デジタル一眼レンズの楽しみ
第9回 大口径ズームで撮る日本の最北端――タムロン「SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD」(1/2 ページ)
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手ブレ補正の安心感と明るいF値の魅力
タムロン「SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD」(Model A007)は、フルサイズのデジタル一眼レフに対応した標準ズームレンズです。24~70ミリという使用頻度の高い焦点距離をカバーしつつ、開放値はズーム全域でF2.8を実現。さらに、純正のフルサイズ用大口径ズームがいまだ実現できていない光学手ブレ補正を備える点も、独自の魅力になっています。
外装は簡易防滴構造の頑丈な作り。レンズの重量は825グラム。手に取るとずっしりとした重みを感じますが、フルサイズ対応の大口径ズームで、手ブレ補正機構「VC」まで備えることを考えれば、この重量にも納得です。鏡胴部にはズームリングとフォーカスリングを装備。どちらも適度なトルク感があり、操作性は上々。超音波モーター「USD」によるAFは、スムーズかつ静かに作動します。
写りは、絞り開放値から、画像中央部でシャープな像を結びます。周辺部には甘さが見られますが、絞りを絞り込むことで四隅までくっきりとした描写を得られます。
周辺光量落ちについては、絞り開放値の場合、かなり目立ちます。周辺に向かって徐々に暗くなっていくというよりは、四隅がケラれたような急激な落ち込みです。周辺光量落ちは、市販のRAW現像ソフトで補正できるので個人的にはあまり気にしません。ただ、JPEGのみで撮る際は気を付けたほうがいいでしょう。絞りをF5.6くらいまで絞り込むと、完ぺきとはいえませんが、まずまず解消します。
あえて周辺光量落ちを効果として生かす撮り方もあります。下の写真は、ズームの24ミリ側を使用して、開放値のF2.8で撮影したもの。後処理は加えていない撮ったままのJPEGデータです。開放値による前ボケと周辺減光によって、まるでエフェクトの「トイカメラ」のような効果が生まれ、廃虚から漂う幻想的なイメージが際立ちました。
次の2枚は最短撮影距離の38センチ付近で撮影したもの。9枚羽根の円形絞りによって、滑らかなボケが生じています。実売10万円を超える価格は手軽とはいえませんが、純正レンズでは味わえない手ブレ補正の安心感を考えれば、コストパフォーマンスに優れたレンズといえます。
最北の地で撮る夕日と廃虚とアザラシ
今回は、この明るい標準ズームを持って、北海道の北西部をめぐってきました。下の写真は、「日本最北端の地」でおなじみの宗谷岬です。稚内を訪れたなら誰もが立ち寄る定番のスポットですが、この日は7月下旬にもかかわらず気温11度。季節外れの寒さで人影はまばら。ときおり横切るカモメの鳴き声が、最北端らしい寒々とした雰囲気をいやおうなしに高めてくれます。
それにしても、この場所を半袖短パンで挑んだのは無謀でした。夏の北海道をナメてはいけません。最北端の厳しさを少し体感できたような気がしました。
このほかにも、最北の食堂や最北の旅館、最北の神社、最北のトイレなど宗谷岬近辺は何もかもが最北端で、被写体は豊富です。ちなみに、バイクで宗谷岬を訪れたら、その横にある最北のガソリンスタンドで給油し、ホタテの貝殻と最北端給油証明書をもらうことがバイク乗りの聖地巡礼的コースになっているそうです。
下の写真は、最北の水族館で撮影した最北の給餌です。絞りは最大値のF2.8を選択。その次は、最北の北海道遺産である稚内港北防波堤ドーム。こちらは最小値のF22で撮影。最北の地は、最大値や最小値が似合います。なお、このドームは稚内では数少ない夜景スポットのひとつ。夏の夜はここで野宿する人も多く、少々近寄りがたい印象もありますが、ライトアップされて浮かび上がるギリシャ建築風の柱廊は必見です。
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