Mobile:NEWS 2002年12月24日 07:41 PM 更新

auのムービーケータイ3モデル、カメラで選ぶなら?(3/3)


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 これらを念頭に置いて使い勝手がいいのはどれか。実のところ、「A5301T」「A5302CA」「A5303H」のどれもそこそこいい。どれを選んでも極端に落ちることはないだろうが、強いていえば最初に登場したA5301Tが今ひとつ洗練されてない感じか。

 A5303Hは左側面にムービーとフォトのスライドスイッチがあり、フォトポジションに長押しするとカメラモードになる。これは便利だが、スイッチがちょっと滑りやすくて長押ししようとして滑ることがあった。もうちょっと凸凹していたらよかったのだが、まあ細かい話。センターキーを押してメニューを介してカメラを起動してもOK。いずれにせよ、けっこう簡単にカメラ機能はオンになる。


 素晴らしいのは、閉じた状態でも側面のスイッチが効くこと。閉じた状態では自動的にサブディスプレイがモニタになり、その下にあるボタンがズームとシャッターになってそのまま撮影できる。撮影後はセンターボタンを押して保存してもいいし、そのままEメールを送ってもいい。前述したようにEメールには5つまで添付ファイルをつけられるので、ほかの写真を一緒に送ることもできる。

 撮った写真はデータフォルダ内のマイデータに保管される。マイデータにマイムービーとマイフォトの2つのフォルダがあり、その中に日付フォルダ、その中に実際のファイルがあるという構造になっている。A5303Hはマイフォトを開くと自動的に4画面ずつのサムネイル表示になる。これもなかなかうれしい。

 もうひとつ、「SH-Mobile」(6月25日の記事参照)を搭載したおかげか、全体に動作が機敏。これもストレスなく使える要因のひとつだ。

 A5302CAはカシオの2代目カメラ付き携帯。開くと左上にカメラボタンがあり、押すと瞬時にカメラが起動する。たいていの端末が「カメラ起動中です」などの表示と共に一瞬待たせるだけに、この速さは素晴らしい。もう1度カメラボタンを押すとムービーに切り替わる仕組みだ。


カシオのA5302CAは、マクロとの切り替えボタンが用意される

 撮ったら保存かEメールするかを選べるところや、GPS情報を付加できるのはほかの端末と同じ。再生時はデータフォルダからマイデータのフォトを選ぶだけ。ほかの端末と同様、フォルダの構造が明確で全データはここに集まる仕組みになっている。フォルダとファイルの概念が分かってない人は戸惑うかもしれないが、ちょっと慣れればとても分かりやすくていい。

 初期の設定ではリスト表示だが、サムネイル表示へ切り替えることも可能。その場合は1画面に9個のサムネイルが並ぶ。こちらのほうが選ぶには便利。またプレビュー表示をした状態で前後に写真をめくっていくこともできる。ただ、PCモードで撮影した写真があると、そこで画像表示にもたつく。やや残念な点だ。

 A5301Tは東芝の2代目ムービー携帯(もっとも、初代はムービー再生機能だけでカメラは搭載されていなかったが。2001年11月12日の記事参照)。それだけに期待度は大きい。ムービー重視だけあって、開くとムービーボタンはあるが、カメラボタンがない。でもムービーモードにしてフォトに切り替えることもできるし、ムービーボタンを長押しすればフォトモードで起動する。これは簡単。さらに閉まっていても側面のボタンを長押しすると背面のサブディスプレイを使ったカメラモードで起動。このときでもムービーとフォトの両方を使えるのには感心した。


 ただカメラ機能には、気になる点がひとつあった。撮影時のファインダー表示が中途半端なのだ。撮影すると画面には正方形の枠が表示される。でも実際には縦長の絵が撮れるので、モニタで見たときより上下が広く撮れる。サブディスプレイで撮るときはもっとすごい。サブディスプレイは横長だが実際には縦長の写真が撮れるので、上下が半分くらい広く撮れるのだ。慣れないと、いったいどこからどこまで写るのか悩んでしまう。

 再生時はデータフォルダのマイフォトから日付フォルダを選び、リスト表示から写真を見るのだが、サムネイル表示機能はない。また画像表示も速いとはいえず、特にVGAモードで撮った写真の展開はかなり待たされる。これは残念な点だ。

 なお、A5301TはSDカードスロットを持っている。データをSDカードにコピーする機能を使えばPCにデータを持っていったり他人とデータ交換するのに便利だ。

 こうしてみるとGPS対応や、撮ってすぐのメール、データフォルダのフォルダ構造の統一など共通した仕様がかなり多いのが分かる。それでもサムネイル表示機能や画像表示速度で端末間の差が現れているのだ。

各機種特有の機能をチェック

 ユニークな機能といえば筆頭がA5303H。何しろレンズが回転するのである。これは面白い。撮影の角度を微妙に変えられるし、自分撮りもできる。レンズの角度を意識しないと下の写真のようになることも。


「A5303H」では、レンズの角度が悪いとこのように半分影になることも

 回転させようとしてついレンズを触ることも多いが、それ以上にこの回転レンズは撮りやすい角度で撮れるのが素晴らしい。

 A5302CAはマクロモードと連続撮影機能だ。


A5302CAのマクロモードは実用性が高い

 連続撮影機能では1回のシャッターで9枚の連続写真を撮ってくれる。そこから気に入った1枚だけを保存することも、全部を保存することも可能だ。動きのある被写体の時に楽しい。  

総合画質ではA5302CAか

 いろいろなシチュエーションで撮ったモノをまとめてみよう。

 auの端末は仕様がしっかりしているのか、機能や使い勝手に統一感があって、どれを手にしてもある程度の満足は得られるだろう。特に前述したGPS情報付加機能やデータフォルダを使ったファイル管理、1度に5枚まで添付できるメール機能などは、他キャリアの端末には見られない優れた点だ。

 その中で総合評価が一番高かったのはA5302CA。ディテールのシャープさはあまりないので、PCモードで撮るとやや甘い写真になるが、デジタルズーム時を含む多くのシチュエーションで色が破綻することなく鮮やかな絵を見せてくれたのが大きい。安定感がある。速度もそんなに悪くないし、マクロ撮影や連続撮影などユニークな機能もある。再生時のサムネイルも見やすい。

 続いてハマるとシャープですごくきれいな絵が撮れるA5301T。白熱灯下での撮影とデジタルズーム時以外はかなりいい結果だった。閉じたまま撮影できたり、SDカードスロットを備えているのもいい。ただ処理によってはかなり待たされるのには覚悟がいる。

 ほかの2つにやや劣るのがA5303H。撮影のしやすさや回転レンズなど非凡な機能を見せながらも、画質でやや劣るのだ。順光のいい条件下での撮影ではかなりハイクオリティな絵を見せてくれるが、ちょっと輝度差があったり室内の複雑な光源だと、色合いがずれてくる傾向がある。蛍光灯下でも蛍光灯の種類によっては強く緑かぶりすることがあった。いいときはとてもきれいなだけに、画像処理でもう少しがんばってほしかったところだ。それ以外の部分がかなり魅力的なだけに残念である。



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