ドコモ、LTE対応の小型基地局装置を6月から運用
ドコモが6月から、LTE対応の小型基地局装置の運用を行っている。従来のLTE基地局と比べ、大きさは10%以下、重さは20%以下、消費電力は25%以下を実現し、よりきめ細やかなエリア展開を目指す。
NTTドコモが6月20日、LTEに対応した小型基地局装置を発表。6月から運用している。
小型基地局装置は、商用ネットワークで使用しているリモート設置型LTE基地局の親局に当たるもの。親局は基地局制御部、子局は電波の送受信機能を持つ。最大2つの子局と接続できる小型基地局装置は、複数の周波数帯を用いて通信エリアを重ねて構築することで、設置環境や通信トラフィックに合わせて効率よくエリアを構築できるという。
小型基地局装置は、下り最大75Mbps/上り最大25MbpsのLTEと、下り最大14Mbps/上り最大384KbpsのW-CDMAの通信に対応する(従来のLTE基地局は下り最大150Mbps/上り最大50Mbps)。
小型基地局装置の大きさは約29リットル、重さは約24キロ、消費電力は280ワット以下。従来のLTE基地局装置(それぞれ約410リットル、120キロ以下、1200ワット以下)と比べて、大きさは10%以下、重さは20%以下、消費電力は25%以下であり、大幅な小型化、軽量化、省電力化を実現した。
屋外設置にも対応した小型筐体を取り入れたことで、子局との接続性も改善された。親局と子局が離れすぎて接続できない山間部などでの、エリア拡大や通信品質向上が期待される。
ドコモのLTE基地局数は、2013年3月時点で2万4400局だが、小型基地局装置を含め、2013年度末までに5万局のLTE基地局を展開する予定。また、同社はLTEのきめ細やかな展開に向けて、今回の小型基地局装置を含め、通信トラフィック量やエリアに応じて、さまざまなタイプの基地局を用意するとしている。
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