ソフトバンク、「つながりやすさ」に絶対の自信 営業利益は“ドコモ超え”実現へ(2/2 ページ)
ソフトバンクの代表取締役社長、孫正義氏が、2013年度の連結営業利益が1兆円以上になる見通しと発表。かねてから強くアピールしている「つながりやすさ」も、以前より大きく改善していると自信を見せた。
「つながりやすさナンバーワン」を改めてアピール
ソフトバンクモバイルが自信を見せる「つながりやすさ」については、決算会見でも具体例を挙げながら時間を割いて説明した。このつながりやすさの改善は、「プラチナバンド」と呼ばれる900MHz帯の割り当て以降、急速に基地局を整備したことが大きく貢献している。2012年7月の免許取得から10カ月弱しか経ていないが、基地局を2万2000局開設。孫氏は「ギネスブック並みのスピード。大雪の台風の日も、いいわけを言わずに基地局を作ってきた」とその努力を自賛した。
テレビCMなどでもアピールしている、パケット通信や音声通話の接続率も、改めてグラフで解説。ヤフーが提供する「防災速報」とAgoopの「ラーメンチェッカー」がインストールされた各社の800MHz帯もしくは900MHz帯に対応したスマートフォン計10万8000台(内訳はソフトバンク 3万6000台、NTTドコモ 3万6000台、KDDI 3万6000台を無作為に抽出)のデータを個別に分析して統計処理した「パケット通信の接続率」でソフトバンクがトップであること、スマートフォンを利用するモニター1万4100人(内訳はソフトバンク 約5700人、NTTドコモ 約4000人、KDDI 約4400人)に対し、実際に発呼して接続率を測定した結果もソフトバンクがトップだったことを示した。
孫氏は「毎日、コンスタントにあらゆる局面に置いてよりつながることが確認できた」と力説し、「ソフトバンクはつながりにくい」というイメージはもはや過去のものであると認識を示した。
多くのiPhone 5ユーザーが関心を示す“LTEエリアの差”については、ソフトバンクモバイルがKDDIを圧倒していると言わんばかりに「エリアマップ」を作成して図示。通信を始めてからダウンロード開始までの時間が0.1秒未満の通信ログをLTE相当と定義し、調査の結果を地図にプロットしてソフトバンクのLTEエリアの広さを強調した。3月21日に開始した、iPhone 5など「SoftBank 4G LTE」対応機種でイー・アクセスのLTEネットワークを併用する「ダブルLTE」は、4月初旬に山手線圏内のカバーを完了。パケット接続率が大きく改善しているとする。
Sprintの買収に自信 Dishの提案に対するアドバンテージを提示
決算説明会のあと、急遽開催されたSprint Nextel買収についての説明会では、米国で衛星放送サービスを展開するDish Networkが、ソフトバンクに対抗して提示したSprint買収提案に対し、ソフトバンクの提案の優位性を説明。当初の条件は変更する予定はなく、諸条件を勘案すれば依然としてソフトバンクが優位であることを強調し、買収の成功に自信を見せた。
関連キーワード
ソフトバンク | LTE(Long Term Evolution) | 決算 | ソフトバンクモバイル | 契約数 | iPhone 5 | ウィルコム | 基地局 | スマートフォン | 孫正義 | Sprint Nextel | ネットワーク | モバイルインターネット | SoftBank 4G | ガンホー・オンライン・エンターテイメント | プラチナバンド
関連記事
- “小セル化”でパケ詰まりを解消、接続率1位は「偶然ではなく必然」――ソフトバンク孫氏
1月末の決算会見で携帯電話の通話接続率1位を明らかにしたソフトバンクモバイル。通信網の小セル化でパケット通信の接続率も向上し、他キャリアと首位を争うまで品質が改善したという。 - ソフトバンク、「ダブルLTE」開始 iPhone 5などでイー・アクセスLTE利用可能に
ソフトバンクモバイルは3月21日、iPhone 5など「SoftBank 4G LTE」対応機種でイー・アクセスのLTEネットワークが利用可能になる「ダブルLTE」を始めた。 - 「ソフトバンク グランフロント大阪」がオープン、開店記念キャンペーンも実施
リラックスできる空間に、最先端のスマートフォンやサービスを――。ソフトバンクモバイルが、関西初の旗艦店「ソフトバンク グランフロント大阪」を4月26に開店する。超大型サイネージやデジタルポスターなど新しい取り組みも導入する。 - 「ぜひ検証して」 電波改善成果に自信を見せるソフトバンク
「少なくても、圧倒的に負けているという状態は脱したようだ」――ソフトバンクの孫社長が、決算会見で同社の電波改善の成果をアピール。速度調査の結果などを紹介し、“速度”と“接続率”で他社との大きな差は無くなっているとの見方を示した。 - ユーザーが「つながりやすくて通信が速くなった」と“実感”しているキャリアは?
MMD研究所は、3キャリアのユーザーに対して行った「つながりやすさ」「通信速度」の満足度や利用しているモバイルOSのシェアなどを調査した結果を公開した。 - 3キャリアのLTEをAndroidとiPhone5で比較、平均速度もつながりやすさもなんとあそこに軍配が
MMD研究所は、全国主要都市におけるスマートフォンのキャリア別通信速度比較調査の結果を公開した。2012年11月に続く調査で今回は全国21都市100カ所で測定した。 - LTEモバイルルーターの全国速度調査、下りはソフトバンク、上りはauに軍配
ICT総研が、全国でモバイルルーターの速度調査を実施。下り速度はソフトバンクが最速だった。auは下りでソフトバンクに肉薄しつつ、上りで他を一回りリード。ドコモは苦戦したが、下り最大100Mbpsエリアでは良好な結果に。 - 地下鉄ホームでLTEを快適に使えるのはどのキャリア?――MMD研究所調べ
MMD研究所が、全国6都市34路線615駅の地下鉄ホームで、モバイル3キャリアのLTE速度調査を実施。LTEの捕捉状況はiPhone、Android端末ともにauがトップとなった。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.