HTC Sense 4.0で何が変わった?――「HTC One」の新UIを試す:Mobile World Congress 2012
MWCで発表された「HTC One」シリーズは、Android 4.0への対応に伴い、UIもHTC Sense 4.0にバージョンアップしている。何が変わったのか。ホーム画面、カメラ、音楽機能を中心にチェックした。
Mobile World Congress 2012で発表された新型Androidスマートフォンは、当初からOSにAndroid 4.0を搭載するものが増えており、HTCが今回発表した「HTC One」シリーズもAndroid 4.0を採用している。OSの進化に伴い、独自UI(ユーザーインタフェース)の「HTC Sense」も3.0から4.0へにバージョンアップしている。4.0で何が変わったのか。また操作性はどうか。新モデルの特徴的な機能をチェックした。なお、新機種の詳細なスペックについては先日の発表記事を参照してほしい。
まず、全機能の入り口であるホーム画面を見てみよう。Android 4.0標準のUIは2.3から大きく変更されているが、HTC One(HTC Sense 4.0)では従来の操作性を残しつつ改良されている。まず、HTC Sense 3.0のホーム画面は画面下部に「アプリ一覧」「電話」「設定」の3つが固定されており自由にカスタマイズできなかったが、HTC Sense 4.0では4つのアプリを自由に配置できるようになった。アプリ一覧は従来の縦スクロールから横スクロールとなり、検索やAndroid マーケットへのショートカットが追加されている。ディスプレイ下部には戻る/ホーム/マルチタスクの3キー(センサーキー)を用意しており、これまでのMENUキーはなくなっている。したがってサブメニューを呼び出すには画面右上の「MENU」を選ぶ必要がある。マルチタスクキーからは最近使ったアプリ一覧を呼び出せるが、Android 4.0標準の縦スクロールから横スクロールでサムネイルが表示され、このサムネイルを下から上にフリックすると一覧から消去される。Android 4.0をベースにしつつもHTCならではの工夫が見られ、2.3から「大きく変わった」と意識せずに使える印象を受けた。ロック解除画面からアプリをダイレクトに呼び出せるショートカット機能はHTC Sense 3.0から継承している。
発表会でCEOのピーター・チョウ氏が「Amazing Camera(素晴らしいカメラ)」と紹介していたカメラは、画質に加えて、操作性やUIが大きく改善されている。約0.7秒とスピーディに撮影でき、撮影間隔も短いので、シャッターボタンを押すだけで快適に撮影を続けられる。シャッタータイムラグのない撮影はAndroid 4.0の特徴の1つで、HTC Oneもこれを活用した形になる。HDR撮影、パノラマ撮影、コンティニュアスAFなどもサポートする。もう1つユニークなのが、動画と静止画の同時撮影だ。カメラを起動してビデオのアイコンをタップすると自動的に動画撮影が始まり、ここで赤いRECアイコンの上にあるシャッターボタンを押すと、静止画が保存される。動画撮影中ながら、こちらも静止画の保存スピードが速く、シャッターボタンを押すと次々と写真が保存されていく。動画を撮りながら決定的瞬間を手軽に残せるのはもちろん、撮影した動画を後からキャプチャする手間が省けて便利だ。
もう1つ、HTC Sense 4.0の大きな特徴に挙げられるのが音楽機能の改善だ。プリインストールしている「Music」アプリにはミュージックプレーヤーに加え、保存されているオーディオ関連アプリが集約される。Musicアプリ起動後に現れる画面には「My phone」と、保存されているオーディオアプリが一覧表示される。My phoneでは保存されている音楽ファイルにアクセスできる。集約されるオーディオアプリはプリセットされているものに限らず、ユーザーがAndroid マーケットから自由に追加できる。ただしミュージックプレーヤーと音楽アプリが連携する機能は(現時点では)用意されていない。例えばSony MobileのXperiaシリーズでは再生した音楽に関連するYouTube動画を検索できるが、HTC Oneではそのような連携機能は用意されておらず、Musicアプリはあくまで“音楽コンテンツの入り口”という位置づけだ。一方、音質にもこだわり、「クラシック」「ライブ」「ダンス」など楽曲のジャンルに応じてエフェクトを変更できる。
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