「GALAXY S II」いよいよ“宇宙”へ Samsungの「Space Balloon プロジェクト」が7月15日スタート:高度3万メートルで“つぶやき”を表示
Samsung電子が発表した「Space Balloon プロジェクト」。同社のスマートフォン「GALAXY S II」が“宇宙”まで飛んでいくというものだが、いったいどんな内容なのだろうか。その目的に迫ってみた。
7月15日から17日にかけ、「GALAXY S II SC-02C」の発売を記念したSamsung電子の「Space Balloon プロジェクト」が行われる。
これは、気象観測などに使われる気球にGALAXY S IIを取り付け、上空3万メートル(30キロメートル)まで上昇させようという計画。上空ではTwitter、Facebook、mixiなどのSNSから受け付けた投稿メッセージをGALAXY S IIに表示させ、その様子を地上へ向けて中継。さらに特設サイトを通じて、日本時間の午後9時から全世界にリアルタイム配信する。
3万メートルという高さはまた大気がある成層圏のため、宇宙空間と呼ぶには高度が低いが、漆黒の空間に丸い地球が浮かぶ光景は十分に宇宙を感じさせるロケーション。青く光る地球を背景に、自分が投稿したメッセージが表示される機会はなかなかないので、興味のある人はぜひとも特設サイトからメッセージを投稿しよう。
GALAXY S IIを宇宙(の手前)まで飛行させるのは、米JP AEROSPACEが提供する「Space Balloon」(スペースバルーン)という気球だ。Space Balloonにはプラットフォームと呼ばれる架台がぶら下がっており、ここには宇宙飛行士の人形付きGALAXY S IIと中継用のカメラ・送信装置、メッセージをリアルタイム受信するための通信装置、さらに落下用のパラシュートと追跡用のGPSが搭載されている。このプラットフォームは、気球が3万メートルまで上昇するために必要な揚力に合わせて、総重量が10キログラム以下に抑えられている。
気球を飛ばすのは米ネバダ州のブラックロック砂漠で、現地時間の7月15日から17日の毎日午前5時(日本時間の15日午後9時)に飛行をスタート。この時間に飛行を開始すると、日の出を控えた太陽が見えてくるため、より荘厳な雰囲気になるという。またトラブルや天候悪化に備えて、3日連続で飛行を行う。
プロジェクトで使われるGALAXY S IIは“宇宙仕様”に改造されたものでなく、普通の製品版を使用。ただし、上空3万メートルはマイナス40~50度になるため、事前に冷凍試験を実施してバッテリーを保温するためのヒーターが取り付けられた。また上空は太陽光線が地上より強く明暗差もあるため、GALAXY S IIのディスプレイがよりくっきりと写せるフィルターが、中継用カメラに取り付けられている。Space Balloonは、ある高度まで上昇すると気圧の関係で破裂し、プラットフォームは自由落下を始める。その際の落下速度はマッハ1に達するといい、最終的にパラシュートで減速するものの、落下時にはかなりの衝撃があるという。
中継時に表示するメッセージはリアルタイムで地上から送信されるが、上空は携帯電話サービスの圏外なため、JP AEROSPACEがSpace Balloonとの通信に使用している通信システム「900MHz MaxStream」を利用する。GALAXY S II本体は900MHz MaxStreamの通信機能がないので、気球に取り付けられた専用モデムを介して通信を行う。
事前に行われたプロジェクトの説明会では、サムスンテレコムジャパンのオウ・チャンミン氏が「人と人を繋ぎたい。Samsung電子はこの思いを胸に、携帯電話やコミュニケーション機器を作ってきました。今回、我々が手がけたGALAXY S IIが、世界中の人々が見渡せる宇宙まで飛んでいき、皆さんからのメッセージを表示する。こんな幸せな仕事はほかにないかもしれません」とコメント。また、「高度3万メートルのような過酷な環境でもはっきりと視認できるSUPER AMOLED plusディスプレイと、そこからの落下にも耐えられるGorillaガラス。その2つを使っているGALAXY S IIの品質の高さを感じてほしい」(オウ氏)と、“宇宙レベル”といえるGALAXY S IIの品質にも自信を見せた。
またSamsung電子専務 無線事業部 東南アジア輸出グループ長を務めるチョウ・ホンシク氏は、「このプロジェクトは日本のみを対象としているが、“宇宙”で表示するメッセージは各SNSから全世界規模で受け付ける。まさに、オープンなインターネットサービスに対応するグローバルモデルのGALAXY S IIにふさわしい、全地球的な取り組み」と、プロジェクトの壮大さをかみしめていた。
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