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米国では、女性の5人に1人がレイプに遭っているという事実:伊吹太歩の時事日想(3/3 ページ)
最近、米国では大学内でレイプ事件がまん延し、政府が対策を迫られるほどの社会問題に発展していることをご存じだろうか。もはや、世界中のどこにいても、レイプの危険性を頭の片隅に置いておくべきなのかもしれない。
世界中どこにいても、レイプの危険はある
以前、この連載でインドのひどいレイプ事情に関する記事を書いた。だが、先進国の米国で――しかも教育機関である大学でも、かなりひどい状況であることが分かる。世界に名だたる伝統を持つ名門大学も例外ではないのだ。世界中のどこにいようが、女性も男性も、レイプの危険性は頭の片隅に置いておくべきなのだろう。
レイプというのは、その定義について議論に発展することもある。密室で行われる場合が多く、レイプの加害者には、夫や彼氏、元夫や元彼氏といった人たちも含まれる場合があるからだ。またデート中に泥酔したり薬物を与えたりしてレイプに至るデートレイプも米国では問題になっている。被害者の受け取り方にも関わることであり、レイプの定義は難しい。
ただ、米政府が制作した動画の中でデル・トロが語るレイプの定義は参考になる。デル・トロは「もし女性が同意しない、または同意できないなら、それはレイプだ。暴行だ」と語りかける。なるほど分かりやすい。
米国の取り組みで、これからどのような影響が起きるかは分からないが、大々的なキャンペーンを開始したことで、声を上げにくい性犯罪に光を当てたことは間違いない。そこは評価すべき点である。
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