第4回:「あると便利」なテザリング、本当に“使える”の?:たまねぎIT戦士のEVO体験記(2/2 ページ)
EVO WiMAXを買った理由は「テザリング」……という人は多いはず。これからのスマートフォンはテザリング機能があって当たり前になりそう。テザリングは「あると便利」という人もいるけれど、実用に耐えうるのかどうか気になるところです。
バッテリーの問題は使い方次第
テザリング機能での通信はなかなか快適で、ネットサーフィンや仕事をするには十分だと分かりましたが、1つ大きな問題があります。テザリング機能を使用すると、バッテリーの消耗が激しいことです。ということで、実際にどの程度バッテリーを消費するのか試してみました。仕事で使うことを想定し、テザリングの省電力設定を行わず「常にオン」にします。5分や10分使わなければ無線LANがオフになる、という設定では仕事に支障が出そうなので、バッテリーを犠牲にしてもテザリングは常にオンにする必要がありそうです。
テザリング使用時のバッテリーテスト(3G回線、Wi-Fiテザリング) | ||
---|---|---|
経過時間 | バッテリー残量 | |
0分 | 100% | |
30分 | 90% | |
1時間 | 82% | |
2時間 | 66% | |
3時間 | 56% | |
4時間 | 40% | |
4時間半 | 19% | |
5時間 | 6% |
また、WiMAXを使っても消費するバッテリー量は3G回線の場合とあまり差がなく、大体1時間に20〜25%程度消費することが分かりました。ただし、これはノートPCが常時ネットにアクセスし続けているという場合の話で、PCがインターネットに接続していないときはバッテリーの消費は1時間あたり10%程度になりました(3時間測定の1時間平均)。WiMAXテザリングでもネットに接続しない状況では、1時間あたり14%程度しか減りません。
とはいえ、テザリングを使い続ければ4時間程度でバッテリーが切れることには変わりないので、長時間使い続ける場合には対策が必要です。大容量バッテリーやモバイルブースターを買えば簡単に解決しそうな問題ですが、できれば買わずに済ませたい、お金を使いたくない……という思いがあるので、今回はあえてテザリング機能を使いながらノートPCからUSB接続で充電すると、どれほどバッテリーの消費を抑えられるかを調べてみました。1時間あたりのバッテリー消費量を示したのが以下の表です。
USB充電のバッテリーテスト(3G回線、3時間計測の平均値) | ||
---|---|---|
状況 | USB充電なし | USB充電あり |
バッテリー残量 | −20% | +13% |
バッテリーは減らない……どころか増えていますね。AC電源につなげばもっと回復は早いですが、ノートPCならUSBで確実に給電できますし、バッテリーが減らなければテザリングを使い続けられるので十分。ノートPCのバッテリーが切れるまでテザリングを利用できるので、その使い勝手はノートPCのバッテリー動作時間に大きく左右されます。逆にいえば、ノートPCを充電できればずっとテザリングできるというわけです。
複数のデバイスを使い分ける人にオススメ
私の知り合いにテザリング機能に惹かれて、iPhoneからEVO WiMAXに乗り換えた人がいますが、彼はテザリングを「あると何かと便利」な機能だと評価していました。「スマートフォンは長いメールをうちにくく、文章が長くなりそうなときはiPadで(テザリングでインターネットに接続して)メールを返信する」という使い方をしているとのこと。タブレットやノートPCを持ち歩く人にはさまざまな場面で役に立ちますが、そうでなければ全く必要ないといっても過言ではありません。
テザリング機能を搭載したスマートフォンは増え続けていて、ドコモの夏モデルではほとんど搭載していますし、auのスマートフォンも秋以降に対応機種がさらに増えることが予想されます。今後テザリングはスマートフォンで標準的な機能になりそうで、タブレットが普及すればテザリングの必要性も高まるはずです。
EVO WiMAXを購入した当初はiPadをテザリングしようと思っていましたが、タブレットよりもノートPCを持ち歩く方が好きなので、現在はMacBook Airをインターネットにつなげるために使っています。DropBoxなどのオンラインストレージと相性がよく、データを自宅や会社のPCにすぐに同期できるので非常に便利です。外出先や電車の中で記事を書くなど、ちょっとしたノマドワークも体験できました(でもそんな切羽詰まった状況になりたくない)。
テザリングを使うのは主に休日です。特に先日は、外出先でDropboxで資料を確認してから大学時代のゼミの発表会に参加し、発表会中もテザリングでノートPCをインターネットにつなぎ続けるといったようにテザリングが活躍する場面が多かったです。休日に出かけるときはMacBook Airをとりあえず持ち歩く、というスタンスなのでEVO WiMAXにして良かったと思う場面が多いです。
さて、9月22日にEVO WiMAXのアップデートが開始されてEメール(〜@ezweb.ne.jp)が使えるようになるので、長く使ってきたbiblioを解約し、10月からはEVO WiMAX1台のみとなる予定です。次回はアップデートで変化したことや、1台持ちにしたときのEVO WiMAXの使用感について書く予定です。お楽しみに。
関連記事
- 第3回:夜まで持たない? 「EVO WiMAX」のバッテリー管理を考える
バッテリーの問題はスマートフォンユーザーが頭を悩ませるところ。だけどEVO WiMAXのバッテリー消費は早いなんてものじゃない。自分の生活スタイルにあった使い方を考えないといけない、ちょっと“面倒な”端末です。 - 第2回 EVO WiMAXは二刀流、速さだけがウリじゃない
せっかく「EVO WiMAX」を買ったのだから、WiMAXを使わない手はない。WiMAXって通信速度の速さばかりに注目が集まっているけれど、ユーザーの立場からすれば、一番のメリットはそこじゃないんです。 - 第1回 “iPhoneユーザーから嫉妬されるスマホ”EVO WiMAXを購入した
「社会人ってスマートフォンを持ってないとまずいんじゃないか」と思ってEVO WiMAXを買ってみたら、なんか人からもの珍しそうな目で見られる。「なんでiPhoneじゃないの?」とかよく聞かれるけど、ちゃんと理由とこだわりがあるんです。 - 「Xperia acro IS11S」「HTC EVO WiMAX ISW11HT」のアップデート、9月20日から順次開始
auのスマートフォン「Xperia acro IS11S」と「HTC EVO WiMAX ISW11HT」のソフトウェアアップデートが開始される。アップデートにより、Eメール(〜@ezweb.ne.jp)やau one Marketなどの利用が可能になる。 - KDDI、「+WiMAX」の月額利用料を購入月から最大2カ月無料に
KDDIが、WiMAX対応スマートフォン向けの料金プラン「+WiMAX」の無料キャンペーンが終了するのにともない、新たな対応を発表。9月以降は、端末購入月から最大2カ月間+WiMAXが無料になる。 - “ガラスマ”ではなく“グロスマ”を展開する――HTCのスマートフォン戦略
日本ではワンセグやおサイフケータイなどに対応した、いわゆる「ガラスマ」が増えつつあるが、HTCはあくまでグローバルなスマートフォンをベースに展開する。同社の最新モデルとともに、小寺氏が事業戦略を説明した。 - 「HTC EVO WiMAX ISW11HT」 ソフトアップデートでCメール送信などサポート
KDDIが6月7日10時に、「HTC EVO WiMAX ISW11HT」のソフトウェアアップデートを開始した。アップデートを行うとCメールの送信が可能になるほかじぶん銀行スマートフォンアプリが利用可能になる。 - 「HTC EVO WiMAX ISW11HT」発売、毎月割で新規は実質2万円台前半
auのWiMAX対応スマートフォン「HTC EVO WiMAX ISW11HT」が店頭に並んだ。毎月割の適用で、新規契約時の実質価格は2万250円と案内されていた。 - KDDI、「HTC EVO WiMAX ISW11HT」を4月15日に全国発売
KDDIは、WiMAXに対応したHTC製のau Androidスマートフォン「HTC EVO WiMAX ISW11HT」を4月15日に全国発売すると発表した。3G/WiMAXのどちらでも最大8台までテザリングを提供できる。 - ネットが体の一部になる――「EVO WiMAX」で“ノマドワーク”を実践してみた
3GとWiMAXに対応し、最大8台のテザリングもできるauのAndroid端末「HTC EVO WiMAX ISW11HT」――。ガジェット好きはもちろん、モバイル環境でマルチデバイスやクラウドサービスを活用したいビジネスユーザーにとっても気になるモデルだ。その使い勝手を検証する。 - 4G、OS、ソーシャルフォン、タブレット――HTC 小寺氏が語る製品戦略
5機種のスマートフォンと1機種のタブレットを2月のMobile World Congress 2011で発表したHTC。日本向けには「htc EVO WiMAX ISW11HT」も投入し、存在感を高めている。2011年はどんな戦略で携帯事業を展開していくのだろうか。 - auがスマホのテザリング解禁――WiMAX対応Android端末「HTC EVO WiMAX ISW11HT」
3GとWiMAXのネットワークを利用できるAndroid端末「HTC EVO WiMAX ISW11HT」がauから登場。3G、WiMAXともにWi-Fiテザリングに対応し、最大8台のデバイスを接続できる。WiMAX使い放題が“+525円”という破格の料金も注目。 - 写真と動画で解説する「HTC EVO WiMAX ISW11HT」
データ通信料月6300円で3G/WiMAXの両方が利用でき、追加料金なしでWi-Fiルーターにもなる――。auのAndroid端末「HTC EVO WiMAX ISW11HT」は、そんな思い切った仕様が注目だ。一方で、ユーザーにとっていくつか注意すべき点もある。端末の詳細を写真と動画も交えて紹介しよう。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.