もしかしたら、あなたは「厄介な部下」である可能性が高い?:サカタカツミ「新しい会社のオキテ」(2/3 ページ)
企業の管理職から「マネジメントしづらい部下」について相談を受けることがよくあるというサカタさん。話を聞くとそういった部下にはいくつかのパターンがあるそう。今回は3つの典型例を紹介します。あなたは大丈夫ですか?
上司の言葉をスルーしている部下は、見抜かれている
次に「意志を曲げない部下」を挙げておきましょう。
この手の人たちは、さらに二つのタイプに分けられます。一つは、「人の言うことに耳を貸さない」タイプ。自分が絶対正しい、間違うはずがない、人の言っていることがすべておかしいと思い込んでいる部下です。……と書きましたが、実はこういうタイプは部下よりも、むしろ上司に多い。上司としては同族嫌悪に近い印象を持つようで、話を聞いている私が「それはもしかしたら、あなた自身のことを言っていますか?」と嫌味を言いたくなるようなケースもしばしば。
ただ、「人の言うことに耳を貸さない」タイプ以上に上司がマネジメントをしにくいと感じているタイプが「聞いているふりをする」タイプだそうです。何を言っても馬耳東風。意見や批判を聞き流してしまうのです。厄介なのは、一見ちゃんと聞いているように見えるので、話をしている相手である上司が、部下に「(勝手に)期待」してしまう点です。しかし結局聞いていないので、意見はまったく受け入れられることもなく、上司が望むように改善がされた形跡もなく、徒労に終わってしまう。
部下にしてみれば「聞くに値する意見の一つでも言えよ」と怒りたくもなるかもしれませんが、裏を返せば、上司の多くは自分の意見が聞き流されていることに気がついています。従わないことにストレスを感じているのではなく、聞いているふりにストレスを感じて「マネジメントがやりにくい部下だな」と印象を持ってしまっているのです。そう、あなたの“スルー力”は意外とバレています。
報告ができない部下は、「使いたくない」と烙印を押される
最後に「報告をしない部下」もマネジメントがしにくい代表例です。
正しくいうと「上司が必要としていることをうまく報告できない」部下はマネジメントしにくいと、上司は感じているようです。例えば、日常の報告書には事細かく仕事のあれこれを書き記しているにもかかわらず、肝心なこと、上司が知りたいと報告を依頼していたことは、スコッと抜けてしまっている。まるで書くのを避けているかのように、穴がポッコリ空いている。
そう、実はそういうタイプは「言いたくないことを隠してしまう」のです。求められた報告をする代わりに、たいして重要ではない報告を熱心にすることで、必要な報告がないことをうやむやにしようとする。一見すると詳細な報告がされているので、周囲から見ると「デキる部下」に見えるのですが、当の上司としては困惑することしきり。周りに愚痴をこぼしたら、逆に自分の能力が疑われる可能性もある。
この手の部下が、マネジメントしやすいわけがありません。上司としては、細かいルールを設定して、抜け漏れがないように報告されるという手を打ちますが、敵もさる者、その網目をかいくぐって報告をしない、という手に出てしまいます。「使えない部下だ」と上司は判断を下したくても、先に書いたように自分の能力への疑念を持たれないかと心配して、なかなか踏み切れない。
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