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ドコモ、一連の通信障害に対する報告書を総務省に提出
ドコモは、spモードのメールアドレス入れ替えやトラフィックと制御信号の増加による通信障害に対する対策の報告書を総務省に提出した。
NTTドコモは3月30日、2011年夏ごろから発生した一連のネットワーク障害への対策と再発防止策の実施について総務省に報告書を提出した。
総務省は1月26日に、携帯電話サービスの事故防止と通信の秘密の保護・個人情報の適正な管理を徹底するようドコモに行政指導を行っており、この中で早急な対策の実施と、その結果を3月30日までに報告するよう求めていた。
今回の報告書には、発生した通信障害への対策16項目(稼働3940人日)のほか、再発防止に向けたさらなる17項目(稼働6万5640人日)の対策が記載されている。例えばspモードメールが入れ替わる問題に関しては、2011年12月末にサーバー側での処理内容や伝送路の見直し、1月には負荷の軽減や認証サーバーの処理能力向上が図られた。また制御信号の増加による通信障害については、2月にパケット交換機の処理能力の総点検を行い、新型交換機への切り替えを2月25日から順次進めている。
また、年末に設立された「ネットワーク基盤高度化対策本部」による全社横断的な設備の総点検では、処理能力や故障時の即応体制、ネットワークの冗長性を確認。さらに最新トラフィックによる過負荷試験や、ユーザーへの影響が少ない工事手順やヒヤリ・ハット事例の社内共有など、保守・運用面での見直しも図られたという。
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