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少女300人を誘拐したボコ・ハラムが恐れる「死の呪い」:伊吹太歩の時事日想(3/4 ページ)
ナイジェリアでテロ行為を繰り返す組織「ボコ・ハラム」。300人以上の少女を誘拐し、約1万2000人を殺害してきた彼らだが、ここ数日で事件解決に向かうかもしれない、ある“異変”が起きているという。
少女たちの解放に立ち上がった女性歌手
そんなこう着状態が続くなか、ナイジェリアからトンデモニュースが報じられ、ネット上で大騒ぎになった。ナイジェリアの有名女性歌手で、国連の平和大使でもあるエドキア(23歳)が、地元メディアで、少女たちを解放したら交換として自分の「処女」をあげると発言したのだ。
エドキアは「夜の11時に私が何を考えているか分かる? 少女たちはどこにいるんだろう、彼女たちに何が起きているだろうって。アンフェアよ。彼女たちはあまりにも若過ぎる。少女たちを解放してくれるなら、私は自分自身を捧げるわ」と語った。「冗談じゃない。12〜15歳よ。私は年上だし経験もある。10〜12人の男が毎晩私を襲っても、私は気にしない。だからとにかく少女を解放して、両親の元に返して」
かなり思い切った発言だが、何よりもファンを驚かせたのは、きわどいセクシー路線でも売り出している彼女が“処女”だと語ったこと。このニュースが報じられると、ネット上では「売名行為だ」「処女なわけないだろ!」と一気に炎上した。
だが、少女を大勢誘拐して売り飛ばすような事件が続く状況を変えるには、こうした思い切った発想が必要なのかもしれない。もちろん、処女うんぬんが何かを変えるとは思わないが、まともに対処してもらちがあかず、事件そのものが忘れ去られそうになっている状況は、少女たちにとって悲劇以外の何ものでもない。
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