目指すのは「家の中でも外でも、全部UQ」 好調「UQ mobile」の向かう先:MVNOに聞く(2/4 ページ)
UQコミュニケーションズの格安SIM「UQ mobile」が好調だ。当面の目標とする「90万契約」も見えてきた。そんなUQが夏商戦でテーマに掲げたのが「家族」。野坂社長に夏商戦や今後の戦略を聞いた。
ショップの数は追求しない
―― 家族で入ろうとすると、UQスポットのようなリアルな接点があると強そうですね。
野坂氏 今日時点(※取材は6月22日)で、ようやく73店舗目ができました。(ショップがあれば)確実に掛け算で計算できるようになりますからね。やはり(ショップには)根強いニーズがあり、ローカリティが必要なのは確かです。ただ、発表会でも申し上げたように、うちが(Y!mobileと同規模の)1000店舗にするかというと、それはありません。確かにY!mobileさんは1000店舗あるかもしれませんが、うちは相撲で例えると前頭です。横綱クラス、大関クラスがいて、前頭で1枚、2枚上がっているようなところですから。
―― では、その半分の500店舗程度というところでしょうか。
野坂氏 なかなか、経費もかかるし、難しいですね。数が読めてくれば、もう少し増やしたいという動きは出てくると思います。
―― auのサブブランドという視点で見ると、UQ mobileとJ:COM MOBILE、BIGLOBEはそれぞれ販路がうまく分かれている印象もあります。
野坂氏 それは、皆さんがあまりに言い過ぎるので、最近は本当に(KDDIと)コミュニケーションしづらくなってます(苦笑)。
―― KDDIから、もっとユーザーを増やせと言われるようなことはないのでしょうか。
野坂氏 そういうことは一切ないですね。
―― 夏商戦では、家族向けのオプションサービスもそろえてきました。ここで、auのサービスを販売するというようなことは考えなかったのでしょうか。
野坂氏 これも、自分たちで一生懸命考えたものです。安心安全はとても大切なので、「filii」を組み合わせたりもしました。付加価値が上がり、われわれにとってはARPUもプラスになるのがうれしいですね。なんとか経済圏でポイントを入れるというようなことは、今のところ考えていません。ちょっと前の携帯電話会社と同じように、今はID数を取ることが大事です。皆さんのおっしゃっているようなこと(auとのサービス連携)は、もう一歩先のような気がしますね。
iPhoneも人気だが、Y!mobileほどではない?
―― 春商戦の終わりごろというか、夏商戦の前というかに、iPhone SEを導入されました。この効果はいかがでしたでしょうか。
野坂氏 もちろん根強い人気があります。(Y!mobileの)寺尾さんは4割とおっしゃっていたようですが、うちは5で割ったようなところです。P10 lite、P9 lite、AQUOS、DIGNOとiPhoneの5つですね。家族を考えたとき、iPhoneがあり、中国メーカーがあり、こういう国産がありというのがいいのだと思います。
―― 秋の発表に比べ、ラインアップがより明確になって数が絞られた印象もあります。これは家族を意識したものなのでしょうか。
野坂氏 家族だからということではなく、やっているうちにこの辺になってきたという感じが強いですね。相手もあることなので狙い通りにいかないことはありますが、この辺の端末があれば営業としても戦えます。
個人的な経験で言うと、あまりにも数が多いと、わけが分からなくなってしまいます。京セラ、LG端末しかなかったつらい時期を思えば、今でも十分だと思います。
―― 国内メーカーの端末は、年齢層が高いなど、属性の違いはあるのでしょうか。
野坂氏 デモグラフィー(属性)については、きれいに分かれています。若いからiPhoneというわけではないとは思いますが、もともと持ちたかった若い人が、ようやく1980円、2980円になって持つことができたということはあるので、iPhoneは多少若者向きかもしれません。きれいに分散していて、極端にiPhoneだけが高かったり、京セラだけが高かったりということもありません。性別や年齢は、きれいに分かれています。
―― 端末について、秋の発表会では一気に数が増えましたが、今回はP10 liteを入れても3機種です。今後は、どうされていくのでしょうか。
野坂氏 あのときは、一気にキャッチアップするという意味もあり、(数を多く)出しました。ここでそろえなければ、しょうがないというのがありましたからね。あそこが出発点で、やめたものや追加したものがあり、合計で10機種ぐらいが並んでいるという状況です。今後も入れ替えをして、10機種ぐらいを残す形にしていきます。
―― MVNOの他社とは少々違ったラインアップになっているように見えます。
野坂氏 そういう意味だと、ASUSさんの端末もありますが、(他社と比べて)思ったほど数はないかもしれません。
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