「あらゆるものノックでコントロール」 慶應の学生が開発したIoTデバイスが米Bluetooth SIG開催のアワードに国内初進出
米Bluetooth Special Interest Groupは3月7日(米国時間)、革新的なBluetoothデバイスを表彰する「Bluetooth Imagine Blueアワード2017」のファイナリストを発表した。同アワードの学生部門に、今回初めて日本からの応募作品が選ばれた。
学生部門ファイナリストに選ばれたのは慶應義塾大学環境情報学部の伊藤輝氏、笹本健斗氏の共同作品である「MagicKnock」だ。
MagicKnockは机や壁などに設置することでノック音や強弱を検知し、コントロール信号を送ることでスマート家電やスマートデバイスを操作できるようにするデバイス。
「リモコンなしで、女子高生でもおばあちゃんでも簡単・便利に操作できるものを」
取材に対し、そう答えてくれたのはMagicKnockのプロジェクトリーダーである伊藤氏だ。
伊藤氏は慶應義塾大学の増井俊之研究室でユーザーインタフェースの研究をしており、ITに詳しい人から普通の女子高生、おばあちゃんまで誰もが簡単・便利に使えるものを作りたいという思いからMagicKnockを作った。
「ノックでコントロールする」という発想は、マウスやリモコンを持たなくてもPCやテレビの操作ができないだろうかと考えていた時に得たもの。
具体的にノックの振動をどのように聞き取るかという部分では、圧電素子で圧力を電圧に変換して振動をセンシングする方法と、マイクによる音声認識でノック音を拾う方法の2つを実験した。
音声認識による方法はノックする対象(机や床など)にセンシングデバイスを接地する必要はないが、その一方で生活音が発生する環境下では理想的な精度でノック音を識別することが難しかった。
一方の圧電素子による方法では対象に接地する必要はあるものの、マイクでは拾いきれない小さなノック音でも環境音の影響を受けずに検出できる。
この結果から、MagicKnockのセンシングには圧電素子による方法を採用したということだ。
MagicKnockからテレビを操作する部分については、増井教授(モバイルデバイス向けIME「POBox」の開発者)が作った2つのキーだけでコンテンツをブラウジングできるインタフェース「Gear」を応用した。こうして作ったテレビ向けのGUI「MagicTV」とMagicKnockは展示会で高評価を受け、リクルート主催の開発コンテスト「MashupAwards2016」のIoT部門では優勝に輝いた。
今回のBluetooth Imagine Blueアワード2017ファイナル選出を受け、伊藤氏は
「Bluetoothを用いたソリューションとして評価していただいたことは大変光栄に思いますし、さらなる自信にもつながりました。今後はより多くのユーザーに使っていただけるよう、商品化を目指して研究開発を続けていきたいと考えています。研究という側面だけでなく、IoTという切り口でビジネス展開も視野に入れて取り組みたいと思っています。」
と、意気込みを聞かせてくれた。
日本のIoTベンチャーに元気がないといわれる昨今、このように日本の学生が熱意を持ってIoTデバイスを作っているのは素直に応援したいところだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「食事量は1日1200kcal以下、でも肥満」な人を14日間追跡調査 痩せない理由は……米コロンビア大などの研究
-
2
なぜ酒蔵の許諾なしに? 「VTuberコラボ日本酒」騒動、主催者が経緯説明 仲介者による調整で「準備進んでいると認識」
-
3
かっぱ寿司「配布前のコラボグッズ、フリマで買わないで」 プリキュアコラボ発表日に注意喚起
-
4
本物そっくり“AI生成レシート“が経費精算の脅威に マネフォ「自力で見破るのは難しい」 企業はどう備える?
-
5
「ペンギンを返して」→「3匹全部採用して」 批判殺到のSuica新キャラ、ファンアートが空気を変えた? SNSの声
-
6
「菜の花がおかしい」――イラストレーター制作うたうマラソン大会ポスターに指摘相次ぐ 事務局がAI使用明かす【訂正あり】
-
7
「iPhone Duo」純正ケース話題、「面白いけど高い」……1万4800円と2万4800円
-
8
幻の「ちいかわ」コラボ第3弾皿、捨てちゃうの? くら寿司に聞いてみた
-
9
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
10
「ランジェリーパープルじゃない」「買おうと思ってたのに」 iPhone 18 Pro/Pro Maxの色に落胆の声
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR