海外プリペイドSIM導入マニュアル――「ジャカルタLTE」編:4G対応のSIMと端末が約3000円から(2/2 ページ)
新興国でもLTEサービスが広がりつつある。今回はインドネシアの首都ジャカルタでプリペイドのモバイルルーターを購入してみた。
平均速度10Mbps ホテルのWi-Fiより快適
ではさっそく市内に出て利用してみよう。通信速度は平均で10Mbps、他事業者の3G回線が1Mpbs程度しか出ず、エリアや時間によってはパケ詰まりのような状況になることと比較するとはるかに快適だ。バスでの移動中も問題なく利用でき、ホテルでは室内のWi-Fiよりも快適に利用できた。ただし大型ショッピングモールの地下のフードコートでは電波の入らないエリアもあるなど、地下街はまだ弱いようである。Boltは毎月のようにカバレッジを広げているので、利用できない場所があっても次回訪問時は利用できるようになっているかもしれない。
なお利用後の管理も簡単だ。店舗でユーザー登録後に送られてくるメールにはプリペイドSIMの電話番号(No BOLT!)とパスワードが記載されている。電話番号はプリペイドSIMのパッケージにも記載されている、9で始まる10桁の番号だ。PCなどでBoltのWebページを開いて「MyBolt!」をクリックし、次の画面で「Nomor BOLT!」にその電話番号を、「Password Anda」にパスワードを入れ、LOG INをクリックすればデータ利用残高が表示される。またこの他にはルーターに接続したPCのブラウザから192.168.1.1にアクセス、ルーターの管理画面からデータ利用量を確認することもできる。
また1カ月後以降に再度ジャカルタを訪問して料金をチャージする場合は、同じくBoltのWEBページのMyBolt!にログインし、「Pembelian Isi Ulang」(リフィル購入)をクリック、希望する金額をクリックしてクレジットカードで購入する。ただし画面はインドネシア語なのでGoogle翻訳を使いながらでないと難しいところ。時間があるのなら、BOLT! Zoneを再訪して店舗でチャージしてもらう手もある。なおチャージ金額と利用可能なデータ量は、2万5000ルピア/2Gバイト、4万5000ルピア/4Gバイト、10万ルピア/10Gバイト、15万ルピア/20Gバイト、20万ルピア/30Gバイト。有効期限は10万ルピア以上が60日、それ未満の2つのプランは30日だ。なお2万5000ルピアはプロモーション料金のようでオンラインではチャージできない。
とにかく低価格なBoltのルーターとプリペイドSIMのセットは、ジャカルタで快適にネットアクセスしたい人ならぜひとも買うべきだろう。ホテルのネット環境が悪い場合もこのルーターのほうが快適に利用できるかもしれない。ジャカルタへ渡航する場合は、半日程度余裕時間を持たせて専門店のBOLT! Zoneをぜひ訪問しよう。
山根康宏 :香港在住の携帯電話研究家。一企業の香港駐在員時代に海外携帯電話に興味を持ち、2003年に独立。アジアを中心とした海外の携帯電話市場の状況や海外から見た日本の携帯電話市場についてなど、海外の視点からコラムや記事を日本のメディアに執筆するほか、コンサルティング活動も行う。携帯/SIMカードコレクターとしても知られ、所有する海外端末数は1100台以上(2013年5月時点)。
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