auファブレット3機種レビュー(第1回)――基本スペックや持ちやすさを比較する:最新スマートフォン徹底比較(2013冬-2014春モデル編)(2/2 ページ)
auの2014年春モデルの中で、ひときわ目を引くのが、6インチ以上のディスプレイを搭載した“ファブレット”の「G Flex LGL23」と「Xperia Z Ultra」だ。実際の使い勝手や性能はどれほどか。5.7インチの「GALAXY Note 3」も交えて比較していく。
ディスプレイ:鮮やかに表示できるのは?
ディスプレイ解像度は、GALAXY Note 3とXperia Z UltraはフルHD(1080×1920ピクセル)で、G FlexのみがHD(720×1280ピクセル)だが、実際に使ってみると、フルHDとHDでそれほど大きな差は体感しなかった。ただ、スペック面で見劣りしている点が、一般ユーザーがどう受け止めるのかは気になるところだ。
G Flexの有機ELは、サブピクセルが赤緑または青緑のペンタイル方式ではなく、赤緑青が並ぶストライプ方式を採用しており、明るく、自然な色を再現できるという。確かに画面はナチュラルな印象だが、輝度を暗くすると、全体的に色がにじんでしまい、違和感を覚える。輝度を80%ほどに上げるとキレイに表示できた。
同じ写真を表示させ、3機種ともディスプレイを最大輝度にして並べてみた。視野角は有機ELのG FlexとGALAXY Note 3が優れているが、Xperia Z Ultraも負けていない。Xperia Z1のように斜めから見ると色が白飛びするようなことはなかった。
同じく最大輝度にして、ほかの静止画と、YouTubeのHD動画を表示して並べてみた。Xperia Z Ultraは、失われた画素を復元する高画質エンジン「X-Reality for mobile」を備えており、写真や動画をより鮮明に表示してくれる。画像を拡大してよく見比べると、確かにXperia Z Ultraの方が鮮明だが、スマホのディスプレイをパッと見て明らかにXperia Z Ultraの方が鮮やか……とまでは感じなかった。
左からG Flex、GALAXY Note 3、Xperia Z Ultra。YouTubeのHD動画を表示。猫の向かって左側のヒゲを見ると、Xperia Z Ultraが特に鮮明に表示できているが、全般的に、それほど大きな差は感じなかった
1画面に表示できる情報量は、6.4インチという最も大きなディスプレイを搭載しているXperia Z Ultraがやはり多い。下の写真では、Xperia Z Ultraの文字サイズが若干小さいが、無理なく多くの情報を表示できていることが分かる。
バッテリー、メモリ、フルセグなどをチェック
バッテリーはこれだけのサイズということもあり、3機種とも3000mAh以上を搭載している。最も大きいのはG Flexの3500mAhで、3200mAhのGALAXY Note 3、3000mAhのXperia Z Ultraが続く。バッテリー容量はXperia Z Ultraが最小だが、連続通話時間と連続待受時間は最長となっている。実際のスタミナについては、後編でじっくりレビューする予定だ。なお、GALAXY Note 3のみバッテリーを取り外して交換ができる。
内蔵ストレージは3機種とも32Gバイトだが、RAMはGALAXY Note 3のみが3Gバイトで一歩リードしている。外部メモリは3機種とも利用できるが、G FlexはmicroSDスロットを搭載しておらず、microSDのデータを読み書きするには、付属のmicroSDリーダーライターの接続が必要になる。
防水性能はXperia Z Ultraのみがサポートしており、ここは大きな強みといえる。おサイフケータイ(FeliCa)とNFCは3機種とも対応している。
G FlexとXperia Z Ultraはフルセグをサポートしているが、フルセグの録画には対応していない。また、Xperia Z Ultraはフルセグ/ワンセグを視聴するには、同梱のアンテナを装着する必要があるので、“お風呂テレビ”は難しそうだ。G Flexはテレビ用のアンテナを内蔵しており、アンテナを伸ばすと良好な受信感度でテレビを視聴できる。
GALAXY Note 3(上)のワンセグとG Flex(中)、Xperia Z Ultra(下)のフルセグを比較。ワンセグの画質はさすがに粗い。G FlexはHDディスプレイだが、Xperia Z Ultraと比べて特に粗いとは感じなかった
卓上ホルダを利用できるのはXperia Z Ultraのみだが、Micro USB端子はカバー付きなので、Micro USBケーブルから充電をするときに少々手間がかかる。G FlexとGALAXY Note 3のMicro USB端子はキャップレスなのでスムーズに充電できるが、卓上ホルダは用意されていない。
G FlexとGALAXY Note 3はMicro USB端子がキャップレスとなっている。なお、GALAXY Note 3はUSB3.0に対応している。USB2.0のケーブルを使うときは、右側の端子に接続する必要がある
防水や卓上ホルダに加え、データ交換可能な赤外線通信に対応しているのはXperia Z Ultraのみ。「できること」が最も多いのはXperia Z Ultraといえそうだ。
関連キーワード
Xperia Z Ultra SOL24 | G Flex LGL23 | GALAXY Note 3 SCL22 | Micro USB | ワンセグ | バッテリー | 卓上ホルダ | フルHD | 有機EL | 防水 | YouTube | お風呂テレビ | 赤外線通信 | NFC(Near Field Communication) | おサイフケータイ | USB 3.0 | X-Reality
関連記事
- 4K動画の撮影も:曲面ディスプレイを搭載した6インチスマホ――「G Flex LGL23」
auの「G Flex LGL23」は6インチの曲面ディスプレイを搭載したLG製スマートフォン。ディスプレイがカーブしていることで臨場感ある動画再生時を実現するほか、操作性の向上も目指したとしている。 - 曲がってる理由はサイズにアリ:auの変化球は“カーブ”でした 写真で解説する「G Flex LGL23」
春商戦を控えたスマートフォン市場にauが投じた“カーブ”という変化球。国内初の曲面ディスプレイ搭載ファブレット「G Flex」は、ユーザーの心を仕留める決め球になるのか。それとも……。 - 6インチの曲面ディスプレイを搭載――写真で見る「G Flex」
LGエレクトロニクスが6インチの曲面ディスプレイを搭載した「G Flex」を国内で披露した。ボディがカーブしていることによる、通話と操作のしやすさ、横画面での高い臨場感などが特徴だ。 - 「GALAXY Gear」も発売:ペン操作がもっと簡単にもっと多彩に──「GALAXY Note 3 SCL22」
KDDIは、2013年冬モデルとしてauでは初となるGALAXY Noteシリーズ「GALAXY Note 3 SCL22」を発表した。「Sペン」を操作用デバイスとしてさらに活用できるようになった。 - 「緊急時長持ちモード」搭載:写真で解説する「GALAXY Note 3 SC-01F」
ドコモが10月17日に発売するSamsung電子の「GALAXY Note 3 SC-01F」は、約5.7インチのフルHDディスプレイ搭載のスマートフォンだ。専用のタッチペン「Sペン」の使い勝手を向上させた。 - やってわかったことがいくつか:GALAXY Note 3の性能をベンチマークテストで検証する
操作機能の進化を強く訴求するGALAXY Note 3は、Snapdrgon 800シリーズの採用などハードウェアも進化した。その実力をベンチマークテストで試してみる。 - 見た目だけでいいのかい?:GALAXY Note 3の背面温度を測定する
軽く薄くがユーザーが求めるスマートフォンの理想像だ。快適に使える高いパフォーマンスは当然。しかし、その理想が限界に近づいていることを知っているだろうか。 - KDDIから登場――6.5ミリのボディに6.4インチ液晶搭載の「Xperia Z Ultra SOL24」
薄型ボディに大きなディスプレイを搭載したスマートフォン「Xperia Z Ultra」が、1月25日にKDDIから発売される。6.5ミリのボディに6.4インチのフルHDディスプレイを搭載し、手書きメモやスケッチにも活用できる。 - 写真で解説する「Xperia Z Ultra SOL24」(外観編)
1月25日にKDDIから発売される「Xperia Z Ultra SOL24」は、6.5ミリのボディと6.4インチの画面サイズが大きな特徴だ。持ちやすさはどうか? 外観の秘密は? Xperia Z1やZ Ultra Wi-Fi版とのスペックの違いは? といった点をリポートする。 - 写真で解説する「Xperia Z Ultra SOL24」(ソフトウェア編)
1月25日に発売された「Xperia Z Ultra SOL24」のソフトウェアは、基本的にXperia Z1と共通しているが、ホーム画面やカメラなど、主な見どころをチェックしていこう。 - 「Xperia Z Ultra SOL24」の“ここ”が知りたい 第2回:専用スタイラスの使い心地は? 「スケッチ」アプリで何ができる?――「Xperia Z Ultra SOL24」
6.4インチディスプレイを搭載する「Xperia Z Ultra」は、小型のノートとしても活用できる。今回はZ Ultra専用スタイラスや、手書き入力に特化した「スケッチ」アプリの使い勝手を試した。 - 「Xperia Z Ultra SOL24」の“ここ”が知りたい 第1回:持ちやすさはどう? ポケットには入る?――「Xperia Z Ultra SOL24」
6.4インチのフルHDディスプレイを搭載する「Xperia Z Ultra SOL24」は、これまでとは違ったサイズを特徴とするスマートフォン(ファブレット)だ。実際の使い心地はどんな感じなのだろうか? - スマホ4機種、タブレット1機種:KDDI、auの2014年春モデル5機種を発表――世界最薄ファブレット「Xperia Z Ultra」と曲面ディスプレイの「G Flex」など
KDDIはauの2014年春モデル5機種を発表した。国内販売が待たれていた「Xperia Z Ultra」や曲面ディスプレイを搭載した「G Flex」など、スマートフォン4機種とタブレット1機種を投入する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.