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ドコモショップがライブハウスに/iBeaconを活用したスタンプラリーも――「下北沢にて'14」

11月30日に下北沢で開催された「下北沢にて'14」に、NTTドコモが協賛。ドコモショップを解放してライブを2組のアーティストがライブを行った。ライブハウスサーキット型イベントでは初という、iBeaconを用いたスタンプラリーも注目したい取り組みだ。

 11月30日に、音楽集団「THEラブ人間」が主催するライブハウスサーキット型イベント「下北沢にて'14」が開催された。下北沢駅南口周辺の複数拠点でアーティストがライブを行い、参加者が自由に行き来してライブを楽しめるというもの。


下北沢駅の南口を降りると、至る所で「下北沢にて」のロゴが目に入った

 このイベントにNTTドコモが協賛。ドコモショップ下北沢南口店を時間限定で解放し、ドコモとしては初めて、ドコモショップ店内での音楽ライブを実施した。ドコモショップ下北沢南口店でライブを行ったのは、佐々木萌さんとタカユキカトーさんの2人。それぞれ30分にわたって演奏し、ライブハウスと化したドコモショップを大いに盛り上げた。

ドコモショップ下北沢南口店(写真=左)。1階の営業を止めてライブ用に解放(写真=右)
北海道出身で20歳の佐々木萌さんは、元気な歌声を披露。ドコモショップにはファンと思しき人たちも大勢集まった
タカユキカトーさんはiOSアプリを使ってiPhoneで演奏するという、ドコモショップにぴったりの(?)ライブを披露した

 下北沢にて'14でライブを楽しむには、前売り3500円、当日4500円のチケットを購入する必要があるが、ドコモショップでのライブはチケットを持たない人でも自由に観覧できる。そのためか、演奏が始まってから「何だろう?」と店舗を訪れる人も見られた。

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 下北沢といえば若者の街というイメージが強く、ライブハウスも多い。NTTドコモ スマートライフビジネス本部 コンテンツビジネス推進部の田中伸明氏によると、ドコモが今回のイベントに協賛したのは、こうした音楽好きの若者への認知拡大を図るためだという。さらに、イベントで演奏した楽曲を、NOTTVなどのドコモ向けサービスで配信することも検討しているという。「(配信は)今回の成果を見ながら考えたい。(ライブなどの)リアルなコンテンツを、ネット側に持って行くための連動は出していきたい」(田中氏)

 ドコモショップ下北沢南口店 店長の岸本竜一氏も、今回のような取り組みは歓迎する。「ドコモショップは堅くて真面目なイメージがあるが、思いのほか、たくさんお客さんが入っていただいたので、間違いなく当店の認知度が上がり、イメージアップにもつながった」と手応えを話す。16時までは1階の営業を止めてライブ用に解放したので、売上を考えるとマイナスだが、認知度向上により、長期的には売上増につながるという考えだ。「地域社会の貢献も我々の目指すところなので、こういった形で参加させていただけてうれしい」(岸本氏)

 「下北沢にて」では、iOS向けに専用アプリも用意された。ライブに出演するアーティストの情報が分かるのはもちろん、「iBeacon」を活用したスタンプラリーも楽しめる。iBeaconは、iOS 7以降の端末で「Beacon(ビーコン)」と呼ばれる電波を受信することで、Beacon発信器の位置を特定できる機能のことで、Bluetooth Low Energyの技術が使われている。Beaconの発信器をライブハウスや飲食店などに設置し、参加者が近づくと、自動でスタンプを取得するという仕組み。スタンプを集めると、会場限定の特典をゲットできる。

アプリを立ち上げると、スタンプをもらえるスポットが地図上に表示され、近づくと自動でスタンプを入手できる(写真=左)。スタンプを入手したスポットリストには「ニテ」のマークが出る(写真=中)。スポットの詳細(写真=右)

Beaconの発信器は手のひらに収まるほどのサイズなので、設置するハードルも低い

 アプリはジェナが開発し、ジェーエムエーシステムズ(JMAS)のBeacon管理プラットフォームを用いることで、スタンプラリーを実現した。ライブハウスサーキット型イベントでiBeaconを活用した取り組みは、初めてだという。ゲーム感覚でスタンプを集めながら、店舗へ誘導するというO2O施策にもつながる。イベント関係者によると、こうしたスマホアプリと連動した取り組みは、今後も継続していく予定とのこと。

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