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知らないと損をする? コインチェック「賠償責任を一切負わない」利用規約は有効か 弁護士が解説(1/2 ページ)
この記事は「STORIA法律事務所」のブログに掲載された「コインチェックの「当社は賠償責任を一切負わない」と定める利用規約は有効なのか」(2018年2月7日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
コインチェック社から約580億円分の仮想通貨NEM(ネム)が外部に不正送信される事故が発生して10日たちましたが、その後も金融庁による業務改善命令発出やコインチェック被害者弁護団結成など、毎日のようにコインチェック&仮想通貨関連のニュースが駆け巡っております。(編集部注:この記事は2018年2月7日に掲載されたものです)
今回気になった記事はこちら。
・コインチェックの利用規約をチェックしたら、通常あるはずのアレがなかった(サインのリ・デザイン)
コインチェックの利用規約について複数の角度から分析を行う内容であり大変有益なのでご一読いただくとして、本記事ではwebサイトの利用規約に「当社は賠償責任を一切負いません」と書かれていても有効なのか(免責規定はどこまで有効なのか)について、コインチェックの利用規約を例に学んでみましょう。
利用規約とは、webサイトの利用者と運営者が交わすルール
利用規約とは、webサイトの利用者と運営者が交わすルールのことです。
サービス種類や料金の支払方法、著作権がどちらに帰属するか、運営者が負う損害賠償の範囲などが定められており、利用者はあらかじめこれらのルールに同意しないとサービスを利用できません。
TwitterでもFacebookでもメルカリでも、およそwebサイトを利用する昨今のビジネスでは利用規約が定められています。
利用規約に書かれているルールを守るとあらかじめ約束した人だけが、サービスを利用できる形式になっています(同意ボタンをクリックする形式で約束をさせるサイトが多い)。
インターネット上のwebサイトは多数の人が利用するため、いちいち個別に契約書など作ってられません。そこで利用規約というユーザーに統一して適用されるいわば契約書のひな型を置き、そこに書かれた内容に同意する人のみにサービスを提供する(同意しない人には利用サービスを提供しない)ことで、webサイトにおける1対多のビジネスを容易にしているわけです。
利用規約の特徴として、個々の利用者ごとの個別の修正には応じない点があります。
利用者ごとの要望に応じていたら大変ですし(自分だけは投稿内容の著作権利用許諾はしたくない、自分だけは損害賠償を制限なく行いたいなど)、運営側がこれらの要望に応じるメリットも無いので、運営側の作った利用規約に応じるか否か、イエスかノーかにしているのですね。
利用規約と良く似たものに、保険会社の保険約款があります。
利用規約には原則何を書いてもOK(契約自由の原則)
利用規約には、公の秩序や強行法規に反しない限り、どのような内容でも自由に定めてOKです。
このような「誰と」「どんな内容の」契約をするかは自由であるというルールを契約自由の原則といいます。
例外的に無効になる場合もある(強行法規)
契約自由の原則は、当事者が対等の場合に機能します。
例えば職場の使用者と労働者、建物の賃貸人と賃借人など、いずれか一方の立場が強い場合、契約内容を自由に決められると、強い方が決めたルールに、弱い方は一方的に従わざるを得なくなります(どちらの立場が強いかは、昨今は微妙ですが)。
そこで国はこのような弱い立場に置かれる者を保護するために、契約自由の例外となる法律を作っています。労働基準法(労働者保護)、借地借家法(賃借人保護)、消費者契約法(消費者保護)などがこの例外にあたり、これらは契約自由の例外として強制的に適用されるので「強行法規」と呼ばれます。
強行法規に対して、契約自由の原則通り当事者が自由に定められる規定を「任意法規」と呼びます。
任意法規と異なる利用規約や契約をしても、契約自由の原則により有効ですが、強行法規に反した利用規約や契約は無効になります。
コインチェックの「賠償する責任を一切負わない」との利用規約は有効か
コインチェックの利用規約には以下の内容が定められていました。
コインチェック利用規約
第17条(免 責)
(略)
5 当社は、当社による本サービスの提供の中断、停止、終了、利用不能又は変更、登録ユーザーのメッセージ又は情報の削除又は消失、登録ユーザーの登録の取消、本サービスの利用によるデータの消失又は機器の故障若しくは損傷、その他本サービスに関連して登録ユーザーが被った損害につき、賠償する責任を一切負わないものとします。
一定の場合に損害賠償その他の法的責任を免れるための規定を免責規定といいます。
このような登録ユーザーが被った損害について、いかなる場合であってもコインチェックは賠償責任を一切負わないとする免責規定は有効なのでしょうか。
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