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ドコモ、360度8KVRライブ映像を配信できるシステムを開発 5Gでの利用を想定
NTTドコモはヘッドマウントディスプレイを通し、スポーツや音楽イベントなどの360度8K映像をリアルタイムに視聴できるシステムを開発したと発表。同社の常設5G技術検証環境「ドコモ5GオープンラボTM Yotsuya」に展示を行う予定だ。
NTTドコモは、6月26日に360度8KVRライブ映像配信・視聴システムの開発を発表した。
本システムは、ヘッドマウントディスプレイを通して、スポーツや音楽のライブイベントをリアルタイムに360度8K映像として撮影/配信できるというもの。4Kの4倍の演算処理負荷をクリアするため、高い処理能力を持つ半導体「FPGA(Field Programmable Gate Array)」を採用。高負荷演算をFPGAに合わせた形でアルゴリズムを検討し、高密度実装開発を行うことで映像合成や圧縮のリアルタイム処理(30fps)を可能とした。
没入感の高いライブVR体験ができるよう、以下の4つのシステムを活用している。
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- 円周方向へ外向きに配置した5台のカメラから出力される4K魚眼形式映像を、リアルタイムに合成(スティッチング)して30fpsで出力する「リアルタイムスティッチング装置」
- 映像をサーバへ配信するためにリアルタイムで圧縮(エンコード)を行う「リアルタイムH.264エンコーダー」
- 映像を複数方向のタイルに分割する「リアルタイムパノラマ超エンジンエンコーダー」
- タイルをユーザーの視聴方向に合わせて配信するサーバ
今後、同社の「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」に参画している1503企業・団体へ提供している常設5G技術検証環境「ドコモ5GオープンラボTM Yotsuya」で展示する予定だ。
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