より安心・便利なスマホ/タブレットを目指して――arrows2016年夏モデルの工夫:「arrows M02」の後継機は検討中(2/2 ページ)
「arrows SV F-03H」と「arrows Tab F-04H」は、富士通が携帯電話事業を分社化してから初めての新機種。従来機種での課題を踏まえ、よりユーザーにとって安心や便利を与えるべくさまざまな工夫を凝らしている。
家を1件借り上げて得た知見から生まれた「arrows Tab F-04H」
arrows Tab F-04Hは、ドコモ向けとしては約1年半ぶりの新モデル。開発にあたっては、家を1件借り上げて、家の中でどうタブレットが使われるかを徹底的に検証したという。
その結果、タブレットは手にもって使う場面が意外と少なく、壁などに立てかけて使うことが多いことが分かった。そこで、本体の左右側面と下面に「grip edge(グリップエッジ)」という滑り止めを用意し、立てかけたときの安定感を高めた。特に、キッチンや風呂場など、水で滑りやすいところで効果を発揮する。
また、立てかける場所がないテーブルでの利用を想定して、4段階に角度を調整可能なスタンドを同梱している。このスタンドは小型軽量で折りたたんでバッグに入れて持ち運ぶことも容易だ。ただし、このスタンドはあくまでも「試供品」で、ドコモの純正オプションとして販売される予定はない。
F-04Hは、Android標準のマルチユーザー機能に対応しており、管理者とゲストユーザーを含む計8人が、独立したデータ領域・アカウントを登録して利用できる。
Android標準のユーザーインタフェース(UI)ではロック画面からのユーザー切り替えに2ステップ必要だが、F-04Hではロック画面のUIにカスタマイズを加えることでロック画面からワンタッチでユーザー切り替えできるようになっている。これも使い勝手を考えたカスタマイズだ。
ユーザー認証には、虹彩認証「Iris Passport」を利用できる。他者受入率(他人の生体情報で認証を通過してしまう確率)は10万分の1で、指紋認証(1万分の1)よりもセキュアに使える上、最短0.6秒で認証を完了できる簡便さも備えている。
Iris Passportを搭載する「ARROWS NX F-04G」や「arrows NX F-02H」では1人分の虹彩しか登録できなかったが、F-04Hでは登録ユーザー全員の虹彩情報を登録可能だ。一部ドコモサービスのパスワードレス認証やプライバシーモードの解除にも使える。
SIMロックフリーの新モデルは「検討中」
前回(2015年冬モデル)の製品説明会では、メーカーブランドのSIMロックフリースマホ「arrows M02」が披露された。このモデルは、arrows Fitとベースを共有する兄弟モデルともいえる存在で、SIMロックフリーながらおサイフケータイ(モバイルFeliCa)が使えることから注目を集めた。
筆者は、今回の説明会でM02の後継機(arrows M03?)が披露されるのではないかと思っていたが、ドコモ向けの2機種以外の新たな発表はなかった。ただし、M02の後継機の「製品化に向けた検討は進めている」というコメントを関係者から得ることに成功した。
国産かつおサイフケータイを搭載するSIMロックフリースマホとして好調な売れ行きを示しているM02。その後継機種がどのような姿で登場するのか、期待したい。
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