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ユーザーが選ぶのは高速な2.1GHz帯よりどこでも使える800MHz帯──KDDIが説明する「これからのLTE」:LTEエリア競争はもう終わるそうだ(2/2 ページ)
KDDIは、9月2日に2013年第1四半期に発生した通信障害の対処に関する報告と、今後のLTE整備に関する方針を説明した。
いまユーザーが重視するのは速度より使える場所
田中氏は、2.1GHz帯LTEで、高速通信可能エリアも拡大していることを示したが、KDDIとしてそれ以上に重視するのが、「使いたい場所でつながること」と説明する。中でも、新幹線などの「高速移動中」やデパートの地下、エレベータといった「屋内や地下街」、そして、一時期に多数のデータ通信が発生する「イベント」などで、安定したデータ通信が可能であることを重視する。
田中氏は、これらの実例として、東海道新幹線の東京と新大阪間で100回調査したところ、LTEから3Gへのハンドダウンが発生したのは、片道で平均2.1回だったこと(主に、小田原~熱海間)や、屋内と地下街などでは800MHz帯LTEの整備で全国地下鉄駅LTE対応率、東京都内地下鉄駅間LTE対応率がともに99パーセントであること、そして、2013年夏のコミックマーケット84をはじめとする4G LTE移動基地局の投入などでイベントでも安定したデータ通信を提供できたことを紹介した。
なお、田中氏は、15MHz幅以上を利用するLTEの高速化について、都市部では15MHz幅を利用する3Gユーザーが依然として多く、このユーザー層のLTE移行が進まないとLTEを利用した100Mbpsクラスの高速データ通信を都市部で提供できないという考えを示している。
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