことが大事。若いビジネスマンは早いうちからどんどん積極性を示し、チャンスの数を増やしてください。
「自分は消極的だ」と認識している人こそ、なおさら積極性が必要。どこかのタイミングで積極性を出さなければ、会社では埋もれていくだけです。いつか積極性を出すなら、早いほうがいいです。
入社して3年、5年後に、「そろそろ積極性を出さなければ」と勇気を振り絞るのと、フレッシュマンになってすぐに自分をアピールするのは、かかる労力としては同じくらいかもしれません。
でも最初に勇気を出せば、リターンは3倍にも5倍にもなるのです。
入社後、3カ月が勝負!
ちなみに、私の性格は積極的でも消極的でもありません。しかし、前述の成長サイクルを理解していたこともあり、新卒で就職した直後、意図的に仕事を取りにいきました。
配属直後、与えられた仕事に加え「土日は暇だからほかの仕事もやらせてください」と自ら手を挙げたのです。
周りの人は「関はやる気があるな」と思ったはずです。当然、納期までに仕上げて提出しました。そうやって積極性をアピールしたことで、その後、自分から言わなくてもさまざまな仕事を任せてもらいました。就職してから3年後ではなく、直後に行ったアピールだからこそ効果があったのだと思います。
繰り返しになりますが、入社した人はあらん限りの積極性を最初の3カ月に振り絞ってください。新天地でキャリアをスタートするときは、最初に自分の存在を伝えていくことが大事です。
誰かに物事を聞きにいくときや資料を提出する際には、意図的に自分をアピールしてください。最初に「私は頑張っていますよ」ということを恥ずかしがらずに伝えていくことが大切です。
今回のポイント
半年以内に積極性をアピールすることが成功の好循環の第一歩
(次回は「すべてを前向きに捉える」について)
著者プロフィール:
関厳(せき・いわお)
株式会社リブ・コンサルティング 代表取締役/国際公認経営コンサルティング協議会認定/マスター・マネジメント・コンサルタント。
2002年、東京大学教育学部卒業後、大手経営コンサルティング会社に入社。トップマネージャー賞をはじめ、数多くの社内賞を獲得し、史上最年少で取締役に就任。その後、専務取締役に就任し、コンサルティング部門の責任者として活躍。
2012年、同社を退職し、株式会社リブ・コンサルティングを設立。「“100年後の世界を良くする会社”を増やす」を理念に掲げ、トップコンサルタントとして幅広い業界のコンサルティング支援に携わる。
【著書】
『東大生はなぜ会社で使えないのか?』(中経出版)
Twitterアカウント:@Iwao14。
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