格安SIM利用者が、購入時に参考にした情報は?:SIM通
MMD研究所は、「格安SIMに関する利用動向調査」の結果を発表した。「購入のきっかけ」「それまで利用していた回線をどうしたか」など、気になった項目について紹介します。
MMD研究所は7月21日、「格安SIMに関する利用動向調査」の結果を発表しました。調査対象は20歳以上の男女1,064人で、2014年12月〜2015年4月に格安SIMを利用していると回答したユーザーへの追跡調査第二弾となります。
調査内容は、「購入のきっかけ」「購入の決め手」「それまで利用していた回線をどうしたか」などの購入実態について。調査結果で気になった項目について紹介します。
購買のきっかけはWeb記事が約4割!ネットで情報を集めている
「格安SIM利用者の購買のきっかけになった情報」について「Web記事」と答えたのが39.8%、次いで「Web広告」が28.7%となっています。格安SIMを利用している多くの人が、Webでの情報が購入のきっかけになったということになります。「格安SIMに興味を持ったきっかけになった情報」についても同様の結果に。格安SIMを選択する人は、日常からWebに親しんでいるという見方もできますね。
契約プラン別に見てみると、データ通信プランを選択している人の約半数(45.7%)がWeb記事を重要視していることが分かりました。注目は「テレビCM」が音声通話+データ通信プラン利用者に影響(26.7%)を及ぼしていた点です。音声通話+データ通信プランの利用者層はテレビ以外にもいわゆるマスメディアによる情報接触が大きく、データ通信プランのみの利用者層と情報接触において異なるという性質が見えてきます。
格安SIM購入のタイミングは?
これから格安SIMを購入しようとしている人が気になることの1つに、買い替えのタイミングがあるかと思います。キャリア契約の場合ですと、いわゆる「2年縛り」というものが更新される時期を狙っている人が多いですが、格安SIMを契約した人たちはどうしたのでしょうか?
結果は「既存回線は解約せず、増線した」というものが35.6%と最も多く、次いで「考慮して更新のタイミングでMNPを行った」が22.3%と、13.3ポイントもの開きが見られます。契約プラン別の結果を見るとこの理由が見えてきます。
データ通信プランの利用者584名のうち、その半数以上にあたる53.3%の人が「既存回線は解約せず、増設した」ということになります。契約した格安SIMをサブ機やタブレット、モバイルWi-Fiルーター用に利用しているのではという推測ができます。
音声通話+データ通信プラン利用者は、やはりこれまで使っていた番号をそのまま利用したいということもあり、「考慮して更新のタイミングでMNPを行った」が36.6%、「考慮せず違約金を払って、MNPを行った」が24.6%という結果で、データ通信プラン利用者と異なる傾向を示しています。
「考慮せず違約金を払って……」と、表中にはありますが、これは残債や違約金を支払ってでも、格安SIMに変更したほうがメリットがあると判断したとも言えます。というのも、次の更新までに3ヶ月以上ある場合、端末の残債と違約金の合計額を、格安SIMでお得になる金額が上回るケースが多々あるためです。そのため「違約金込みでも(格安SIMの方が)安くなるので、契約更新時期を待たなかった」という利用者も居たのではないかと推測できます。
格安SIMを契約する時、じつは不安や苦労はそんなにない?
最後に「格安SIM契約時に苦労したこと・不安に思った点」という設問に対し、最も多かった回答は「特にない」が36.2%。次いで「通信速度」19.7%、「サービスが分かりにくい」19.5%となっています。
この結果にはとても驚かされましたが、これは最初に紹介した「格安SIMの購買のきっかけになった情報」という設問で、1位だった「Web記事」39.8%に非常に近い数値。現在のところ、格安SIMを購入する人にとって、私たち専門メディアが担っている役割というのが大きいということでしょうか。嬉しい反面、責任の大きさも感じました。
(文:SIM通編集部)
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