Firefox OSスマホ「Flame」の外観をチェック&SIMカードを設定してみた(2/2 ページ)
開発者向けのFirefox OS搭載スマートフォン「Flame」が発売された。さっそく実機を入手したので、開封して外観をチェックしてみた。また、SIMカードのAPNを設定したのに通信できない場合の対処法も紹介する。
FlameにプリインストールされているOSはv1.3で、海外で既に一般向けに発売されているものの最新版のOSが搭載されている。筆者としては早く最新の開発版であるv2.1 pre releaseを独自ビルドして入れてみたいところだが、ここはレビューのためにぐっと我慢することにする。動きは軽快でサクサク動くものの、やはり日本語入力ができないのは痛い。また、端末自体にしてもソフトウェアにしても一昔前のAndroid端末のようだ。
そして問題は通信だ。最近は各社からMVNOの格安SIMが出回っているが、OSの問題でAPNの設定が一部のSIMで保存されない。これに暫定的に対処したパッチが公開されているので、格安SIMで通信を行うための作業を紹介したいと思う。なお、FlameはLTEはサポートしておらず、GSMの850/900/1800/1900MHz帯とUMTS(W-CDMA)の850/900/1900/2100MHz帯を利用できる。
まず必要になるのがMacかLinux環境とAndroid SDKだ。そして、こちらからパッチをダウンロードする。ダウンロードが終了したら、adbサーバを管理者権限で起動させる。やり方としては、「sudo adb kill-server」をたたいた後、「sudo adb start-server」とする。
Flame側では「Settings」アプリを起動して「Device information」をタップ、「More Information」を選択。さらに「Developer」を選択して、「Remote Debugging」にチェックを入れる。そして、FlameとPCをUSBで接続し、PC上でターミナルを起動して「adb devices」を実行。デバイスが認識されていることを確認する。
デバイスが認識されていれば、ダウンロードしたファイルを展開し、ターミナル上で「chmod 755 patch-apn.sh」と入力してシェルスクリプトに実行権限を与える。それが終われば「./patch-apn.sh」と入力する。
問題なくパッチ当てが終了したら、Settingsアプリを再起動するか、端末自体を再起動し、またSettingsアプリの「Cellular & Data」からSIMが入ってるスロットを選択し、「Data setting」を選択する。あらかたの格安SIMの情報はプリセットされているはずなので、自分が使っているSIMを選択し、右上のOKボタンを押せば通信ができるようになるはずだ。
自分が使っているSIMがプリセットで表示されない場合は、独自にAPNを設定することで利用可能になる。ここで注意したいのが、SMS非対応のSIMの場合、通知バーのピクトアイコンが接続先を探しているままに見えるが、実際に通信を始めるときちんと動作するので安心してほしい。
このような手間がかかるのも開発者向けリファレンス端末を利用する上では楽しみの1つではあるが、AndroidのNexusシリーズのような、実用上全く問題ないリファレンス端末とは一線を画する。何はともあれ、手に入れた方はぜひいろいろといじって楽しんでいただきたい。
著者プロフィール:工藤友資
プログラマー、会社経営、ライターを兼業。人工知能の研究開発をライフワークとしている。Webサービス「BlogPet」を企画開発。2004年「BlogPet」にて「Internet magazine」のウェブサービスアワード ブログ関連サービス部門で最優秀賞を受賞。ガジェットオタクにしてマイナーOSマニア。
関連記事
- 動画で見るFirefox OSスマホ「Flame」
Firefox OSスマートフォン「Flame」の外観やソフトウェアを動画でお届けしよう。 - Firefox OSスマホ「Flame」の技適マークに誤り 製品回収へ
開発者向けのFirefox OS搭載スマホ「Flame」の技適マークの表示に誤りがあったことが判明。メーカーのT2Mobileが製品を回収する。 - Firefox OSスマホ「Flame」、8月5日12時からオンライン販売再開
Firefox OSを搭載した開発者向けスマートフォン「Flame」の販売が、8月5日に再開される。 - Firefox OSスマホ「Flame」、発売から50分で在庫切れに――販売サイトでトラブルも
開発者向けのFirefox OS搭載スマートフォン「Flame」が、販売開始から1時間もたたないうちに在庫切れとなっている。次回入荷は? - Firefox OS搭載の開発者向けスマホ「Flame」、7月28日に国内発売 税込1万9980円
Firefox OSを搭載した開発者向けのスマートフォン「Flame」が、7月28日からYahoo!ショッピングOSSストアにて販売される。価格は税込で1万9980円(送料無料)。 - 一般ユーザーの手に届く日は近い?:Mozilla、Firefox OSの開発者向け端末「Flame」を7月に国内発売
iOS、Androidに続く第三の携帯情報端末向けOSとして期待を集めているFirefox OS。日本でも7月に開発者向け端末の販売が始まる。一般ユーザー向け端末の発売につながるだろうか。 - Firefox OSの開発用端末「Flame」、近く国内販売へ
「Firefox OS」開発者向けのリファレンス端末「Flame」が近く日本国内で発売される。 - Mobile Asia Expo 2014:“ウルトラローコスト”が世界を変える――MozillaのCOOが「Firefox OS」のビジョンを語る
インドに25ドルのFirefox OSスマートフォンの投入を発表するなど、モバイル戦略の拡大を勧めているMozilla。今後はどのようなビジョンでFirefox OSを展開していくのか? COOのリー・コン氏が語った。 - Firefox OS端末が日本で年度内に発売されないであろう5つの理由
“第3のOS”として注目を集めている「Firefox OS」。日本ではKDDIが2014年度中にFirefox OS搭載の端末を発売する予定だが、筆者は難しいと考えている。その理由は……。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.