2015年前半の要注目SIMフリースマホを徹底比較――基本スペック&持ちやすさ編:最新スマートフォン徹底比較(1/4 ページ)
2015年前半に発売されたLTE対応のスマートフォン6機種を比較していく。前編では、基本的なスペックや各機種の特徴、スペック表では読み取れない画面の視認性や持ちやすさをチェックした。
MVNO(仮想移動体通信事業者)が提供する格安SIMサービスは、2014年後半から2015年前半にかけて、SIMロック解除の義務化やヨドバシカメラやビックカメラといった大手量販店の本格的な取り扱いが始まったことに加え、イオンスマホや楽天モバイルといった他業種からの本格的な参入が増えてきた。
この流れのなか、一般の利用者がSIMカード契約と一緒に購入できるSIMロックフリースマートフォンへの需要が創出され、これまでSIMロックフリースマートフォンを日本向けに販売してきたASUSやHuaweiなどに加えて、国内メーカーからも複数のスマートフォンが販売され始めた。
結果、量販店の店頭や各MVNO事業者の販売ラインアップには、キャリアが販売するモデルに匹敵するハイエンドモデルや、低価格で高性能な高コストパフォーマンスモデルはもちろん、高画質カメラや防水などの付加価値で勝負する端末も並ぶようになってきた。結果、利用者の選択肢は大きく広がりつつある。
今回は、2015年前半に発売されたLTE対応かつ注目度の高いSIMロックフリースマートフォンのスペックや性能を比較していく。取り上げるのはASUSの「ZenFone 2」、Huaweiの「honor6 Plus」と「HUAWEI P8lite(以下、P8lite)」、NTTレゾナントの「g03(ZTE Blade S)」、京セラの「S301」、ソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia J1 Compact」だ。前編では、基本的なスペックや各機種の特徴、スペック表では読み取れない画面の視認性や持ちやすさについてチェックした。
まずは各機種の簡単な特徴を紹介していく。なお、本稿で紹介している価格はいずれも税別。
ZenFone 2:3万円台で買える5.5型フルHDの高コスパモデル
ASUSが2014年に投入した「ZenFone 5」は、低価格かつ十分な性能の高コストパフォーマンスで人気モデルとなった。後継のZenFone 2は5.5型フルHD(1080×1920ピクセル)ディスプレイと1300万画素カメラを搭載する、3万円台後半からの進化版だ。
ラインアップはIntel製プロセッサにメインメモリを4Gバイト搭載した上位モデルと、メインメモリ2Gバイトの下位モデルを用意。ストレージ容量の違いを合わせて最大5モデルとなる。「ATOK」のプリインストールや、「Quick Charge 2.0」互換の急速充電対応など、細かい機能も充実している。
ココが○
- フルHD+1300万画素カメラで3万円台
- CPUもGPUも高速なIntel製プロセッサ
- Quick Charge 2.0互換の急速充電対応
ココが×
- 待受け時間がやや短い
- センサーキーが光らず、暗い場所ではやや見にくい
- ハイエンドだが質感はあまり高くない
honor6 Plus:ダブルレンズの高画質カメラと高画質液晶が魅力
800万画素カメラを2つ搭載し、一眼デジカメふうのボカしを生かした写真を撮影可能。インカメラも800万画素で高画質。ディスプレイにはジャパンディスプレイ製IPS-NEO方式の、高画質な5.5型フルHD(1080×1920ピクセル)液晶を採用。カメラとディスプレイの表示画質にこだわったモデルだ。
プロセッサにはHiSilicon製の8コア(1.8GHz+1.3GHz)を採用し、メインメモリも3Gバイト搭載と処理性能も高い。バッテリーも3600mAhと、今回比較した6機種の中では最大容量だ。単体での販売はHuaweiのネット通販「Vモール」限定となる。楽天モバイルのSIM契約とセットでも購入可能だ。
ココが○
- 一眼デジタルふう撮影が可能なダブルレンズカメラ
- 発色のいいジャパンディスプレイ製IPS-NEO液晶
- 長時間の撮影にも便利な
3600mAh大容量バッテリー
ココが×
- 急速充電には対応していない
- 800MHz帯のLTEに対応していない
- 背面パネルが強化ガラスではない
P8lite:3万円台前半で8コアCPUと1300万画素カメラを搭載
Huawei製の最新SIMロックフリースマートフォン。3万円台前半という低価格ながら8コアプロセッサや1300万画素カメラを搭載し、コストパフォーマンスに優れたモデルとなっている。
5型のHD(720×1280ピクセル)液晶はタッチ操作への反応がよく、厚さ7.7ミリ、重量131グラムと薄型軽量だ。内蔵スピーカーは薄型ボディにもかかわらず音割れが少なく、高音から低音までバランスの取れた音を再生できる。
ココが○
- 高速かつ省電力な8コアプロセッサを搭載
- ビューティ撮影など自撮り機能が充実
- 低価格ながら1300万画素カメラを搭載
ココが×
- 本体を片手でしっかり握りにくい
- Wi-Fiの5GHz帯に非対応
- USBホスト機能に非対応
g03(ZTE Blade S):激戦区の3万円台に挑戦する8コア高音質モデル
NTTレゾナントが販売する、gooブランドを冠する「gooのスマホ」最上位モデル。NTTコミュニケーションズの「NTTコムストア」でOCN モバイル ONEのSIMとセットで販売するほか、ヨドバシカメラやビックカメラなどでも販売されている。
P8liteと同価格帯で5型HD表示(720×1280ピクセル)液晶に1300万画素カメラ、Qualcomm製の8コアプロセッサ搭載などスペックもかなり近い。Wi-Fiは5GHzのIEEE802.11acにも対応。ヘッドフォンのオーディオ出力用に旭化成エレクトロニクス社のオーディオDAC「AK4375A」を搭載する。
ココが○
- ハードキーを搭載し画面の表示範囲が広い
- 本体側面に丸みがあり片手で持ちやすい
- ヘッドフォンの音楽再生はノイズが少なくクリア
ココが×
- タスク切り替えをワンタッチで呼び出せない
- 背面パネルに上質さを感じられない
- 暗所撮影時のノイズがやや多い
S301:低価格で使いやすい防水・防じん・耐衝撃モデル
イオンの「イオンスマホ」にて2万9800円で販売されている、防水・防じん・耐衝撃対応の5型ディスプレイ搭載スマートフォン。
京セラ製スマートフォンの特徴である、大きい文字や見やすいアイコンを採用したメニュー画面や、ケータイユーザー向けのシンプルなホーム画面も搭載。アウトドア性能だけでなく、シンプルで使いやすいスマートフォンを求める層にも向いた端末だ。
ココが○
- 防水、防塵に加えて耐衝撃にも対応
- 文字やアイコンが見やすい
かんたんメニューも搭載 - 本体だけで留守電を利用できる伝言メモを搭載
ココが×
- 解像度が540×960ピクセルと低い
- 本体サイズが厚くやや握りにくい
- 同価格帯のなかでは操作への反応がやや遅い
Xperia J1 Compact:おサイフケータイにも対応した小型スマホ
イオンの「イオンスマホ」やフュージョン・コミュニケーションズの「楽天モバイル」でおもにSIMの契約とセットで販売されている4.3型ディスプレイのコンパクトなスマートフォン。
デザインと性能は、以前ドコモから販売されていた「Xperia A2」に近い端末で、2070万画素カメラやおサイフケータイに対応する。ただし、おサイフケータイは対応サービスが限られている点は注意が必要だ。特に(現時点で)モバイルSuicaを利用できないのは残念なところ。
デザインはXperiaシリーズを踏襲したもので質感が高く、ホーム画面やPOBox Plusの日本語入力もほぼ同じものを搭載。以前にXperiaを使ったことがある人ならすぐに使いこなせる。防水・防じん機能や伝言メモといった日本メーカーならではの機能も搭載する。
ココが○
- 2070万画素の高感度カメラを搭載
- 片手親指だけで操作できるコンパクトボディ
- 防水(IPX5/8)、防塵機能(IP5X)に対応
ココが×
- 小型スマホとしては138グラムとやや重たい
- 実売価格が約6万円でコストパフォーマンスが微妙
- 現時点でモバイルSuicaを利用できない
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