米BLUのスマホを調達 ソフトバンクC&SがSIMフリースマホを取り扱う理由(1/4 ページ)
ディストリビューターとして、裏方に近い存在だったソフトバンクC&Sが、SIMロックフリースマホを販売する。米BLUの「GRAND M」と「GRAND X LTE」だ。今、BLUの端末を日本に導入する狙いはどこにあるのか。
「SoftBank SELECTION」などのスマートフォン用アクセサリーメーカーとしておなじみの、ソフトバンク コマース&サービス(ソフトバンクC&S)だが、実はSIMロックフリースマートフォンの流通にも大きな役割を果たしている。家電量販店やY!mobileショップなどで取り扱いのある一部の端末は、同社を経由して、店頭に並べられている。
ディストリビューターとして、ある意味裏方に近い存在だったソフトバンクC&Sだが、新たな取り組みにも着手している。その成果が、米メーカーBLUのスマートフォン「GRAND M」と「GRAND X LTE」だ。GRAND Mは6月16日に発売され、GRAND X LTEは6月30日に発売される。これら2機種は、ソフトバンクC&Sが総代理店としてローカライズなどを手掛けており、日本のユーザーの窓口の役割も担う。
今、BLUの端末を日本に導入する狙いはどこにあるのか。また、この事業をどう育てていきたいのか。同社の事業開発統括部 MD部 課長代行の本間忠氏と、同部 戦略課の牧戸達哉氏に話を聞いた。
SIMロックフリー端末の取り扱いを始めた理由
―― はじめに、一般のユーザーにはソフトバンクC&Sが何をやっている会社なのか、なじみがないと思います。ディストリビューションの事業について、解説していただけないでしょうか。
本間氏 (創業時の)ソフトバンクは、孫が始めたディストリビューションの会社です。ソフトウェア、ハードウェアの取り扱いだけでなく、最近ではSoftBank SELECTIONの商品を、量販店、EC、法人などに出しています。グループ会社でいうと、われわれソフトバンクは通信会社を持っています。そこと組み合わせて、新しいソリューションを、内外問わず世に提供していくことをしています。
―― SIMフリー端末に取り組み始めたきっかけを教えてください。
本間氏 流通業なので、市場のあるところには、いろいろなメーカーさんのものを出していくというのがミッションです。SIMフリーは、MM総研さんの調査で、2020年に570万台まで伸びるという話もあります。そうなると、規模は今の2倍、3倍です。そこに対し、流通としてビジネスをしていくのがミッションです。
また、BLUのケースがそうですが、SIMフリーでは総代理店もやり始めました。これが何かというと、技適の取得のサポートやローカライズ、カスタマーサポート、安全性やフィールドテストなどの検証をこちらで行い、ワンストップで日本に端末を出せる体制になります。今後は、IoTに関しても、もっと加速していくと思っています。
―― SIMフリーとして取り扱っているのは、具体的に、どういったメーカーなのでしょうか。
本間氏 日本で流通しているASUSさん、FREETELさん、Motorolaさんなど、一部のメーカーを取り扱っています。われわれでやっているY!mobileのオンラインショップなどで販売していますが、Huaweiさんに関しては、強みである量販店とタッグを組み、市場拡大に取り組んできました。
ちょうど先週、「P10 lite」が発売になりましたが、シェアではようやくASUSさんを抜き、1位になることができました。これはグループ会社に通信事業者がいる強みですが、Y!mobileの支援もあり、あれだけの売り上げになりました。量販店に行くと分かりますが、手で売っているのがY!mobileのスタッフですからね。
―― シェアや、他のディストリビューターと比べたときの強みを教えてください。
本間氏 MVNOを含めた実績はありませんが、Huaweiさんの比率が高く、弊社調べでは3割を超えています。家電量販店さんの扱いは、われわれだけになりますので。加えて、われわれとやることで、グループ会社のY!mobileショップにも、SIMフリー端末としてラインアップできます。
強みは、先ほど申し上げたように、やはりグループ会社に通信事業者がいることで、これはほかのディストリビューターには絶対にない強みです。また、取引先とも強いパイプを持っています。店舗を回るエリア営業が全国にいて、それを専門部隊として持っているのは、われわれの大きな強みです。量販店さんとは、30年以上の付き合いがありますからね。ここに加えて、日本市場にワンストップで端末を持ってくることができる総代理店機能を強化しています。
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