auのムービーケータイ3モデル、カメラで選ぶなら?(3/3)これらを念頭に置いて使い勝手がいいのはどれか。実のところ、「A5301T」「A5302CA」「A5303H」のどれもそこそこいい。どれを選んでも極端に落ちることはないだろうが、強いていえば最初に登場したA5301Tが今ひとつ洗練されてない感じか。 A5303Hは左側面にムービーとフォトのスライドスイッチがあり、フォトポジションに長押しするとカメラモードになる。これは便利だが、スイッチがちょっと滑りやすくて長押ししようとして滑ることがあった。もうちょっと凸凹していたらよかったのだが、まあ細かい話。センターキーを押してメニューを介してカメラを起動してもOK。いずれにせよ、けっこう簡単にカメラ機能はオンになる。
素晴らしいのは、閉じた状態でも側面のスイッチが効くこと。閉じた状態では自動的にサブディスプレイがモニタになり、その下にあるボタンがズームとシャッターになってそのまま撮影できる。撮影後はセンターボタンを押して保存してもいいし、そのままEメールを送ってもいい。前述したようにEメールには5つまで添付ファイルをつけられるので、ほかの写真を一緒に送ることもできる。 撮った写真はデータフォルダ内のマイデータに保管される。マイデータにマイムービーとマイフォトの2つのフォルダがあり、その中に日付フォルダ、その中に実際のファイルがあるという構造になっている。A5303Hはマイフォトを開くと自動的に4画面ずつのサムネイル表示になる。これもなかなかうれしい。 もうひとつ、「SH-Mobile」(6月25日の記事参照)を搭載したおかげか、全体に動作が機敏。これもストレスなく使える要因のひとつだ。 A5302CAはカシオの2代目カメラ付き携帯。開くと左上にカメラボタンがあり、押すと瞬時にカメラが起動する。たいていの端末が「カメラ起動中です」などの表示と共に一瞬待たせるだけに、この速さは素晴らしい。もう1度カメラボタンを押すとムービーに切り替わる仕組みだ。
撮ったら保存かEメールするかを選べるところや、GPS情報を付加できるのはほかの端末と同じ。再生時はデータフォルダからマイデータのフォトを選ぶだけ。ほかの端末と同様、フォルダの構造が明確で全データはここに集まる仕組みになっている。フォルダとファイルの概念が分かってない人は戸惑うかもしれないが、ちょっと慣れればとても分かりやすくていい。 初期の設定ではリスト表示だが、サムネイル表示へ切り替えることも可能。その場合は1画面に9個のサムネイルが並ぶ。こちらのほうが選ぶには便利。またプレビュー表示をした状態で前後に写真をめくっていくこともできる。ただ、PCモードで撮影した写真があると、そこで画像表示にもたつく。やや残念な点だ。 A5301Tは東芝の2代目ムービー携帯(もっとも、初代はムービー再生機能だけでカメラは搭載されていなかったが。2001年11月12日の記事参照)。それだけに期待度は大きい。ムービー重視だけあって、開くとムービーボタンはあるが、カメラボタンがない。でもムービーモードにしてフォトに切り替えることもできるし、ムービーボタンを長押しすればフォトモードで起動する。これは簡単。さらに閉まっていても側面のボタンを長押しすると背面のサブディスプレイを使ったカメラモードで起動。このときでもムービーとフォトの両方を使えるのには感心した。
ただカメラ機能には、気になる点がひとつあった。撮影時のファインダー表示が中途半端なのだ。撮影すると画面には正方形の枠が表示される。でも実際には縦長の絵が撮れるので、モニタで見たときより上下が広く撮れる。サブディスプレイで撮るときはもっとすごい。サブディスプレイは横長だが実際には縦長の写真が撮れるので、上下が半分くらい広く撮れるのだ。慣れないと、いったいどこからどこまで写るのか悩んでしまう。 再生時はデータフォルダのマイフォトから日付フォルダを選び、リスト表示から写真を見るのだが、サムネイル表示機能はない。また画像表示も速いとはいえず、特にVGAモードで撮った写真の展開はかなり待たされる。これは残念な点だ。 なお、A5301TはSDカードスロットを持っている。データをSDカードにコピーする機能を使えばPCにデータを持っていったり他人とデータ交換するのに便利だ。 こうしてみるとGPS対応や、撮ってすぐのメール、データフォルダのフォルダ構造の統一など共通した仕様がかなり多いのが分かる。それでもサムネイル表示機能や画像表示速度で端末間の差が現れているのだ。
ユニークな機能といえば筆頭がA5303H。何しろレンズが回転するのである。これは面白い。撮影の角度を微妙に変えられるし、自分撮りもできる。レンズの角度を意識しないと下の写真のようになることも。
回転させようとしてついレンズを触ることも多いが、それ以上にこの回転レンズは撮りやすい角度で撮れるのが素晴らしい。 A5302CAはマクロモードと連続撮影機能だ。
連続撮影機能では1回のシャッターで9枚の連続写真を撮ってくれる。そこから気に入った1枚だけを保存することも、全部を保存することも可能だ。動きのある被写体の時に楽しい。
いろいろなシチュエーションで撮ったモノをまとめてみよう。 auの端末は仕様がしっかりしているのか、機能や使い勝手に統一感があって、どれを手にしてもある程度の満足は得られるだろう。特に前述したGPS情報付加機能やデータフォルダを使ったファイル管理、1度に5枚まで添付できるメール機能などは、他キャリアの端末には見られない優れた点だ。 その中で総合評価が一番高かったのはA5302CA。ディテールのシャープさはあまりないので、PCモードで撮るとやや甘い写真になるが、デジタルズーム時を含む多くのシチュエーションで色が破綻することなく鮮やかな絵を見せてくれたのが大きい。安定感がある。速度もそんなに悪くないし、マクロ撮影や連続撮影などユニークな機能もある。再生時のサムネイルも見やすい。 続いてハマるとシャープですごくきれいな絵が撮れるA5301T。白熱灯下での撮影とデジタルズーム時以外はかなりいい結果だった。閉じたまま撮影できたり、SDカードスロットを備えているのもいい。ただ処理によってはかなり待たされるのには覚悟がいる。 ほかの2つにやや劣るのがA5303H。撮影のしやすさや回転レンズなど非凡な機能を見せながらも、画質でやや劣るのだ。順光のいい条件下での撮影ではかなりハイクオリティな絵を見せてくれるが、ちょっと輝度差があったり室内の複雑な光源だと、色合いがずれてくる傾向がある。蛍光灯下でも蛍光灯の種類によっては強く緑かぶりすることがあった。いいときはとてもきれいなだけに、画像処理でもう少しがんばってほしかったところだ。それ以外の部分がかなり魅力的なだけに残念である。 関連記事 カシオ製「ムービーメール」対応の「A5302CA」登場 カシオのムービーケータイは、31万画素カメラにライトも搭載。12.8Mバイトの大容量メモリに、最大800本の動画が記録できる。3D描画エンジンを搭載し、撮影した顔を動く3Dキャラクターとして登録することもできる KDDI、ムービー対応カメラ付き端末の新機種「A5302CA」「A5303H」 「ムービーメールは3Gの基本サービス」と言い切るKDDI。今回対応端末を2機種投入するのに加え、動画非対応端末にも“パラパラ動画”を送信できるサービスを提供。動画の普及を積極的に進める 「とにかく“待つ”は排除したかった」〜日立に「A5303H」を聞く 技術的に言えば、アプリケーションプロセッサ「SH-Mobile」搭載をうたった初めての端末。その効果は、「とにかくクイックでスピーディー」。日立の「A5303H」は、JavaやWebの“遅さ”がたびたび指摘されるau端末の中で、異色の“速さ”を見せる端末だ 写真で見る“ムービー端末”「A5301T」 カメラ付きで動画撮影も可能。SDカードスロットも搭載した3G端末……。auのハイエンド端末「A5301T」は、機能が盛りだくさんなだけでなく、随所に工夫が凝らされている 「A5301T」でムービーメールを試す auの最新端末「A5301T」は、動画の撮影・送信に対応した端末だ。KDDIが力を入れる動画戦略の中で、先陣を任せられた端末の動画撮影機能は、どこまで使えるものなのだろうか 「A5301T」のSDカードをチェックする auのムービー端末「A5301T」にはSDカードスロットが搭載されている。撮影したムービーや静止画を保存できるほか、住所録やメールをバックアップすることもできる。ただしダウンロードしたezmovieの保存には制限も多い かゆいところに手が届く「A5301T」のこんな機能 「会社に着くと自動的にマナーモードに」「メールや不在着信は、ポケットの中でちょっと端末を開ければ振動で通知」……。A5301Tには、気の利いた小技機能がたっぷりだ KDDI、カメラ付きムービー端末発表 KDDIは、カメラ内蔵の4機種を9月20日から投入する。最上位機種となる「A5301T」は、撮影した動画をメールで送信することもできる この冬話題のiショット端末、カメラ機能のベストチョイスは? この秋から冬にかけて続々と投入されたiショット端末。中でもカメラの機能で注目されるのが「SH251iS」「N504iS」「P504iS」の3モデルだ。それぞれの画質や使い勝手を「カメラとしての機能」にこだわってチェックした iショット3機種のカメラ機能を比較する 出そろったドコモのカメラ内蔵端末「251iシリーズ」。外観こそ似ているが、カメラ周りのソフトウェアはそれぞれ個性的だ。撮影から画像管理方法まで、iショット端末3機種のカメラ機能をチェックする 携帯電話のカメラはどこまで“使える”か 急速に進歩している携帯電話のカメラ機能。しかし、過渡期ゆえに端末ごとの性能差は意外に大きく、撮影シチュエーションでの得意・不得意も目立つ。カメラ内蔵端末5機種を選んで、携帯はどこまでデジカメに迫れるか、徹底比較してみた デジカメ化する携帯電話 既に「カメラが付いているだけで売れる」時代は終わった。背面液晶の大型多色化、ライト、接写、バーコード読み取り、OCR、メモリカードの搭載……。と、カメラが引き金になって搭載された機能は数多い。しかし最終的に携帯のカメラがたどり着くのは、“デジカメ化”だ ドコモのカメラ付き「504iS」&「251iS」特集 この冬、ドコモはカメラ付きiモード端末のラインアップを整備する。iアプリ+カメラ付きの「504iS」、普及型の「251iS」が次々と発表、市場に投入される。ドコモがカメラ付きに本腰を入れることで、“ケータイにカメラ”は標準仕様になってきた 関連リンク au [荻窪圭, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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