今さら聞けない「認証」のハナシ
PINとパスワードは何が違う? 意外と知らない「知識認証」のハナシ(2/4 ページ)
パスワードはその内容がそのまま、もしくは暗号化されて、ネットワークを通じてサーバ側に届き、サーバ内で保存されているパスワード情報と合致しているかを判定します。
一方、PINはネットワークには流れることを想定していません。(※1)PCやスマホの場合は、入力した端末内で、その端末内に保存されているPIN情報との照合を行います。ATMでキャッシュカードやクレジットカードを使う場合は、カードに内蔵されたICチップの中にあるPIN情報との照合を、ATM端末を通じて行います。
この照合の結果、合致すれば端末・ICカード内のデジタルな認証情報が取り出され、その情報だけがネットワークを通じてサーバに伝達され、サーバ上で再度認証が行われます。認証情報だけが伝達される仕組みなので、PINそのものは端末からネットワークに流出しないのです。
この認証情報の取り出しには、PINの「知識」と、PIN情報が格納されている端末もしくはICカードの「所有」が必要なので、二要素認証になります。ですので、4桁の数字だけであってもセキュリティが高いといえるのです。
しかしながら、ネットワーク上に流れる数字だけのパスワードのことをPINとか暗証番号と呼んだり、ネットワーク上に流してしまっているケースがあります。元来の運用方法のように別の認証要素と組み合わせている場合や、専用端末&閉域網での運用ならともかく、単独使用や、インターネットに流れるような場合は安全とはいえません。
セキュリティ業界的な話になるのですが、そろそろ「パスワード」と「PIN・暗証番号」を区別して定義し直した方が整理されて分かりやすいのでは、と考えています。(※1)
【修正:2019年2月26日14時10分更新 (※1)初出時の文章について、誤解を招く表現があったため、一部記述を修正しています。】
文字列ではなく“形”を覚える「パターン認証」
パスワードや暗証番号が文字や数字の列を設定して覚えるのに対して、「形」を覚えるのが「パターン認証」です。
現在、最も使われているパターン認証は、Androidスマホのロック解除でしょう。画面上にタテヨコ3×3で並んだ点(ドット)のうち、数カ所を指でなぞり、それがあらかじめ登録しておいた順序と同じであればロックが解除されます。なぞるべき点の位置と順番、つまり「パターン」を覚えるのでこれも知識認証です。
このAndroidスマホのパターン情報もPINのように、そのスマホ内にしか保存されていません。ですので、パターンを知ってもその端末を入手できなければ役に立ちません。
WIREDの記事(2017年11月)にあるように、パターンはなぞる場面を目撃したら案外簡単に分かってしまうものです。これはパターン認証に限らず、iPhoneのパスコードでも一緒です。しかし、そのパターンやパスコードを不正利用するには、そのスマホ自体を奪取しないといけません。
逆に、スマホを拾ったり、盗んだりしても、パターンやパスコードが分からないとスマホ内の情報にはアクセスできません。
当たり前のことではありますが、知識とモノの両方をそろえなくてはならない二要素認証の強さを表している例といえます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
今さら聞けない「認証」のハナシ
認証セキュリティ専門企業であるパスロジが、専門用語が飛び交いがちなセキュリティの知識・話題から、「認証」関連分野を中心にできるだけ分かりやすく紹介します。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
2
「年齢は合ってますが、人間ではありません」 6歳の飼い猫に届いた“進研ゼミの案内” なぜ届いたのかベネッセに聞いた
-
3
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
4
GMO熊谷代表「社内ホワイトハッカーが事前に指摘」も対策遅れ、国に「能動的サイバー防御」要請 「責任転嫁では」SNSで批判も
-
5
グッスマに不正アクセス、公式EC閉鎖 会員の住所や注文履歴など漏えいか 再開目処立たず
-
6
ジョーシンへの不正アクセス、最大623万件漏えいか 運転免許証2件・マイナカード1件なども
-
7
野村総研、サイバー攻撃時の「能動的なシステム停止」を支援する新サービス
-
8
タイムズカー流出で顧客らが損害賠償求め運営会社提訴へ サイト開設の弁護士が記者会見
-
9
Xの「いいね」長押しで1ドル送金 マスク氏が“投げ銭”機能を予告
-
10
たばこ休憩なき時代の“一服”をどう取るか 温熱と“聞こえない音”で休む、JT子会社のアイマスクを試す
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR