滝田勝紀の「白物家電、スゴイ技術」
伝統工芸と現代量産技術の合わせ技!――南部鉄器の羽釜はこうして作られる(1/3 ページ)
前回、羽釜を採用した3社に考え方やアプローチを聞くことができた。今回は、象印マホービンの内釜「南部鉄器 極め羽釜」を生産する現場を見ることができたので、その工程を紹介したい。
象印マホービンが内釜の生産を依頼したのは、岩手県は奥州市にある水沢鋳工所。水沢という街は、平安時代末期から1000年近く鋳物の街として栄えてきた場所であり、さらにこの水沢鋳工所は独自の機械加工技術もあわせ持つ。「鋳物作り+機械加工の両方に対応できる水沢鋳工所がなければ、この羽釜を作り上げることはできなかった」(象印マホービン)。
伝統工芸品である南部鉄器をベースとしながらも、家電製品に求められる精度の高さや量産性を実現させなければならない。つまり、「南部鉄器 極め羽釜」は、南部鉄器の産地だからこそ生み出すことができたのだ。ここでは「南部鉄器 極め羽釜」がどのように手間暇かけて作られるかを順番にチェックしていこう。
工程01:砂などの材料を最適な分量に配合して鋳型を作る
最初の工程は、砂に粘土鉱物やデンプン、黒鉛の粉末、水を加え、造型機で砂型を成型すること。水分が多いと溶湯(鋳鉄)を流し込んだときに水素ガスが発生して不良率が上がるため、水分量には繊細なコントロールが求められるという。
工程02:電気炉で鉄を溶かし、煮えたぎるほどに加熱
鉄の中に含まれる黒鉛を球状にして強度を増した「ダクタイル鋳鉄」(球状黒鉛鋳鉄)にするため、1500度以上の温度で鉄とマグネシウムの合金を混ぜる。球状化を測定器で確認し、軽石を混ぜて不純物を取り除く。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
滝田勝紀の「白物家電、スゴイ技術」
モノ雑誌で白物家電を約10年担当し、メーカーからの信頼も厚いフリーランスライター、滝田勝紀(たきたまさき)氏が最新家電のスゴイ技術を紹介するインタビュー連載。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
3
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
4
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
5
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
6
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
-
7
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
8
「あ、その情報メモしたい!」を叶えるワイヤレスイヤフォン、Nothing「Ear (3a)」
-
9
有識者はGoogleやX、Meta、ドワンゴを名指しで批判……総務省、偽広告や誹謗中傷に発信・拡散前の対策求める
-
10
「痺れるほどにミスを繰り返す」Gemini 3.6 Flashは変わった? 公開から1週間、当初のおバカ回答を今検証する
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR