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ケータイに“本物のヒノキ”を採用――「TOUCH WOOD」はこうして完成したCEATEC JAPAN 2009(1/2 ページ)

「CEATEC JAPAN 2009」のドコモブースでは、9月24日に発表されたコンセプトモデル「TOUCH WOOD」の実機が披露された。国産間伐材(ヒノキ)を使用したTOUCH WOODは、「本物感」「唯一性」「環境思想」を追求して開発されたモデルだ。

SH-04Aベースの試作機は実機を展示、ヒノキの香りも

 CEATEC JAPAN 2009のNTTドコモブースでは、ヒノキを使ったコンセプトモデル「TOUCH WOOD」が展示されており、来場者の注目を集めていた。

 TOUCH WOODは、NTTドコモとオリンパス、シャープ、more tree(森林の整備と保全を呼びかける団体)の4社が共同で開発したもの。高知県四万十(しまんと)で間伐したヒノキを、オリンパスの技術で圧縮加工した。端末はシャープが開発しており、「SH-04A」ベースの試作機と、全面タッチパネルの端末をラインアップ。商品化は「現時点では未定」(説明員)だが、SH-04Aベースの試作機は実機が展示されており、今すぐ商品化されても十分使用できそうな印象だった。

 製品名のとおり、TOUCH WOODはタッチパネルの搭載が前提となる。これは「タッチパネルの方が木のぬくもりをより感じられるため」(説明員)とのこと。折りたたみ型TOUCH WOODの可能性については「ヒンジの機構にヒノキを用いるのは技術の難易度が高い」ことから、現時点では予定していないようだ。

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 SH-04Aベースの試作機はディスプレイやキー面にはヒノキを用いていない。これらの個所にまでヒノキを用いるとなると、「レシーバーやディスプレイなど穴を開ける個所が増えるので、木の耐久性を保つのが難しい」という。また、至近距離からではあるが、TOUCH WOODに顔を近づけると、ヒノキの香りがした。

「SH-04A」ベースの試作機。ディスプレイやキー側にはヒノキは用いていない
ボディ裏側にヒノキを採用。ここの木目や色合いは端末によって異なる
ボディ左側面(写真=左)と右側面(写真=右)
裏側に「TOUCH WOOD」のロゴがある(写真=左)。ワンセグ用アンテナの先端にもヒノキを使用した(写真=中)。充電端子用のカバーもヒノキ製だ(写真=右)
内蔵グラフィックには、more treesの賛同人でもある、写真家 瀧本幹也氏の作品を採用し、森林の写真を背景に使っている(写真=左、中)。横画面で右半分にコンテンツが表示されないとき、SH-04Aでは「AQUOSケータイ」だが、試作機には「TOUCH WOOD」と表示される(写真=右)
もう1つの試作機は、タッチパネル対応のストレート型モデル。丸みを帯びたボディが特徴で、こちらはモックアップのみ展示されていた。「角が多いと製造の過程でヒビが入りやすいので難易度が高い。丸みを帯びている方が作りやすい」(説明員)
こちらも裏側に「TOUCH WOOD」のロゴがあるが、SH-04Aベースの試作機とは文字色が異なる(写真=左)。カメラと、その下にはフォトライトと思しきパーツがある(写真=中)。右側面にはサイドキーらしきパーツがある(写真=右)

「iPhone 3GS」と比較。TOUCH WOODの方が細くてコンパクトだ
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