終息どころか「拡張」と「拡散」続くIoTマルウェア 警告相次ぐ(2/2 ページ)
感染原因についてはまだ不明ですが、デフォルト設定のままの認証情報を用いたか、あるいは既知の脆弱性が悪用された可能性が指摘されています。少なくともQNAP、Linksys、MikroTik、NETGEAR、TP-Linkの製品で感染が確認されており、Taolsによると、ウクライナを中心に54カ国で50万台に上る機器が感染したといいます。感染した機器はbotネットを形成し、攻撃者が操るC2サーバの指令に従う形です。
TalosやSymantecが分析結果を公開していますが、VPNFilterは「モジュール式」のマルウェアで、3つの段階を経て情報窃取を行います。
第1段階は、攻撃に必要なモジュールをC2サーバから継続的にダウンロードするための設定で、いわば「ダウンローダー」「バックドア」的な役割を果たすものといえるでしょう。第2段階で感染したマルウェアによって、デバイス管理情報などの窃取などが行われます。
そしてさらに別のモジュールをダウンロードしてくるのが第3段階で、通信内容を盗聴するスニファーやTor通信モジュールといった拡張機能が加わります。中には、IT機器だけでなく、制御システムを構成するPLC(Programmable Logic Controller)のコントロールに用いられる通信プロトコル「Modbus」を監視するコンポーネントが含まれているとの報告もあります。
もう1つ厄介なのは、再起動すれば第2段階のマルウェアまでは消去されるのですが、第1段階のマルウェアは再起動後も残っていることです。これまでのIoTデバイスをターゲットにしたマルウェアとは異なり、再起動だけでは根本的な再感染の防止が困難なのです。Talosをはじめとするセキュリティ企業は、機器を工場出荷状態にリセットして再起動し、ファームウェアを最新のバージョンにアップデートすることを推奨しています。
その危険性を鑑み、米FBIはC2サーバの停止措置(テイクダウン)を実施したと発表しています。
だからといって、これで事態は収束する、と考えるのは楽観的に過ぎるかもしれません。過去のITシステムへの攻撃では、モグラたたきのように、あるドメインが差し押さえられても異なるドメイン、異なるIPアドレスを用いて、botによる攻撃が継続したケースがあります。VPNFilterについても、「第一報」の波が収まった後も継続してウォッチしておく必要がありそうです。
Roaming Mantisのケースもそうですが、デフォルトパスワード設定の変更とファームウェアのアップデート、よほど必要がない限り外部からのアクセスを制限する、といった基本的な対策を徹底することが引き続き重要でしょう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「Xが情報収集に役立たない……」熊本地震で不満の声続出 「Twitterを返して」
-
2
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
3
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
4
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
5
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
6
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
7
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
-
8
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
9
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
10
「あ、その情報メモしたい!」を叶えるワイヤレスイヤフォン、Nothing「Ear (3a)」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR