「できることは全てやった」――「あかつき」12月7日に金星軌道再投入(1/2 ページ)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は金星探査機「あかつき」(PLANET-C)を、12月7日に金星周回軌道に再投入する。2010年に軌道投入に失敗してから5年。今回がラストチャンスだ。「われわれは全力を尽くした。できることは全てやったつもりだ。本番を成功で乗り切りたい」と、中村正人プロジェクトマネージャは決意を述べる。
あかつきは、金星の大気の運動や雲の形成過程などの観測を目的とした惑星気象衛星で、2010年5月に打ち上げられた。同年12月7日、金星周回軌道に投入される予定だったが、メインエンジンが故障して失敗。現在は太陽周回軌道を回っている。
再び金星に近づく今年12月7日、5年ぶりに軌道投入のチャンスが訪れる。燃料は残り少なく、この日が最後のチャンスだ。
再投入に向けた関門は、1つ1つくぐり抜けてきた。当初の予定より太陽に近い軌道を回っているため、厳しい熱環境にさらされてきたが、機体は耐え抜いている。今年7月には姿勢制御エンジンを使い、3回に分けて軌道を修正。再投入の軌道に乗せる準備は整った。
投入は12月7日の午前中に行う。金星に外側から近づき、後ろに回り込んだところでエンジンを20分間噴射、金星周回軌道に乗せる計画だ。メインエンジンは故障しているため、姿勢制御エンジンを使って軌道を修正する。
姿勢制御エンジンは探査機のトップ側とボトム側にそれぞれ4基ずつある。まずトップ側のエンジンを20分間噴射し、その後、自動で姿勢を反転させ、ボトム側エンジンの噴射に備える。トップ側エンジンの噴射だけで軌道に投入できなかったと判断した場合は、ボトム側のエンジンを噴射するよう地球から指令を送る。軌道投入に成功したかどうかは、7日~9日にあかつきからのデータを受信して判断。9日に発表する。
今度こそ軌道投入に成功するよう「毎日のように最終チェックしている」と、探査機のエンジニアリングを担当する廣瀬史子 研究開発部門第一研究ユニット主任研究員は話す。「考え漏らしなどないよう準備してきたが、7日まで不具合のことをよくよく考えて対策を採っていけたら」。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「Xが情報収集に役立たない……」熊本地震で不満の声続出 「Twitterを返して」
-
2
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
3
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
4
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
5
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
6
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
7
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
8
イオンモール熊本内部の様子も──自衛隊や警察庁、救助活動の動画・写真をSNSで積極発信
-
9
TSMC熊本工場、段階的に通常操業へ 熊本の地震で一時中断、従業員の無事確認 台湾報道
-
10
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR