いますぐ実践できる、英語面接に生かせる考えかた:8言語マスター・新条正恵さんインタビュー(3)(1/3 ページ)
グローバルビジネスの世界で、日本人は「英語が苦手」なばかりに取り残されている――そう警鐘を鳴らすのは、外資系企業で長く働いてきた新条正恵さんだ。8カ国語をマスターした彼女に、いますぐ実践できる、英語面接に生かせる考えかたを聞く。
今回は、私がこれまでの経験から学んだ転職を成功させるためのコツをお伝えします。私は転職を5回していますが、1回目を除き、転職活動を始めてから1週間程度で転職先が決まりました。複数の内定をいただいたこともあります。
1回目と2回目以降では何が違ったのか。それは、その会社で活躍している自分の姿を具体的にイメージできていたかどうか。そして、自分の価値を最大化して正しくプレゼンテーションすることができたかどうかでした。
“英語を使って活躍する”自分の姿を具体的にイメージしよう
セルフイメージを固めるためには、まずは相手の会社をよく知ることが大切です。職場環境や業務内容について徹底的にリサーチし、そこに自分がどうフィットするのかを考えます。ときには面接の場で面接官に質問をしてイメージを固めることも重要です。その会社にとってどんな人材が必要なのか、自分ならどのように貢献できるのかが見えてきたら、そのイメージを明確に伝えましょう。面接の場で「この仕事に私より適任者はいません」と言えるだけの、自分の強みを知っておくことも大切です。
英語力に多少の不安があったとしても、「英語を使って働いている自分」をイメージして、面接には前向きに臨んでください。例えば、あなたがある企業で営業の仕事をしていたとします。取引先の担当者が何を求めているのかも分からず、また、自社の商品を遠慮がちに勧めていたのでは、トップセールスになることはできないでしょう。
転職活動では、あなたは自分という商品を売り込む営業です。どうすれば商品が売れるのか、売れた後もどのように商品を使ってもらいたいのかを考えなければならないのです。
グローバルビジネスでは前向きであることが大前提
グローバルビジネスにおけるコミュニケーションの基本は、とにかく前向きであること。とくに米国には「人生はハッピーでなくてはいけない」と考える文化がありますので、「How are you?(調子はどう?)」と聞かれたら「I'm good.(元気よ)」と答え、「How was it?(どうだった?)」 と聞かれたら「I enjoyed a lot.(楽しかったよ)」と伝えましょう。ビジネスの場面では、たとえどんなに落ち込んでいたとしても、その気持ちはおくびにも出してはいけません。
英語にあまり自信がなかったとしても、「I can't speak English.(英語は話せません)」や「I’m not good at English.(英語は得意ではありません)」 という言い方は絶対にしないでください。言葉にすることで、自分自身に英語ができないと言い聞かせているようなものですし、英語が得意でないことは相手も聞けば分かることなので、わざわざ口に出して念押しする必要もありません。
どうしても引け目があるのであれば「Since I am currently studying English, please let me know if there are better ways.(今、勉強中なので、もし他に良い伝え方があれば教えてください)」など、常にポジティブに聞こえるように話すといいでしょう。
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