「Pokemon GO」の次は? “玩具化”したARはどこへ行くのか(2/2 ページ)
――オフィス以外の場所、普段の生活だとMRはどのように使われるのか
松尾: 例えば私の場合だが、亡くなった妻に会えるのではないかと思う。妻の姿を3Dモデルで再現して現実世界にオーバーレイさせ、触れることができる。本人の声は、初音ミクのように合成音声で作れるし、生前にTwitterでつぶやいたログを人工知能に学習させれば、会話の文章も生成が可能だ。仮想的な人格を生み出せるかもしれない。
――「時を越える」ということか
松尾: そうかもしれない。同じようにすれば、昔に撮影したビデオの映像に入り込むこともできる。自分が撮ったビデオには自分のアングルの映像しか残らないが、その世界自体を3Dオブジェクトで再現すれば、自由に動き回ったり、後ろを振り向いたりもできる。その場で椅子に座って右を向くと、“当時の妻”がいるかもしれない。
MRの世界、実現はそう遠くない?
――MRが世界をどう変えるかは何となくイメージできたが、実現するのはまだまだ先の話にも思える。いつ頃になるだろうか
松尾: そんなに遠い未来ではなくて2~3年すれば、ありうる話ではないかと思う。いまARやVR(仮想現実)が花開いているのには、GPUが強力になったという背景がある。ARにせよ、VRにせよ、3Dオブジェクトを生成するには、強力なGPUのパワーが必要だが、現状では少なくともミニタワーくらいのゲーミングPCがないとVR映像は動作しないし、PlayStation VRもかなりギリギリの性能だと思う。
ただ、NVIDIAの「GeForce GTX 1080/1070」、AMDの「Radeon RX 480」など、高性能なグラフィックスカードが相次いで登場し、ハードルを下げている。小型化・低価格化が進んで、眼鏡型端末やスマートフォンに実装できるようになると、大体の問題は解決するのではないだろうか。
ソフトバンクが買収したARMも、実はGPUを設計していて、Cortex MaliというGPUはひと世代前のデスクトップPC用独立型GPUと並ぶだけの性能があり、実際にVRを主用途に挙げている。
現在、MicrosoftのHoloLensは一体型なので、周辺機器いらずの約30万円、VRのヘッドセットは眼鏡型端末が約10万円、それを使えるようにするためのPCも約10万円で合計20万円くらいだ。性能では少し落ちるPlayStation VRだと、PS4込みで約10万円。2~3年後、よりコンシューマー向け製品として低価格化が進めば、ノートPCの代わりに持ち歩く時代が来るかもしれない。
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