「Tegra 4」と「SHIELD」で舵を切るNVIDIAの狙い:2013 International CES(3/3 ページ)
米NVIDIAのプレスカンファレンスで、「Tegra 4」の概要が明らかになった。また、この新プロセッサを内蔵したゲームコンソール「Project SHIELD」も公開した。
Tegra 4を搭載する「Project SHIELD」の目的は?
ファン氏は、Tegra 4の説明が終わった後、Tegra 4を搭載したゲームコンソール「Project SHIELD」を紹介した。ゲームコントローラのような形状をしたボディに、5型のタッチパネル搭載ディスプレイを搭載してAndroid OSを導入するProject SHIELDは、タブレットデバイスとしても利用できる。こちらも、出荷時期や出荷体制、製品の展開計画などの詳細をファン氏が明らかにしていない。「実際にNVIDIAがゲーム機事業に参入するのか?」「パートナーのハードウェア開発や販売ビジネスと競合するのか?」といった疑問はあるが、試みとしては興味深い。
ProjectSHIELDを単純にいえば、ゲームコントローラのついたAndroidタブレットデバイスだが、Google Play StoreでTegrazone対応アプリを含む各種ゲームアプリが動作するほか、いわゆるクラウドゲーミング技術を使ってSHIELDを「Receiver」として動作することで、ゲームのストリーミング配信も利用できる。
また、GeForceシリーズのグラフィックスコアを搭載するPCが必須となる最新のPCゲームをSHIELDからリモートで動かすことも可能だ。本体内蔵の5型ディスプレイで解像度が1280×720ドットという“Retina的”高精細画面でゲームを動かすのも可能なら、本体に搭載するHDMI出力を利用して大画面テレビでゲームを動かすのも可能だ。場所やスタイルを選ばずにさまざまなゲームをこれ1台で楽しめるという自由度がある。特に画像出力に関しては強力で、SHIELDで4K動画を再生して4KディスプレイにHDMI経由で出力できる。SHIELDのパーソナルスクリーンを使って、複数のユーザーが同じ部屋に集まって対戦するのもいいだろう。
なお「SHIELD」という開発コード名は、マーベルコミックス原作のエージェント「S.H.I.E.L.D.」が由来になっていると思われる。Tegra 3の開発コード名「Kal-El」はスーパーマンの出身地クリプトン星での本名、Tegra 4の開発コード名「Wayne」が、バットマンシリーズの主人公ブルース・ウェインが由来であることを考えれば、NVIDIAにおけるモバイル関連製品の開発コード名は徹底してアメコミから命名している印象がある。
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