第15回 iPhoneを三脚につけるのは意外に簡単で効果的:荻窪圭のiPhoneカメラ講座(2/2 ページ)
失敗写真の大半は手ブレで起こる。その対処法のひとつとして挙げられられるのが三脚の利用だ。三脚というと大げさなイメージだけれど、軽くて小さい、ポケットサイズのものもあるのだ。
iPhoneを三脚につけられるケース「KLYP(クリップ)」
さて、3番目に紹介するのが今回の目玉であり大本命。
「iPhoneを三脚に装着できる、拡張性を持ったiPhoneケース」なのだ。iPhone4/4S用は既にあったけど、このたびiPhone5用が発売されるのである。それがマンフロットの「KLYP」(クリップ)。iPhone5用は6月12日発売だが一足先に入手したので紹介する。
マンフロットというのはイタリアの超老舗三脚ブランドでカメラ・ビデオ用三脚やスタジオ用機材を扱っている、まあハイアマチュアからプロに使われるブランドなんだけど、このたび「今一番使われてるカメラはiPhoneだ!」ということでiPhoneアクセサリーに参入してきたのだ。
何しろスマホは一番よく使われているカメラの座を2012年にコンデジから奪ったのだ(マンフロットが紹介した欧州での調査だけど、日本でもそんな感じだと実感してる)。マンフロットが本格的に取り組むのも分かるってもんだ。
その「KLYP」にはiPhoneケース+アタッチメントのシンプルなセットと、LEDライトが付属するセットの2種類が用意されている。
LEDライト付+「KLYPケース for iPhone5」。ケースは2つに分かれており、このように上下からiPhoneをセットすると真ん中の爪のところでカチッとはまる。iPhoneケースとしてもなかなか頑丈でよい
このケースが他と違うのは、アタッチメントを装着することで三脚やライトをつけられること。底部と左右の3箇所から好きな場所にアタッチメントをつけられるのだ。
するとこんな風になるわけである。
上の写真で使ってるテーブル三脚は、マンフロットのPIXIという製品。イタリア!というデザインがいい。この微妙な宇宙船のような曲面っぷりがたまらんです。デザイン面では断トツ。しかも赤いボタン(マンフロットのロゴが入っている)を押すと角度が変えられ、ボタンを離すと固定されるという簡単さがいい。もちろんデジカメをつけても問題ない。
iPhoneを横位置につけてもいい。横位置につけるときはレンズの位置が上に来た方がいいか下に来た方がいいかでアタッチメントの装着場所を選べるのがいい。
マンフロットとしては自社の三脚につけて欲しいところだろうけど、もちろん他社の三脚でもOKであります。
このKLYだけど、普段使いのiPhoneケースとしてもけっこういい。アタッチメントを外しておけば、普通のiPhoneケースとして手になじむしiPhoneの保護にもなるのだ。とりあえず常用しております。
で、夜まで出かけそうなときは小さな三脚にアタッチメントをつけてバッグに放り込んでおくのである。暗い場所で撮りたい風景になったらさっと取り出してカチッと装着して撮って、またさくっと外せばいいのだ。この脱着の簡単さがうれしい。
遊んでたら夜になって夜景を撮ってみたくなったとか、花火大会で花火を撮ってみたくなったとか、そのほかリア充的な何かが起きたりとか世の中何がどうなるかわからないのである。
本格的に撮るのならもっと長くて安定した三脚を持っていくといい。いわゆる「トラベル三脚」といわれてるものなら、そこそこの重さと長さでそこそこ使える。
そこまでいかなくても、KLYPにアタッチメントをつけた市販のミニ三脚やポケット三脚をバッグの片隅にいれておくだけで撮影の幅は広がる。ミニ三脚やポケット三脚だと高さがないけれども、そんなのはその辺のテーブルとか手すりとかゴミ箱とか、そんな近くにあるものをうまく使えばいいのである。
iPhoneはスマホであると同時に、すぐれたカメラである、と思ったらちょっと拡張してみるべし。
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