5分で分かる、先週のモバイル事情:10月4日〜10月10日
10月9日、幕張メッセで「東京ゲームショウ2008」が開幕。ドコモやKDDIもブースを展開し、ケータイゲームの楽しさをアピールした。10月7日にはTCAが9月の契約数を発表。ソフトバンクモバイルが純増首位を守ったものの、ドコモもそれに迫る純増数を獲得した。
9月の契約数発表、ドコモがソフトバンクモバイルに迫る純増
10月7日、電気通信事業者協会(TCA)が2008年9月末の携帯電話・PHS契約数を発表した。携帯電話とPHSを合わせた移動電話の累計契約数は1億942万100となり、1億1000万契約が目前に迫っている。
携帯電話の契約数は1億483万3600で、キャリア別では14万2800の純増を記録したソフトバンクモバイルが首位をキープ。NTTドコモは12万9700契約と8月から大きく数字を伸ばし、KDDIも7万4900契約の純増となった。
携帯電話の出荷台数は、8月の実績が216万6000台にとどまり、2カ月連続でマイナスを記録。前年同月比で48.6%減となるなど、下落傾向が続いている。
携帯3キャリアのトップが顔を揃えた、安心ネットづくり促進評議会設立の記者会見でも、販売台数の落ち込みに対する見方を問う声が挙がり、ドコモの山田隆持社長は「ドコモの総販売数では、前年同月比20%減という数字が続いている。当初の計画とは違い、在庫が店頭にあることから出荷が落ち込んで今回の結果になったのだろう。(ドコモの販売数が)50%減という大きな数字になったわけではない」とコメントした。
ソフトバンクモバイルの孫正義社長は、販売方法の変更と不景気が影響しているとしながらも、短期間で買い替えるユーザーが多かった以前の販売方法が健全だったとは言い難いという見方を示している。
端末メーカーも苦戦を強いられており、10月6日にはシャープが携帯電話の不振を理由に、2009年3月期の連結業績予想を下方修正した。
東京ゲームショウ開幕、対戦ゲームに注目
10月9日、幕張メッセで「東京ゲームショウ2008」が開幕した。携帯関連のキャリアやメーカーもブースを構え、ケータイゲームの楽しさをアピールしている。
ドコモは開幕にさきがけて、リアルタイム通信対応の「iアプリオンライン」を発表し、同社ブースでサービスを紹介。恒例の“覆面端末”も登場するなど、来場者の注目を集めた。KDDIも、この冬以降に投入するBlueotooth対戦ゲームを披露。周囲を見ながらケータイゲームを大画面で楽しめる透過型ヘッドマウントディスプレイも参考出展した。
DeNA、アンビション、スパイシーソフト、ケムコらメーカーが出展する「モバイルコンテンツコーナー」も盛況で、各ブースが来場者限定の特典や試遊機を用意して来場者を迎えた。芸者東京エンターテインメントは、ケータイへの搭載を目指すという拡張現実(Augmented Reality:AR)ソフト「電脳フィギュア ARis」と、今冬の発売を予定しているiPhoneアプリを披露していた。
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海外でタッチスクリーンの新端末登場
iPhoneの登場以来、各メーカーが相次いでリリースしている“タッチスクリーン”端末。10月4日、LG電子が800万画素カメラ搭載の「Renoir」(ルノアール)を発表し、10月8日にはRIMがiPhone対抗のタッチスクリーン対応のBlackBerry「BlackBerry Storm」を発表した。
Renoirは、タッチUIを生かしたカメラ操作が可能なスマートフォン。フロント面はiPhoneに似たデザインだが、裏面はデジタルカメラを思わせるデザインを採用している。スタート画面はウィジェットでカスタマイズでき、文字入力は画面上のバーチャルキーボードを利用する。
BlackBerry Stormは、RIM初のタッチスクリーン端末で、画面を押すとキーを押したような感覚を味わえるクリッカブルタッチスクリーンを採用。加速時センサーを搭載することで、本体の回転に合わせて画面の向きが切り替わるUIを実現しており、縦向きではRIMのSureType仮想キーボード、横向きではQWERTY配列の仮想キーボードを利用できる。
ウィルコム、WILLCOM COREの基地局免許申請
ウィルコムは10月10日、総務省にWILLCOM CORE(次世代PHS)の基地局免許を申請した。2008年11月には端末の包括免許も申請する予定としている。
WILLCOM COREは、上りと下りでそれぞれ最大100Mbps以上の通信速度を目指す次世代PHSサービス。ウィルコムは2009年10月の商用サービス開始を目指しており、2009年4月に試験サービスを開始する予定だ。
10月6日には、イー・モバイルが総務省にLTEの試験局免許を申請。同社は2011年前半のLTE導入を目指しており、12月下旬から2009年5月31日にかけて行う屋外の実証実験用に試験局免許を申請した。
エリア限定番組を京都と東京で放映――KDDIら5社、スポットワンセグの実証実験
KDDIは10月10日、ITコンソーシアム京都、京都放送、エフエム京都、京セラコミュニケーションシステムと共同で、スポットワンセグの実証実験を実施すると発表した。10月18日、19日に京都の東映太秦映画村で開催されるイベント「太秦戦国祭り」で実験を行う。
スポットワンセグは、数メートルから数十メートルという、ごく限られたエリア向けに提供するワンセグ放送。今回の実証実験は、イベントにちなんだオリジナル映像を京都・東映太秦映画村に加え、東京・秋葉原DearStage DEMPAビル店でも同時に放映するもので、KDDIによれば2つの拠点向けにエリア限定番組を放映するのは初の試みだという。
エリア限定のワンセグ配信については、8月にドコモら5社も実証実験を実施している。
コンサル会社がiPhone 1000台導入――法人一括導入の最初の事例に
ベリングポイントは10月6日、ソフトバンクモバイルが販売する「iPhone 3G」を業務用携帯電話として1000台導入すると発表した。これは国内法人市場におけるiPhone 3G一括導入の最初の事例になるという。
iPhone 3G向けには、さまざまな業務アプリが登場しており、同社は顧客企業にiPhone 3Gを使った業務改革の提案も行うとしている。
民間主体の取り組みを強化――「安心ネットづくり」促進協議会が発足
10月8日、企業と地方自治体、PTA、大学教授らが参画し、安全なインターネット環境の構築を目指す「安心ネットづくり」促進協議会の発足が発表された。
発表記者会見には、慶應義塾大学教授の中村伊知哉氏を世話人とする発起人17人が出席。ドコモ代表取締役社長の山田隆持氏、KDDI代表取締役社長兼会長の小野寺正氏、ソフトバンクモバイル代表取締役社長兼CEOの孫正義氏という携帯キャリア3社のトップに加え、ヤフー代表取締役社長の井上雅博氏、ディー・エヌ・エー(DeNA)代表取締役社長の南場智子氏、ミクシィ代表取締役社長の笠原健治氏といった、大手サイトの経営者も顔をそろえた。
この協議会は、ネット上の有害コンテンツへの対応について、民間主体の取り組み強化を目的に発足したもの。世話人を務める中村氏は発足の趣旨について「インターネットは今や生活に欠かせない存在になっているが、一方でマイナス面も拡大している。民間主体で行われている取り組みを強化し、利用環境の整備を行いたい。ネット上の有害コンテンツへの対応はこれまでも数多くあったが、対処療法的であったり、地域差があった。これらを横断的に連携させ、点のつながりを面にすることで底上げを図りたい」と説明した。
協議会は2009年1月に任意団体として設立し、同4月から活動を開始。事務局は、e-ネットキャラバンの活動を支援する財団法人マルチメディア振興センターに置かれ、センター職員のほか、各発起人企業からの出向者で運営を行う予定だ。
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100枚超のポイントカードをケータイに――NTTコム、「ぎゃざポ(仮称)」開発
NTTコミュニケーションズは10月9日、携帯電話に各種ポイントカードや会員証を集約するシステム「ぎゃざポ(仮称)」を開発したと発表した。
ぎゃざポはNTTコミュニケーションズが開発したアプリケーション技術“Key-Shuttle”を利用して、携帯電話に100枚以上の各種ポイントカードや会員証を収容可能にするシステム。一度携帯電話にKey-Shuttleアプリをダウンロードすれば、専用のリーダー/ライターにかざすだけで携帯電話の中にポイントや会員証情報を保存できる。これにより、従来のように、店舗ごとに異なるアプリケーションをダウンロードする必要必要がなくなるという。
NTTコミュニケーションズは2009年2月を目途に、ビックカメラ、ノジマ、ランシステムと共同でぎゃざポの実証実験を実施する予定。また、10月30日、31日の両日、東京・帝国ホテルで開催する“NTT Communications Forum 2008”でぎゃざポの展示を行う。
対話で好みを把握、最適な情報を配信――CLONにエージェント機能
“何かをする”ためのケータイから“何かをしてくれる”ケータイへ――。個人のニーズを汲んで最適なサービスを提供するという、ケータイ向けエージェントサービスをCLON labが提供開始する。
同社は一般サイトとして展開している対話型コミュニケーションサービス「CLON」に「対話エージェント機能」を搭載。サイト内のアバターと利用者が交わした会話から好みを把握し、それに基づいたall about(オールアバウト)のコラムをレコメンドする。
情報のレコメンドエンジンとしてブログウォッチャーが開発した「嗜好学習型エンジン」を採用。好みの境界線を作ることで好き嫌いを判別する仕組みを採用しており、これが従来のレコメンドシステムにはない“1to1ターゲティング”を可能にするという。
同社は今後、対話エンジンをASPモデルとして企業向けにも提供する予定。またケータイだけにとどまらず、PCやテレビ、ゲーム機、カーナビなどへの搭載も目指すとしている。
ケータイ向けエージェントサービスの導入には通信キャリアも関心を示しており、さきに開催されたCEATECの基調講演でも、ドコモの辻村清行副社長やKDDIの伊藤泰彦副社長が、その導入に言及している。
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