モバイル“勝手に”流行語大賞2014:大賞はみんな納得の……?(1/3 ページ)
誰に言われるでもなく、2014年のモバイル業界を勝手に振り返ります。
早くも年末となり、毎年恒例となっている「2014 ユーキャン新語・流行語大賞」でお笑いコンビ・日本エレキテル連合の「ダメよ~ダメダメ」と「集団的自衛権」が年間大賞に選ばれましたが、モバイル業界ではどんなことが話題になっていたのでしょうか。
1年間取材してきた中で印象に残ったフレーズや言葉を独断と偏見で10個ピックアップし、モバイル業界の2014年を振り返ってみようと思います。年間大賞に選ばれるのは果たしてどんな言葉なのか……?
「適切なキャッシュバック」(KDDI田中孝司社長)
2014年はキャリア3社のMNP競争、番号ポータビリティ(MNP)利用時のいわゆる“キャッシュバック戦争”で幕を開けました。春商戦に向け各社がMNP時のキャッシュバック金額を大幅に増額し、どれだけユーザーにお金を還元できるかの体力勝負が続きました。その中でKDDIの田中孝司社長が2014年春モデル発表会で「適切なキャッシュバック」を行い、春商戦を勝ち抜く姿勢を見せました。
キャッシュバックキャンペーンは学割シーズンである1~3月にかけてますます加熱し、総務省からの指導が入ったといううわさが立つまでになりました。
そもそも、「スマホを新しく購入するのになぜお金が戻ってくるの?」という疑問がある人も多いでしょう。キャッシュバックの仕組みについては以下の記事で詳細を確認できます。“適切”な額がいくらだったのかは不明ですが、NTTドコモの加藤社長が「1月は適切なキャッシュバックにやられた」と返すなど、他社にとっても印象深いフレーズだったことには違いないでしょう。
「VoLTE(ボルテ↓)」(ドコモ広報)
国内ではドコモが2014年6月24日に開始した高音質通話サービス「VoLTE(ボルテ)」。auでも2014冬モデルより4G LTE通信のみをサポートするVoLTE対応スマホ2機種「isai VL LGV31」「URBANO V01」を発表しました。
モバイル業界ではVoLTEや「VoIP」など、専門的な英単語がよく飛び交うので、時々読み方やイントネーションが分からない時があります。そんなもやもやを解消するべく、VoLTEを開始したばかりのドコモにそのイントネーションを尋ねてみました。広報からの回答は「下がり調子で『ボルテ↓』です」でした。
その時はそれで留飲が下がったのですが、テレビのニュースや他社の発音を聞いていると、上がり調子の人や、「ヴォルテ」と発声する人も。人の数だけ答えがある、ということでしょうか。
2014年冬モデルでVoLTEに対応したのは、ドコモのAndroidスマートフォン全モデル、auの「isai VL LGV31」と「URBANO V01」、ソフトバンクの「AQUOS CRYSTAL X」です(AQUOS CRYSTALはソフトウェアアップデートで対応予定)。これにて3キャリア全てがVoLTE対応となりましたが、今後は異なるキャリア間の通話でVoLTEが利用できるのかといったことや、国内キャリアはiPhone 6/6 Plus向けにVoLTEのサービスを提供するのかといった点に注目が集まります。
VoLTEの詳細は以下の記事をご参考にして下さい。
「音声定額/新料金プラン」
NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルが通話定額を基本プランとする新料金プランを発表し、続々と利用者を増やしているようです。
「カケホーダイ&パケあえる」(ドコモ)、「カケホとデジラ」(KDDI)、「スマ放題」(ソフトバンク)と、ネーミングもさまざまですが、「携帯電話の料金プランは分かりにくい」というのが世の常。キャッシュバックもそうですが、ユーザーはどのキャリアと契約すればお得なのかを判断するのが難しくなっています。共通するのは、通話が多い人は新プランで恩恵を受けられるということ。通話をほとんどしない人には、MVNOに乗り換えという手段もありそうです。
「キャリアアグリゲーション」
スマートフォン大好きなギークな人以外でも、テレビCMなどで「キャリアアグリゲーション」(以下、CA)という言葉を1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。逆にモバイル業界に携わっている人は耳にタコができるほど聞いている言葉でしょう。CAは、LTE-Advancedの技術の1つで、複数の周波数帯を同時に使用することで、通信速度や通信品質を向上させるものです。
auが2014年夏モデル発表会でCAとWiMAX 2+をサポートする“全部入り”通信の端末を発表したことをきっかけに、この言葉が一般ユーザーにも広まることになりました。
また、ドコモは2015年3月からCAを導入した下り最大225Mbpsの「LTE-Advanced」を提供すると発表し、UQコミュニケーションズも同年春より「WiMAX 2+」のCAで転送速度を最大220Mbpsに向上させることを発表しています。
通信速度の増速よりも通信のつながりやすさを求めるユーザーの声も挙がっており、通信速度の向上がどこまでユーザーの利便性に寄与するのかも気になるところです。
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