スマートフォンを“握って”操作してみた――ドコモの「Grip UI」:CEATEC JAPAN 2012
スマートデバイスの普及で高い注目を集めているユーザーインタフェース技術。モバイル向けの場合、タッチパネルだけでは片手操作に課題があるため、ドコモは握って操作する「Grip UI」を開発した。
CEATEC JAPAN 2012のNTTドコモブースにある「R&D」(研究開発)コーナーでは、スマートフォンやタブレットなどスマートデバイスのユーザーインタフェースに関する研究成果が出展されている。
そのうちの1つが、スマホを握って操作する「Grip UI」。Grip UIはスマホの両側面に272個の圧力センサーを内蔵し、端末の握り方によって操作しようというもの。
電車でつり革につかまっている場合など、片手でタッチパネルの操作がしにくいシーンでも、快適にスマホを操作できるよう開発された。また開発背景には、スマホの大画面化が進んでサイズ的にも片手操作がしにくくなっている現状もあるという。
会場では試作機を使い、ホーム画面のロックを解除する/前の画面に戻る/ブラウザを起動するなどの基本操作を体験できる。また四隅を握ったり、握ったまま振ったりといった応用操作も試すことができる。実際に試してみたが、かなり強く握ってもなかなか反応しない……。これは圧力センサーの取り付け位置が背面よりのため、ディスプレイのエッジ側を持つとうまく認識されないだめだった。背面側から端末を包むように握ると、うまく反応してくれた。試作機ではセンサーの取り付け位置が制限されていることもあり、将来製品化する場合は解決できるという。
慣れないと余計な力が入ってしまうが、持つだけでスマホを操作できるのはタッチパネル以上に直感的でもある。だが側面を操作に使うなら、物理的なサイドキーを増やしたり、補助的なタッチパネルを取り付けることも考えられる。なぜ圧力センサーを採用して“握る操作”に注目したのだろうか?
ドコモでは「特に操作することを意識しないUIを目指したため」と説明する。新たにキーやボタンを配置すると、その部分を意識した持ち方や操作が必要になる。一方で圧力センサーであれば、持つ部分をあまり制限することなく、端末を保持する動作そのもので端末を操ることができるという。またキーやボタンの操作では、押す/押さないという2段階の入力信号になるが、圧力センサーであれば入力信号に連続性があり、同じ握る操作でも強さの違いや、端末を“なぞる”などの動きも検出できる。ほかのセンサーと組み合わせてより複雑な操作ができ、ユーザーごとの持ち方や握り方でロック解除するなど、セキュリティ用途への応用も考えられるという。
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