米BLUのスマホを調達 ソフトバンクC&SがSIMフリースマホを取り扱う理由(2/4 ページ)
ディストリビューターとして、裏方に近い存在だったソフトバンクC&Sが、SIMロックフリースマホを販売する。米BLUの「GRAND M」と「GRAND X LTE」だ。今、BLUの端末を日本に導入する狙いはどこにあるのか。
BLUのスマートフォンを選んだ理由
―― その総代理店機能ですが、実際にやってみて、いかがでしたか。
本間氏 実は今までもやっていて、(ウェアラブルの)MISFITがそうです。私自身がMISFITをやっていたわけではないので、比較はできませんが、技適を取ったり、ローカライズしたりするのは、やはり大変です。ローカライズについてはマニュアルもそうですし、ブランドサイトも全て弊社で制作しています。また、海外ではなかったことですが、APNの設定マニュアルも、全てこちらでやりました。
―― 確かに、日本のMVNOだと、SIMカードを挿すだけで自動設定というわけにはいかないですからね。総代理店として、BLUを選んだ理由を教えてください。
本間氏 伸びているSIMフリー市場に対し、ベンダーさんの数はたくさんあります。何かないかと探していたときに、米国は日本と似た市場だと気付きました。日本と同様、米国も9割ぐらいがSIMロック端末(キャリア端末)の市場です。日本もちょうど今、10%ぐらいというデータがあり、そこは似ています。その米国のSIMフリー市場でナンバー1だったのが、BLUでした。
シェアでいうと、SIMフリーが大体1割ぐらいで、その中の35%ぐらいを持っています。これは2105年度のデータですが、2016年度もナンバー1です。日本ではニュースになっていませんが、欧州のバレンシアというサッカーチームのスポンサーにもなっています。
BLUを調べていくと、商品にこだわっていて、デザイン、品質やトータル的なコストパフォーマンスの高さが特徴になっていました。例えば、背面も1万円以下だとプラスチックのものが多いのですが、これはメタルです。バッテリーの安全性も、うちの基準をクリアできていました。これなら日本でもいけると思い、導入した経緯があります。
われわれも、通信会社がグループにいるので、これを導入するにあたり、安全性のテストは慎重にやってきました。また、フィールドテストもやり、新幹線や高速道路での移動中に使えるかも全て検査し、合格点を取れました。
―― なるほど。確かに、1万円以下のスマートフォンというと、品質や質感は諦めることが多い気がします。ただ、BLUといえば、幅広いラインアップを持っているメーカーで、CESなどの展示会でも常連です。なぜ、この2機種だったのでしょうか。
本間氏 米国で強い理由は、やはり価格です。1万円前後の価格帯がBLUさんの中でも強みになっています。それをまず日本に投入したかったというのが、2機種を選んだ理由です。ただ、SIMフリー市場は、これからまだ広がっていきます。今はアーリーアダプターで詳しい人が使っている中で、月額料金を抑えたいということで徐々に一般層の方も移ってきています。
また、Y!mobileもそうですが、料金プランが多様化していて、フィーチャーフォンを使っていた方がスマートフォンに乗り換えたり、料金が安いので2台持ち、3台持ちという方も出てきたりしています。ここに入ってくるユーザー層を広げたいという意味もあり、2機種を持ってきました。あとは、おじいちゃん、おばあちゃんへのプレゼントですね。1万円ぐらいだったら、「最悪、渡したあとに使わなくなってもいい」と考えられるので、そういった需要も取り込めます。
―― 7980円のGRAND Mは、そういった通話オンリーの需要も踏まえているということですね。
本間氏 そうですね。
―― Y!mobileショップで取り扱うことも、考えられているのでしょうか。
本間氏 今、調整しているところです。ただし、GRAND Mについては、Amazon専売になっています。
―― Y!mobileのキャリア端末に採用されるような働きかけをしていくということもありますか。
本間氏 そこもミッションだとは思っていますが、一方でオープン端末はいち早く世に出せることもメリットです。キャリアだと検証が大変で、キャリアグレードの仕様も求められます。その辺はY!mobileショップなどでテストマーケティングをしながら、不具合がなければ、うちからご紹介することはあると思います。
―― GRAND Mについては、なぜAmazon専売なのでしょうか。
本間氏 3Gモデルを一般に広く出すというところに、抵抗がありました。SIMカードも、MVNOの中には3Gに対応していないところがあります。われわれもそこは間違えないように、Webなどでは必ず、「3Gに対応したSIMカードをお使いください」と訴求するようにしています。
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