マストドンつまみ食い日記
「今のTwitterは息苦しい」 ドワンゴがマストドンに込める期待(2/2 ページ)
ニコニコ文化とマストドンの親和性
マストドンのユーザーは、まだまだアーリーアダプターが多いという印象だ。エンジニアの江添亮さんも、「確かにまだ技術者や新しいものへの感度が高い人が多いと思います」と話す。
niconicoの特徴は、動画を中心とする創作文化。既存のniconicoユーザーとマストドンの間にはどんな親和性があるのか。
「今は、主にTwitterがユーザーの作品や活動を宣伝する場になっています。もしTwitterがなくなったら、日本の創作文化はシュリンクしてしまう。マストドンはその代わりになれるのではないかと思う」(栗田さん)。
米Twitterは、4月26日(現地時間)に月間アクティブユーザー数や日間アクティブユーザー数がそれぞれ増加傾向にあることを発表したが、まだまだ売上高は厳しい状況が続いている。すぐにTwitterがなくなると考えるのは時期尚早ではあるが、その代わりを担う「みんなの居場所」を探す試みは決して大げさではないはずだ。
今後niconicoユーザーが増えてくれば、「歌い手」「ボカロ」などジャンル別にインスタンスを増やすことも検討するという。
エンジニアにとってもマストドンは「自由」で楽しい
江添さんは「オープンソースのマストドンは、思想も設計もとにかく自由。インスタンス間の連携があるので、1社独占で閉じた設計にできないんです。その強制的なオープン性がとても楽しい」と強調する。マストドンのライセンスは、完全なソースコードの提供を要求する「GNU Affero General Public License v3.0」(AGPL)だ。
栗田さんも「うちのエンジニアたちは、好きなことはすぐ業務時間外で作っちゃうんです」と笑う。friends.nicoの開発も、休日に開始したそうだ。
「オープンソースなので、競合他社のpixivともGitHub上で連絡を取り合いながら不具合を修正したりして。普段はこんなことあり得ないんですけどね」(山田さん)。エンジニアたちにも、マストドンは新鮮で楽しい体験をもたらしているようだ。
friends.nicoは「ニコる」(Twitterでいう、いいね)や、niconico動画のコメントのように投稿が流れる機能などを実装するが、中でも「niconicoアカウントとの連携は必須だった」(山田さん)という。
マストドンはインスタンスごとにアカウントを作るため、なりすましが起きやすい。自分の作品や活動を宣伝するniconicoユーザーにとってなりすましは致命的なので、外部連携機能は最優先で実装した。
現状ユーザーからの機能要望はあまりないらしく、「今はタイムラインを見てどんな投稿があるかを日々見ています。要望があれば随時対応していきたいです」(山田さん)としている。
ぬるかるさん、初めての超会議は「カオス」
当日は、約10万人のユーザーを抱えるmstdn.jpの管理人ぬるかるさんもマストドンブースに現れた。ニコニコ超会議に来るのは初めてで、「なかなか来るタイミングが合わなくて……カオスな空間ですね」とはにかむ。
先日公開したインタビューは読者の反響も大きく、何より理解ある温かい御両親の存在が印象的だった。
「両親は技術者ではないのですが、僕が部屋にサーバを置いていろいろやっていたことに気付いてたようです。ドワンゴに入社したら、技術の勉強を頑張りたい。また、mstdn.jpの管理についてもお願いしたいです」(ぬるかるさん)。
mstdn.jpはfriends.nicoとすみ分けて運営する。栗田さんは「mstdn.jpは(あまり色を付けずに)フラットに運営していきたいです。これまで蓄積してきたniconicoの運営ノウハウを生かし、まずは安定した管理運営を目指します」と説明する。
マストドンの流行は一過性のものなのか、それとも――国内ではpixivやドワンゴなどが本腰でその開発に取り組んでいる。
ネットにおける創作文化の一翼を担ってきたドワンゴは、ポストTwitterとしての可能性にも期待する。まだ一部のネットユーザーで盛り上がっている点は否めず、不適切な画像への対策など、課題も多い。
ドワンゴの新たな挑戦は新鋭SNSの起爆剤となるか。
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マストドンつまみ食い日記
マストドン(Mastodon)をはじめとする、脱中央集権をうたうサービス、アプリ、Web 3.0の動きをつまみ食いする連載です。
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