2015年前半の要注目SIMフリースマホを徹底比較――基本スペック&持ちやすさ編:最新スマートフォン徹底比較(2/4 ページ)
2015年前半に発売されたLTE対応のスマートフォン6機種を比較していく。前編では、基本的なスペックや各機種の特徴、スペック表では読み取れない画面の視認性や持ちやすさをチェックした。
基本スペックをチェック
OSはZenFone 2、P8lite、g03の3モデルがAndroid 5.0を搭載。honor6 Plus、S301、Xperia J1 Compactの3モデルがAndroid 4.4を搭載する。Android 5.0にはマルチユーザーやSmart Lockなどいくつかの機能が追加されたほか、メニューのデザインもやや変更されている。だが、実際には各メーカーによって操作性はカスタムされているほか、5.0の追加機能でも搭載されていない場合がある。5.0の新機能を重要視している人は、実際の端末を確かめてから購入したほうがいいだろう。
価格:P8liteが最安、ZenFone 2の下位モデルも注目
価格は、P8liteが2万8600円と一番安く、5型のIPS液晶や1300万画素カメラ搭載とコストパフォーマンスも良好だ。また、S301は防水・防じん・耐衝撃モデルにも関わらず2万9800円と低価格で、アウトドア専用としても魅力的だ。
コストパフォーマンスでは、3万円台後半というZenFone 2のメモリ2Gモデルに注目。低〜中価格帯のモデルに数千円足すだけで、5.5イ型HD液晶と1300万画素カメラ、高速なCPUを搭載したハイエンドスマホが手に入る。楽天モバイルでSIMと一緒に購入すれば3万円台の16Gバイトモデルも選択可能だ。
厚さ7ミリ台が中心、コンパクトさでXperiaが際立つ
サイズは5.5型ディスプレイのZenFone 2が幅77.2ミリ、honor6 Plusが幅75.7ミリでひと回り大きく、基本的には両手での操作が前提となる。5型ディスプレイのP8lite、g03、S301の3モデルは幅71ミリ前後、4.3型ディスプレイのXperia J1 Compactは幅65ミリとさらに一回り小さい。
ZenFone 2は背面がカーブがかった形状で、最厚部の10.9ミリは、honor6 Plusの7.5ミリと比べてやや厚い。ただ、持った時の実際のサイズ感としては、ほぼ同等といっていいだろう。
P8liteとg03の厚さはほぼ同じ。耐衝撃に優れるS301が146グラム、10.8ミリと重たく厚い。また、Xperia J1 Compactも4.3型のコンパクトモデルながら138グラム、9.7ミリとサイズのわりに重たく厚みがある。
OS | 価格(税別) | 幅 | 高さ | 奥行き | 重量 | |
---|---|---|---|---|---|---|
ZenFone 2 | Android 5.0 | メモリ4Gバイトモデル 128Gバイト:5万6800円※1 64Gバイト:5万800円※1 32Gバイト:4万5800円※1 |
77.2 | 152.5 | 3.9〜10.9 | 170グラム |
メモリ2Gバイトモデル 32Gバイト:3万5800円※1 16Gバイト:3万2800円※2 |
||||||
honor6 Plus | Android 4.4.2 | 4万5800円※3 | 75.7 | 150 | 7.5 | 165グラム |
P8lite | Android 5.0 | 2万8600円※3 | 71 | 143 | 7.7 | 131グラム |
g03(ZTE Blade S) | Android 5.0.2 | 3万2800円※4 | 70.7 | 144 | 7.7 | 132グラム |
S301 | Android 4.4.4 | 2万9800円※5 | 73 | 144 | 10.8 | 146グラム |
Xperia J1 Compact | Android 4.4.4 | 5万4800円※5 | 65 | 128 | 9.7 | 138グラム |
※価格は2015年8月12日時点。※1:ASUS ZenFone Shop調べ。※2:楽天モバイルにてSIMの契約とセットで購入可能。※3:Vモール調べ。※4:ビックカメラ調べ。※5:イオン調べ。イオンの即日お渡し可能店舗にて端末のみ購入可能。 |
ディスプレイは見やすいIPS方式がほぼ標準に
ディスプレイの見やすさを重視するなら、画面サイズが大きく高解像度な5.5型のフルHD(1080×1920ピクセル)搭載モデルを選ぶことになる。今回の比較機種ではZenFone 2とhonor6 Plusの2機種が搭載している。なかでも、honor6 Plusはジャパンディスプレイ製のIPS-NEO方式という、液晶パネルの製造メーカーや方式で高画質をアピールしているだけあって、発色やコントラストの高さは現行のスマートフォンのなかでもトップクラスの品質だ。
このほか、Xperia J1 Compactの発色やコントラストも良好だ。P8lite、g03も十分な発色や見栄えを実現している。ただ、S301はほかの機種と見比べると文字などの繊細さが低く感じられた。
サイズ | 解像度 | 種類 | |
---|---|---|---|
ZenFone 2 | 5.5型 | 1080×1920ピクセル | TFT液晶(IPS方式) |
honor6 Plus | 5.5型 | 1080×1920ピクセル | TFT液晶(IPS-NEO方式) |
P8lite | 5型 | 720×1280ピクセル | TFT液晶(IPS方式) |
g03(ZTE Blade S) | 5型 | 720×1280ピクセル | TFT液晶(IPS方式) |
S301 | 5型 | 540×960ピクセル | TFT液晶 |
Xperia J1 Compact | 4.3型 | 720×1280ピクセル | TFT液晶(トリルミナスディスプレイ for mobile) |
視野角についてはIPS方式のZenFone 2、honor6 Plus、g03の3モデルと、Xperia J1 Compactが良好だ。斜めから見ても明るさや色の変化は少ない。ただ、P8liteはIPS方式ながらもかなり斜めから見ると画面がやや白っぽくなり視認性が落ちた。また、S301も斜めから見ると正面から見た時と比べて画面が暗くなったり白っぽくなるなど変化が大きかった。夏場のまぶしい日中屋外での視認性については、いずれのモデルも十分確保できていた。以下の写真もディスプレイは最大輝度で比較した。
カメラはXperiaが高画素、撮って楽しいhonor6 Plus
メインカメラの有効画素数では2070万画素のXperia J1 Compactがトップ。次いで1300万画素の横並びとなる。honor6 Plusも800万画素カメラを2つを使った1300万画素での撮影に対応している。また、honor6 Plusは2つのカメラを使って一眼デジカメふうに背景をぼかせるワイドアパーチャ撮影やブレのないHDR撮影など画素数とは異なる独自の魅力がある。
高感度撮影は、高感度センサーの裏面照射積層型CMOSを搭載したXperia J1 Compactが良好だが、honor6 Plusも2つのカメラの活用によってXperiaに匹敵する高感度撮影が可能だ。次いで、明るいF2.0のレンズを搭載したZenFone 2が、暗所でもはっきり撮影できた。
フォトライトは、色温度が異なる2つのLEDを搭載したものが増えつつある。照明が青白い部屋でも、飲食店のような電球色の部屋でも2種類のLEDを使って自然な色合いのフラッシュで撮影できるというものだ。今回比較した製品ではZenFone 2とhonor6 Plus、P8liteが搭載している。
メインカメラ | インカメラ | フォトライト | |
---|---|---|---|
ZenFone 2 | 有効約1300万画素 CMOS | 有効約500万画素 CMOS | ○(デュアルライト) |
honor6 Plus | 有効約800万画素 裏面照射型CMOS×2 | 有効約800万画素 裏面照射型CMOS | ○(デュアルライト) |
P8lite | 有効約1300万画素 裏面照射型CMOS | 有効約500万画素 裏面照射型CMOS | ○(デュアルライト) |
g03(ZTE Blade S) | 有効約1300万画素 裏面照射型CMOS | 有効約500万画素 CMOS | ○ |
S301 | 有効約500万画素 CMOS | 有効約200万画素 CMOS | ○ |
Xperia J1 Compact | 有効約2070万画素 裏面照射積層型CMOS | 有効約220万画素 裏面照射型CMOS | ○ |
インカメラの自撮りはhonor6 Plusが高画質&高感度
インカメラはhonor6 Plusの性能が飛び抜けており、800万画素、89度の広角レンズ、暗所での高感度性能のいずれもトップレベルだ。次点で、どの性能もhonor6 Plusと比べるとワンランク落ちるが、P8liteが使いやすかった。両機種とも肌や目の印象を変えるビューティ撮影、デイスプレイを照明代わりに一瞬明るくするフラッシュ撮影、カメラ下に目線合わせの子画面表示に対応しており、ソフト面でもかなりこだわっている。
このほか、インカメラの高感度性能ではZenFone 2とXperia J1 Compactが良好でg03が続く。S301は明るい場所でないと実用的な写真を撮れなかった。レンズの広角性能はZenFone 2が85度であり、honor6 Plusに次いで広い。
プロセッサはZenFone 2、honor6 Plus、Xperia J1 Compactがハイスペック
搭載するプロセッサは、端末によってIntel製やHiSilicon製、Qualcomm製とバラエティに富んでおり、さらに省電力化や高性能化を目的とした8コア(オクタコア)モデルもある。
ここまで製造メーカーやアーキテクチャ、コア数が異なるとスペック値だけでは性能を推測しにくいので、実際の性能に関しては後日掲載する記事のベンチマークを参照してもらいたい。
そのうえで大まかに分けると、ZenFone 2の上位モデルと下位モデル、honor6 Plus、Xperia J1 Compactがハイスペックモデルの部類に入る。次いで、P8liteとg03がミドルクラス、S301がローエンドといった具合だ。
とはいえ、S301のプロセッサも前回比較した人気モデルZenFone 5並みの性能がある。昔のAndroidスマートフォンと違って、メールやブラウジング、LINEやTwitterなどの利用についてはどのモデルも十分な性能があるといっていいだろう。
メインメモリはZenFone 2の上位モデルのみ4Gバイトだが、現時点ではAndroid OSが32ビット版のため実際には約3Gバイト前後のメモリしか利用できない。今後、64ビット版のAndroid OSが提供される予定となっており、更新後に4Gバイトすべてを利用可能になる。
バッテリーはいずれのモデルも内蔵式で交換はできない。なお、ZenFone 2のみQuick Charge 2.0互換の充電に対応しており、上位モデルの18W出力のACアダプターか、Quick Charge 2.0対応の充電器を用意すれば9V出力による高速な充電が可能だ。
プロセッサ | クロック周波数 | コア数 | メインメモリ | ストレージ | 外部メモリ | バッテリー容量 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ZenFone 2 | Intel Atom Z3580 | 2.33GHz | 4 | 4Gバイト※ | 32/64/128Gバイト | microSDXC(最大128Gバイト) | 3000mAh(内蔵型) |
Intel Atom Z3560 | 1.83GHz | 4 | 2Gバイト | 16/32Gバイト | microSDXC(最大128Gバイト) | 3000mAh(内蔵型) | |
honor6 Plus | HiSilicon Kirin 925 | 1.8GHz+1.3GHz | 8 | 3Gバイト | 32Gバイト | microSDXC(最大128Gバイト) | 3600mAh(内蔵型) |
P8lite | Hisilicon Kirin 620 | 1.2GHz | 8 | 2Gバイト | 16Gバイト | microSDHC(最大32Gバイト) | 2200mAh(内蔵型) |
g03(ZTE Blade S) | Qualcomm MSM8939 | 1.5GHz+1.0GHz | 8 | 2Gバイト | 16Gバイト | microSDHC(最大32Gバイト) | 2400mAh(内蔵型) |
S301 | Qualcomm MSM8916 | 1.2GHz | 4 | 1Gバイト | 8Gバイト | microSDHC(最大32Gバイト) | 2300mAh(内蔵型) |
Xperia J1 Compact | Qualcomm MSM8974 | 2.2GHz | 4 | 2Gバイト | 16Gバイト | microSDXC(最大128Gバイト) | 2300mAh(内蔵型) |
※8月4日時点では約3Gバイトまで利用可能。4Gバイトすべての利用は、後日予定されている64ビット版OSへの更新が必要。 |
防水・防じん対応モデルが登場、S301は耐衝撃も
梅雨や台風の時期はもちろん、自宅のバスルームやキッチンでの利用に便利な防水、防じん性能は、国内メーカー製のS301とXperia J1 Compactが対応している。
京セラのS301は同社がノウハウを持つ耐衝撃性能にも対応しており、アウトドアや海外の過酷な環境へ持ち込む用途にも向いている。Micro USB端子がキャップレスなので充電などの取り扱いも楽だ。
防水 | 防じん | 耐衝撃 | |
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S301 | IPX5/IPX7 | IP5X | MIL規格準拠 |
Xperia J1 Compact | IPX5/IPX8 | IP5X | − |
※IPX5 : 内径6.3mmのノズルで、約3mの距離から約12.5L/分の水を3分以上の噴流水を注水しても電話機性能を保つ。 ※IPX8:常温で、水道水の水深1.5mの水槽に電話機本体を沈め、約30分間放置しても内部に浸水せずに電話機性能を保つ。 ※IPX7 : 常温で、水道水の水深1mの水槽に電話機本体を沈め、約30分間放置しても内部に浸水せずに電話機性能を保つ。 ※IP5X:粒径75μm以下の塵埃が入った装置に8時間入れて撹拌して取り出しても安全に動作する。 ※MIL規格準拠:米国国防総省が制定したMIL-STD-810G Method 516.6:Shock-Procedure?に準拠。高さ1.22mから合板(ラワン材)に製品を26方向で落下させる試験を実施。 |
関連キーワード
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