オープンとiモードのいいとこ取りをする――ドコモが「Xperia」の先に見る景色:NTTドコモに聞く「Xperia」(3/3 ページ)
「楽しんでほしい」――「Xperia」のインタビュー中に最も多く聞かれた言葉だ。ソニー・エリクソンがこだわったエンターテインメント機能に、ドコモのこだわりをミックスさせ、Xperiaは新しいスマートフォンへと昇華された。ドコモがXperiaで目指すものとは――。
OSは準備が整ったらアップデートしたい
ITmedia Xperiaの「mora touch」で購入した曲はPCソフト「Media Go」で再生できない、PC版の「mora」で購入した楽曲はXperiaで再生できない、ソニーのDVDレコーダー/Blu-ray Discレコーダーで録画した番組を持ち運べる「おでかけ転送」には対応していないなど、ソニー機器やコンテンツをシームレスに利用できないのは不満が残る部分です。特におでかけ転送は、XperiaのブルワイドVGAで高精細なテレビ番組を視聴できることを考えると、非対応なのは残念です。
仲田氏 ウォークマンのコンテンツを活用できないかという議論はありましたが、プラットフォームや開発期間の制限があり、今回は実現できませんでした。
小野木氏 ソニー機器連携を主に検討されるのはソニー・エリクソンさんですが、当然、ドコモとしても必要な一手だと認識しています。
ITmedia 発表当初から多くの方が気にしているポイントですが、現状のAndroid OS 1.6からのバージョンアップは検討しているのでしょうか。
仲田氏 準備が整ったら実施したいです。ただ、どのタイミングでどのバージョンが適しているのか、といった点を考える必要があります。
小野木氏 Android端末の上で付加価値を付けることの方が、我々にとっては重要です。
ITmedia もう1つ、「iモードメールの対応」も多くのユーザーが望んでいます。発表会で山田社長が「2010年中に対応する」とコメントしていましたが、現実的な話なのでしょうか。
仲田氏 現在、社内一丸となって実現するよう努力しています。ただ、iモードの世界は10年かかって作ってきたので、全く同じものは一朝一夕には作れません。特にiモードメールは一般のメールとは“方式”が異なり、POP3やIMAPベースではない独自のプロファイルを用いています。セキュリティを確保するのはもちろん、Eメールでは実現できない、チャットのように楽しめるリアルタイム性も重要です。また、デコメールの対応も必要になります。
ITmedia Xperiaは、今までのスマートフォンとは明らかにコンセプトが違うと感じています。今後、ドコモにとってスマートフォンはどんな方向に向かっていくのでしょうか。
仲田氏 スマートフォンのオープンプラットフォームという魅力を伸ばしてながら、iモードで培ったノウハウを生かしていきたいです。“オープン”と“iモード”のいいとこ取りをして、「ドコモでスマートフォンを使うとこんなに楽しいんだ」と思える世界を実現したいですね。
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